見出し画像

ジゼフ渓谷トレッキング

ルシャンは想像以上に町でビックリ。お金が出てくるかは不明だけど、ATMもあった。イスカンダル湖に一緒に行ったイギリス君が、ジゼフ(Jizev)渓谷に行くには、マーケットの辺りでバータン(Bartang)渓谷行きのシェアタクを拾い、ジゼフ橋で降ろして貰えばいい。と言っていたが、セルビア君とマーケットやMaps.me上でバータン渓谷行きシェアタク乗り場と書いてある場所で聞いて回ったが、土曜日だったからかバータン渓谷方面に行くシェアタクはないようだった。町の人がタクシーの運転手さんを紹介してくれたが、値段は200ソモニ。ルシャン インを通じてタクシーを手配すると150だと言われたので、そちらの方が安い。

セルビア君とルシャン インに戻り、オーナーにタクシーを呼んで欲しい旨伝えると、オーナーが運転して連れて行ってくれるから、車一台あたり150ソモニなのだと言う事が判明。町のタクシーは基本一律200ソモニで、オーナーは宿泊客のためにそれより安い価格で連れて行ってくれるとの事。私達はジゼフ渓谷に一泊して日曜日にルシャンに帰ってくる予定だったので、日曜日の迎えの送迎もお願いした。ちなみにシェアタクだと20ソモニらしい。

9時半頃出発。これまた道が悪路。そして結構遠いので、歩いては行けない。ガタゴトひたすら揺られながら進む事30分ほど、ジゼフ渓谷へ渡る橋に到着。凄すぎる吊り橋。下を怒り狂った濁流が渦を巻き、すごいスピードで流れていく。

すんげぇ吊り橋。

橋を渡り、岩場の道を登って谷へ入る。谷に入ってすぐ、バータン川をかえりみると、バータン川の荒れ狂う濁流に、ジゼフ川の氷山の蒼い水が流れ込み、更に下から湧き出す澄んだ湧き水が混ざり合い、美しいコントラストを織りなしていた。

3種類の水が混じり合う。

道は緩やかな登りで約2,000mから2,700mほどあがり、谷にある最後の集落まで約6kmのトレッキング。両サイドに聳える岩山が圧巻…後ろを振り返ると、渓谷の逆さピラミッドの間に遠く雪を冠した5,000m級の山が見える。


至る所から、天然のフィルターで濾過された最高に甘くて冷たい湧き水が湧き出しているのも嬉しい。湧き水を見つけるたびボトルの中身を入れ替え、冷たいくて甘い水を堪能する。

甘くて美味しい湧き水

日差しは強くても、乾燥しているので、日陰に入れば涼しい。また、氷山から溶け出た水が流れる川のほとりは天然のクーラー。冷たい水飛沫を浴びながら、しばし休憩。

ジゼフ渓谷には3つの集落がある。1つ目の集落に到着して最初の家。女性2人が外で作業をしていたので手を振ると、お茶を飲んでいけ!と家に招いてくださった。チャイ、パン、チェリージャムをご馳走になっていると、家のご主人のおじいちゃんがお話ししに来てくれた。セルビア君はロシア語ができるので会話ができてありがたい。こんな車も来れない集落でなにを生業になさっているのか尋ねると、家畜を育てて、肉を売ったりしているとのこと。

これはチャンス。私はワハーン渓谷をロバと旅したくて、いろんな人にロバをどこで手に入れたらいいか、いくらぐらいで買えるものなのかリサーチしてきたのだが、このおじい様はプロ!ロバいくらか聞いてみよう!セルビア君が通訳してくれて、ロバの値段を聞いてみると、1匹500〜800ソモニとのこと。安い…キルギスでもロバ1匹無料〜50ドルほどなので、そんなもんなのかもしれない。イシュコシムあたりに行けばいっぱいロバいるよ〜との事だったので、期待が高まる。

ひとつめの集落
ひとつめの集落

お茶代はいらない!と言われるのは目に見えていたので、ふたりで20ソモニをこっそり置いて家を出て、外にいたご家族にお礼を言う。おじい様的には、最後の集落に泊まるのが景観的にも1番いいだろうという事だったので、最後の集落まで行くことにした。

段々日が高くなって来て、川から離れると日差しの強さに滅入るように。2つ目の集落の日陰でちょっと休ませてもらうことに。岩場に座っていると、岩場の上のお宅のおじ様がなにやらマグカップを持って出てきてくれるではないか。またお茶くださるのかな?と思っていたら、小川のそばでしゃがみ込んだので、違うかな?水をくださるのかな?と思っていたら、5歳ぐらいの息子くんにマグカップを渡し、息子くんが何か届けてくれるではないか。受け取ってみてビックリ!なんとマグカップいっぱいに入ったヨーグルト。あぁ!乳糖不耐だからこんなに食べられないかもしれない!が、こんな可愛い息子くんにいらないなんて言えない…これを食べずして下痢にならないことを望むよりは、食べて下痢になることを私は望む!と意を決して食べてみると、めちゃくちゃ美味しい!こんなクリーミーなヨーグルト食べたことない。しかも、ヤギのミルクで作られているようで、独特の香りが鼻を抜けていく。美味しい〜。あと、ヤギのミルクに含まれる乳糖は牛乳の乳糖とは異なり、乳糖不耐の人でも食べられると聞いたことがあったので、これはイケるはずだ!とあっという間に完食。いや本当に美味しかった…ご馳走様でした!

ヤギのミルクのヨーグルト

ヨーグルトを頂いていると、私達が座っているのを見つけたおじい様が現れて、セルビア君と話をし始めた。おじい様はこの村の生まれで、ドゥシャンベに出て美大に通ったが、都会がどうしても好きになれず、村に戻り学校で美術を教えた後引退。自分の世代まではこの村に人が住んでいるだろうが、自分の下の世代が住むかはわからない。政府に道を作ってくれるようお願いしている。との事だった。よそ者の私がいうのもなんだけど、道は多分厳しい…なんてったって橋もかけなければならないし、そもそも世帯数が10ぐらいしかなさそう…限界集落もいいところ…

また、この渓谷をハイキングしていて行方不明になった中国人の女の子の話もしてくれた。村人は橋を渡った後の崖になっているところからバータン川に落ちてしまったのではないかと考えているらしいが、遺体も上がらなかったらしく、詳細は不明との事。確かにあの流れに飲まれたらひとたまりもないだろうな…

2つ目の集落を離れ、3つ目の集落を目指す。集落同士はそこまで離れていないので、意外とすぐ到着した。今晩泊めて頂けますか、おいくらですか?と聞くと朝食、夕食付きで180ソモニとの事。その値段で大丈夫ですか?と心配そうな美人若女将。もちろん大丈夫です!最後の集落には1家庭しかいないみたい。80歳ぐらいのおじいちゃんはいるけど、その息子と、若女将の旦那が見当たらない。ドゥシャンベやロシアに出稼ぎに行っているのだろうか。

集落間にある湖。
いつくも湖が出てくる。

このホームステイでは、川沿いに納涼床が設けられている。セルビア君と最高だね〜!他に何もいらないね〜と言いながら涼んでいると、チャイセットが運ばれてきた。本当にパミールの人達はホスピタリティ精神がすごい。ありがたく頂く。

納涼床
泊めてもらったお部屋

のんびりしていたら、ロバ数頭がロバ飼いに追われて山を降って来た。車やバイクでは来れないジゼフでは、まだまだロバが活用されているみたい。

ロバ!
ロバと渓谷

その後夕食。何を食べますか?と聞かれたので、何でもあるものを!と答えた。だって急にフォアグラ!って言われても困るでしょう。冷蔵庫がないと思われるこの家では、肉をキープしておく事が難しいのだろう。夕飯はポテトのパスタ。炭水化物オン炭水化物。自給自足できるものと、冷蔵庫なしで長期間保管できるものでないと作れないよな。味はもちろん超美味しい!で、21時には就寝。おやすみなさい!

夕飯。
翌日の朝訪れた3つ目の集落から
3kmほど上がった場所にある湖


【ジゼフ渓谷アクセス情報】
・町のマーケット辺りでバータン渓谷に行くシェアタクを探し、ジゼフ吊り橋で降ろしてもらった場合、1人20ソモニ。帰りは多分ヒッチハイク。

・町中でタクシーを依頼した場合、片道1台200ソモニ。

・ルシャン・インのご主人に運転してもらった場合、片道1台150ソモニ。

※タクシーの場合もルシャン・インのご主人に運転をお願いした場合でも、帰りの送迎はあらかじめお願いしておかないと、橋の周辺には電波がないので迎えに来て貰えないので注意!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?