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「迷惑はいけない」だけか?

ecomom連載記事。子育て中のお母さん向けに書いていました。

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迷惑はいけないこと?!
「迷惑はいけないことか」という問いに、即、「当たり前でしょ!!」と思ったとしたら、もしかするとあんまり社会的に弱い立場にならないで済んできた人かもしれない。私自身も子持ちになるまでは、「迷惑をかけない=当たり前でしょ」と思っていた。あるいは「なんと、迷惑な!」のように自信を持って迷惑がれる社会的強者の立場に立つことが多かったなー、と反省することしきりなのである。

一体、何が言いたいのかというと、子どもを育て始めて気づいたことのひとつに、「私ったら、どうしていつもこんなに「すみません」って言ってるんだろう? ということだった。バギーに乗せて電車に乗っては「すみません」。食事に行っても「うるさくって、ごめんなさい」。子ども同士で遊んでいても「わがまま言って、ごめんね」やれやれ。

子どもが歓迎されていると感じると…
こういった息苦しい気分がなんとなくあったころ、ちょうど上海旅行が格安でできるというキャンペーンを見つけた。ちょっと心配しつつも、我慢できずに下の子が7ヶ月ぐらいのころに上海に家族旅行をした。

一人っ子政策のせいか上海では赤ちゃんがめずらしいらしかった。どこに行っても町の見知らぬ人たちがバギーに乗せている赤ん坊をのぞいては、あやしてくれる。おばさんはもちろん、おじさんも若者も小学生も。地下鉄に乗っているサラリーマンまでも。席をゆずってくれるとか、親切にしてくれるということは無いにしても、みんながニコニコ顔で子どもを見てくれている、という状況。これですっかりいい気分。帰宅ラッシュになりつつある地下鉄で親切な笑顔を向けられるなんて!! 旅行へ出かけたということ以上の収穫だった。
 
「お互い様」はただの言い訳ではない 
「お互い様」って言い訳じゃないの?って感じていた部分もある。自分は迷惑をかけてない、とどこかで思っていたんだと思う。もちろん、迷惑かけないに越したことは無い。けれども「絶対に迷惑をかけてはいけない」と思っていたら、トジトジ君になってしまいそうだ。どこにも出かけられず、だれともかかわらず…。

迷惑をかけざるを得ない状況ということがだれにでも(多分)ある。または、気づかないで迷惑かけていることもあるかもしれない。だから最近は、迷惑をかけてることに無神経にならないで、でも神経質になり過ぎないで、「ありがとう」と感謝できるといいなーと、思うようになった。「すみません」「ごめんなさい」より、むしろ「ありがとう」と感謝して、どこかでご恩返しをする。迷惑を許してくれた相手へ感謝するとか、その相手からの迷惑を当然と思う、というだけではない「お互い様」もありなんではないかなー、とまでも感じる。

たとえば、見ず知らずの人でも、次の世代のからでも多少の迷惑をかけられても、眉をひそめないで対応するとか。そんなご恩返しでも許されるのではないかなーと思うようになってきた。

少子化政策をするとしたら、「子どもを歓迎する雰囲気を作る」とか、「迷惑がお互い様って感じられる人間関係作り」ってことなんじゃないかと思ったりしたのでした。

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