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保健師ママが子育て支援施設15ヶ所利用してみて、子育て支援について考えてみた話

こんにちは。育休中の保健師のななと申します。

もうすぐ2歳になる男の子を育てており、現在は育休中です。

本業は保健師ですが、担当業務的に乳幼児健診や親子教室などの業務はほとんど経験したことがないため、保健師といえど子育て支援のリアルに触れる経験が少なかったと思います。

そういったことから、自分の妊娠・出産を通じて、子育て支援サービスをふんだんに体験し、子育て支援とはなんぞやを自身で感じたいなと思いました。

その活動の一環として、これまで約2年間で7市15ヶ所の公共の子育て支援施設を利用してみて、私なりに考えたことを綴ろうと思います。


私がこれまで利用した子育て支援施設

コロナ禍では利用制限をかけている施設が多くありましたが、徐々に解除されてきて市外の親子でも利用できる子育て支援施設が増えてきました。

私自身が途中引っ越したということもありますが、行けるところは行ってみよう精神で開拓していったところ、これまでに近隣や実家・義実家のある市も含めて7市15ヶ所の公共の子育て支援施設を利用できました。

これまで利用した施設は、

・子育て支援センター等 10ヶ所
・児童館 3ヶ所
・地域交流施設の併設 2ヶ所

子育て支援センターや児童館だけでなく、市の生涯学習センターや多世代交流センターなどにも子どもを遊ばせる場所が併設されているところもありました。

また、子育て支援施設を知ったきっかけは、

・子育て支援センターを利用しているママに教えてもらった 4ヶ所
・家族から教えてもらった 3ヶ所
・近くを通りがかって知った 3ヶ所
・市の子育て支援パンフレットで知った 3ヶ所
・市の広報で知った 2ヶ所

SNSやWebメディアからの情報収集が主流の時代ではありますが、こうやって見てみると口コミや紙媒体といったアナログな方法で情報を得ていたのが大半でした。

1番信頼感があるのが、利用者の口コミでした。
どんな雰囲気なのか、どんなおもちゃがあるのか、注意点(予約が必要なのか、どの時間帯が混んでいるかなど)といった事前情報があると心構えして行けて安心でした。

逆に通りがかりで知ったところや広報・パンフレットで掲載していたところは、どんな雰囲気かわからないので、最初に足を踏み入れる時はかなり緊張感がありました。

子育て支援施設によって違うポイント

私が「施設によって違うな〜」と感じた主なポイントを3つ紹介します。

①職員との会話、職員の職種

施設によって、職員さんから利用者への話しかけ度合いが結構違いました。

毎回行くたびに様子を聞いてくれるところもあれば、基本ノータッチでおもちゃの消毒や換気の時だけに職員さんが現れるというところもありました。

施設の併設だと、そもそも専任職員はおらず、場所だけが開放されているというところもありました。

また、職員さんの職種は、保育士さんのみならず、子育て中の先輩ママさんという場合もありました。

子育てのお悩みを話すと、保育士さんの場合は子どもの発達の説明とともにアドバイスをくれましたし、子育て中のママさんスタッフの場合は、「うちの子のときもね〜」とリアルな体験ベースで、共感しながらお話してくれました。

私的には、どういうのが1番良いとかはなくて、相談したいな〜話聞いてほしいな〜というときは、職員さんが話しかけてくれるところに行きたいし、子どもを遊ばせてぼーっとしたいなというときは、職員さんとあまり話す機会がないところも良いなと感じていました。

②親同士の交流

施設によって、親同士の交流具合も違いがあったように思います。

親同士の会話が盛んで、なかには毎回利用者がほぼほぼ固定みたいなところもあれば、親同士があまり会話をしないところもありました。

これは、施設の広さが結構関係していると私は考えています。

ビルの一室みたいな広さの施設だと、人口密度が狭くなり一組一組の距離が近くなるので、会話が生まれやすくなっていたような気がします。
逆に、民間の大型プレーパークのようなだだっ広い施設だと、子どもが動き回って利用者同士の距離が離れるので、あまり会話は生まれない、というような感じでした。

私は、他の利用者さんとお話するのは結構好きな方なんですが、7施設利用したことのある夫曰く、狭いと会話しなきゃいけないのがプレッシャーだったので、広い施設の方が好きだったとのことでした。

また、施設側の配慮や工夫によって、利用者同士の会話が生まれやすいなと感じたところもありました。

「〇〇ちゃんは全然ご飯たべないらしいんだけど、△△ちゃんのとこはどうしてた?」みたいに、職員さんが積極的に他の利用者さんを巻き込みながら、会話を進めてくれるところだと、利用者同士の会話も自然と生まれていたような気がします。

また、名札をつけるところだと、お互いの名前がわかるので、「うちの子と一文字違いですね〜。どんな漢字ですか?」みたいに話すきっかけが生まれやすかったような気がします。

私は、子育て支援施設に行き始めた最初の方、「話しかけたいけど、何の話すればいいかわかんない…」と感じることもあったので、こんなふうに自然に他の親さんと繋げてくれるところは、ありがたいなと感じていました。

③イベントの頻度 

施設によっては、ベビーマッサージやリトミックなど積極的にイベントを企画してくれる施設がありました。

また、「0歳児の日」や「双子の日」、「パパの日」など、対象者を限定する日や時間帯を設定している施設もありました。

私は、子育て支援施設に行き始めた当初、初めての施設に行くとき、「自分だけ誰とも話せなかったらどうしよう…」と、とても緊張感がありました。
特に、0歳児の場合だと子どもは寝転がっていることがほとんどなので、手持ち無沙汰になりがちなんですよね。

こういったイベントを設けている施設に、イベント開催日に参加すると、施設の雰囲気も分かるし、無理に他の利用者さんに話しかけなくても手持ち無沙汰にならないので、気軽に利用できました。

また、対象者が限定されていると、親同士で同じような悩みを共有しやすいので、会話が弾みやすかったです。

どの施設が1番とかではなく、このバリエーションの多様さが良い

子育て支援施設へのニーズは日々変化する

上記に挙げたように、子育て支援施設と一言で言っても、施設によって特色がさまざまでした。

ママとしての私の所感は、距離や雰囲気によって利用頻度に差はあるものの、どの施設が1番良いというのはなくて、この豊かなバリエーションが近くに全部あったらな~というのが正直な本音です。

「相談したいな〜話聞いてほしいな〜」というときは職員さんが話しかけてくれる施設に行きたいし、保育園情報などのリアルな情報交換をしたいときは親同士の交流が盛んな施設に行きたい。

逆に、誰とも話したくないけど、散らかった部屋を片付けるのが面倒なので子どもを自宅以外で遊ばせたいときは、職員さんもいないような閑散とした施設に行きたい。

他の利用者さんの話を聞いてみても、「大人と話がしたい…!」と交流を希望している方もいれば、「混んでいないところが良い」とあえて空いている施設を好んでいる方もいました。

また、子どもの年齢や兄弟の有無によっても子育て支援施設に求めるニーズは変化すると思います。

もう2歳近いわが子は、最近自我が出てきて「ここに遊びに行く!」という強い意志を示すようになったので、親の希望はほとんど無視されます。笑

今は、自由に動き回れてトミカやプラレール、絵本がたくさんある施設が彼の好みですが、0歳児のときは子供同士がぶつからないような安心して過ごせる、木のおもちゃが豊富な施設を利用していました。

保育園や小学校に行っている兄弟がいる場合、土日や長期休業中は、就園・就学児でも利用できる施設を探すことになるでしょう。

加えて、その日の天候もどの施設を使うか左右すると思います。
雨だから立体駐車場のあるところが良いなとか、外遊びできないから走り回れる広めのところが良いなとか。

このように、子育て支援施設に求めるニーズは、親の気分(もしくはキャラクター)×子どもの年齢×兄弟の有無×その日の天候など、様々な要因が絡み合って、日々ちょっとずつ変化している気がするのです。

ですので、この施設の在り方がベストofベストということはなく、「みんな違ってみんないい(金子みすゞ)」というのが私の感想です。

今回書いた「子育て支援施設のバリエーション」はほんの一部で、全国にはもっと様々な子育て支援施設があるでしょう。

私たち親子のために、日々創意工夫してくださっている施設職員さんには感謝しかありません。
本当にありがとうございます。

保健師として、刻々と変化する親の気持ちに寄り添いたい

そして、この体験から私が保健師として感じたことは、「子育て支援施設に求めるニーズが日々変化するということは、それだけ親も子育てを通して感じることも日々変化している」ということ。

子どもが日に日に成長しているので当たり前っちゃ当たり前なんですが、自分の体験を通して、子育ての喜びや疲労感が日々刻々と変化していくことをすごく実感しています。

昨日はお歌が歌えるようになって成長にほっこりしたけど、今日はイヤイヤが炸裂して白目…みたいな。笑

家族の協力度合いや自分の体調の具合なども相まって、白目な日々が続くと、コップの水がいっぱいになりそうになるときもあります。

その刻々と変化するコップの水量の水を取り出してくれるのが、子育て支援施設だったり、専門職の支援だったり、地域の人の声かけだったりするのかなと思うのです。

「保健師=ハイリスクケースの対応」になってきちゃってるご時世ですが、やはり地域全体を見て、感じて、動くことも保健師の大切なお仕事。
今後子育て支援関連を担当することになったときは、このことに思いを馳せながら、「子育て中の親の気持ちの変化に寄り添った支援や資源は、この地域にあるかな?どうやったらできるかな?」という視点で考えていきたいなと思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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