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あと2年と5ヶ月

『30までにとうるさくて』

わたしがいま、29歳だったらたぶん観てないと思う。
というより、観れないと思う。
大学3年のときの『何者』みたいに。

いざ直面すると観れない。
なんというか、ただでさえ考えてるのに
さらにそれを観たり読んだりして
わかるわかるなんて共感したくない。

山内マリコの作品もそうだ。
地方出身の都落ちした女の子。
いざ自分がそうなったら、自分のことすぎて辛い。

まだそうじゃない自分がいるから観れる。読める。そんな感覚があったりする。
ドラマや小説の中くらい現実から離れていたいと思う。

その点、中村文則はいい。
わたしの中のダークな部分が疼く感じ。
決して明るいわけではないけれど、静かに内から音が聞こえるような。
次に読む本として『掏摸』を準備しているので早く読みたい。


大学2年生の時かな
夕方の再放送でやってた『29歳のクリスマス』
わたしあのドラマ大好きになったんだよね。
再放送を録画してたもんだから、それ以来毎年冬になると観てきた。

「わたしはね、10円ハゲでもできながら、毎日毎日男の中で働いてるの!それをお見合いだー、結婚だーって。お母さんだからね!男に頼らないで生きていきなさいって言ったの。」

たぶんこんなセリフだったと思う。
第1話がものすごく覚えている。いきなり、主人公が自分の頭に10円ハゲを見つけるところから始まるのである。そんな朝だったのに満員電車に乗り、走って会社向かっていたらヒールは壊れるわ、仕事でパリコレにいくことが決まっていたのに後輩に取られ、パリが五反田になるわ、彼氏が別の女と会ってるところを見て振られるわ、妊娠してるかもなんて心配するわ、もう散々な29歳のスタートである。

あーわたしあのドラマのCMを跨ぐ前の一句みたいなのが好きなんだった。
《29歳、どんづまり。》
みたいなね。
あぁ、なんといってもオープニングはマライアキャリーの「All I want for Christmas is you」なんだ。オープニングの当時の街並みや人々を映しているのもいい。あぁその時代、わたし生きたかった!なんて思ったりする。

DVD欲しいと思っているのだけど、マライアキャリーを主題歌に使っちゃったもんだからDVD化できてないって本当かな、、オープニング抜きでいいから作ってくれないかな。4話目くらい録画するの忘れて見たことないんだよな、、


29歳もなんだかんだドラマや本に触発されながら、楽しみにしてる歳だったりする。


奈々

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