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#荷物

深夜宅配、前

深夜宅配、前

 インターホンが鳴った。
 既に日付を越えてから二時間は過ぎている。こんな時間に誰が来たのかと怪訝な顔で画面を覗きこんだ。

 そこにはにっこりと笑みを浮かべる見知らぬ男が立っていた。
 …部屋を間違えたのか。踵を返しソファーにどかりと腰をおろす。

 もう一度チャイムが鳴った。画面の中の男は、相変わらず笑みを絶やさずに立っている。
 間違いに気づいていないのだろうか。どちらにせよ、このままチャイ

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