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#8 キルギス乗馬トライアルツアー3日目

今日はゆっくりでいいよ〜って事でのんびり起床しのんびり朝ごはんを食べ、のんびり馬装。

ビシュケクで観光客向けに乗馬ツアーを行なっている人が、地元のキルギス人達のために馬装の仕方講習をしてた。キルギス人達は馬の上で生まれたとか言っちゃうぐらい馬に親しんでいる人が多いけど、馬は家畜でありアニマルライツ的なものには頓着がない。背中が痛くならないように〜とかの講習を興味深そうに聞いていた。

出発する前に昨日の馬から別の馬に変えてもらうことに。が、今日もこの馬ね、ちょっと難あるから。と言われ、変えてもらう意味とは?となった。登り坂はいいけど降りがね〜と意味深。

本日は晴天。ただでさえ素晴らしい山々が青空に映える。

地元の羊飼いの道案内のもと、しばらく進んだのだが、なんと地滑りで先に進めないとのことで戻れとの指示。が、戻ったとしてどうやって山を越えて湖を目指すのか不明。なんといってもトライアルツアーなので色々と手探り。またまた地元の羊飼いの案内の元別の道を試すことに。が、この道ありえない急勾配。羊飼いとその馬と犬はグイグイ上がっていくが、他の馬達は皆ギブアップ。私も馬を降り引っ張って坂、いやもうむしろ崖を登る。

坂というか崖
無理!って言ってくる馬をひっぱる

崖の下で標高2,300m、登り終わったら2,900m。息切れがすごい。馬も無理って言ってくる。気持ちはわかるが降りるのも無理だから頑張ってくれ。羊飼いに続き2番目に崖を登り終えると壮大な景色が広がっていた。

まるでスイスみたい…ってスイス行ったことないけど。グループの中には65歳や100キロぐらいありそうなアメリカ人のお姉様方がいたから皆登ってこれるのかな?と心配したけど全員無事に登り切った。この景色を見ながらのランチ、なんて贅沢な…

ランチ休憩の後は空に限りなく近い平原をひたすらに歩いていく。景色が雄大すぎて1分に1回ぐらいのペースで写真撮っちゃう。

右と左で全然山の土の色が違かったり、生えている木が違かったりと本当に見ていて飽きない。そして至る所で馬が放牧されているので馬好きにはたまらない…

が、楽しかったのはここまで。なんと道に迷ったという。地元の羊飼いは崖を上がったところでじゃ、後はまっすぐ行けばいいだけだから〜と爽やかに去っていき(あの崖どうやって降りたんだろ?)後はCBTのおっちゃん達任せ。目的地のソン・クル湖に到着するにはもう一山越えないといけないっぽい。この段階ですでに17:30。いくら20:00ぐらいまで明るいとはいえ山陰は暗くなるのが早いだろうし何てったって寒くなる。しかもアメリカ人3人はサドルバッグに自分たちの荷物を全部預けちゃったのだけど、なぜかそのサドルバッグが行方不明になっており、上着も水もないという。彼らはチップ払って他の人に全部やってもらうのに慣れているのかもしれないけど、こういう時に人を信じてはいけないのよ。大切はものは自分で持たなくちゃ。他の国からの参加者は皆必要なものは自分で持っている。

CBTのおっちゃん達数人が先の道(山の麓)がどうなっているか確認に行っている間、丘の頂上で待つ。この先は進めないとなった場合、道中で見かけた遊牧民のユルト(移動式住居)に戻るというオプションがあるらしい。アメリカ君がもう戻ろう!早く戻ろう!多数決だ。戻るオプションがいい人!とややパニック気味。彼女さんが冷静にCBTのみんなに任せなさい。と彼氏をいなす。私はかなり余分に上着を持ってきていたので、上着なら後3枚あるから必要なら言ってと伝えてアメリカ君を宥める。上着の予備があると知ってやや落ち着いた様子のアメリカ君。そこに先の様子を見に行っていたCBTのおっちゃん達が戻ってきた。結果は進めないとのこと。仕方がないのでユルトまで戻ることに。道のりは約1〜2時間。

この頃には消化試合なので皆無言。隊列は縦に伸び伸び。会話もなくとぼとぼ歩く。そして私の馬、疲れを知らない&下り坂が苦手で歩くことができず常に速歩状態。手綱を引っ張って止めようとするとますます興奮&混乱するのでもう走らせちゃうことに。これが出発前にCBTのおっちゃんが言っていた降りがちょっとね〜という事のよう。どうせグループはバラバラで先に遊牧民の元に走ったCBTのおっちゃん達と、初めて馬に乗りましたの人達の間は遥かに離れている。私もCBTのおっちゃん達を追いかけて速歩、途中駈歩でユルトを目指す。この馬行きも登り坂以外常に速歩状態だったため、そろそろお腹の筋肉が限界。腹筋が痛いのか、揺られすぎて内臓が痛いのかもうわかんないな…と思っていたらようやくユルトに到着。長かった…約9時間馬に乗ったよ。

約15人もの人が突然尋ねて来て遊牧民の一家は平気なのか心配していたけど、意外と平気らしい。お茶を淹れてくれ、パン、ジャム、バター、ビスケットなどでもてなしてくれた。ユルトは2つあって2家族が暮らしている。娘が3人いて、彼女たちは急な外国人集団の到着に大興奮。バレーボールを手にしていたので、やるか?!とジェスチャーで示すと満面の笑み。9時間馬に乗ったのち高度2,700mの場所でバレーなんかできるかな?と思ったけどこれが意外といける。イタリア君、アメリカ彼女さんも加わって…そのうちCBTのおっちゃん達も加わって…みんな元気だな!

最初は金髪のアメリカ彼女さんが人気だったけど、私が日本人だとわかると遊牧民の娘ちゃん達の顔が幽霊を見たかのような顔で固まった。え?日本人なの?ひとりの女の子が「Speak」と私に言ってくる。え〜日本語で喋ればいいの?何を喋ったらいいのかなぁ。日本語喋ったってわからなくない?と言うと、うわ〜!すごい!本物だぁ!!噂に聞いてた日本人だぁ!ってな感じに大喜び。その後何回も「Speak」うわぁ!!が繰り返された。

21時近くになってようやく日が落ちて来た。遊牧民の子供達はよく働く。上のおねぇちゃんは馬を駆り周りの山に自分達の馬を集めに行き、末娘はお母さんが馬のお乳を搾る際に母馬が動かないように口元をおさえる。


お世話になりました


日が暮れると今度はユルトの中でキルギスのゲームとトランプ遊びに興じる。そうそう、今何をしているかと言うとCBTの車が迎えに来てくれるのを待っているのだ。この場所はあまりに山の中すぎて携帯が通じない。なので、先に湖に車で行って待っている別働隊に山を越えられなかったことを伝えられないのだ。なのでCBTのおっちゃんの一部が遊牧民の車を借りて湖に状況を連絡に行ったのだ。さすがのキルギス人でも馬で伝えに行こうとは思わないのね。

で、トランプに話を戻すと、キルギスのトランプは不思議で6から上の数字とジャック、クイーン、キング、エースしかない。日本の一休さん(1.9.3)、七五三(7.5.3)のカードが出たら叩くゲームを教えたかったが、5.3が存在しないので、好きな数字を3つあらかじめ決めておいて出たら叩くルールにして教えたらこれが大ヒット。流血沙汰になるほど大盛り上がり。時はすでに24時過ぎ。みんな元気。

ようやく24:30頃迎えの車が到着。何台かの車にわかれて湖に向かう。オフロードを2時間走り湖に到着。観光用のユルトが用意されていてようやく就寝。イタリア君とイタリアちゃんは星の撮影に行くらしい。元気すぎ。まぁ彼らは12日間の旅行で来ているからな。私は時間はあるのだ。高度3,000mの湖の空の星はさぞかし綺麗なんだろうけど、今日はおやすみなさい。

14/June/24

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