自転車はじめて1年でPBPを完走するまで #05 〜PBPの峠編〜
家族峠
時は少し遡り10月某日、初めての200km、400kmブルベを完走し、続く300kmブルベ出走の前日、妻(以下、ママ)とこんなやり取りをしました。
私「なんか、200kmから600kmぜんぶ完走したら、4年に一度だけフランスで開催されるPBPっていう1200kmのブルベに出場できるらしいよ。しかも次の開催は来年だって」
ママ「へー、ええやん、行ってらっしゃい」
私「エッ」
ママ「わしそのあいだフランス観光できるし」
私「(なんでもう行く前提なん?)いや、でもけっこうお金かかるくない?そもそも、1200kmを自転車で走るとか絶対ムリでしょ」
ママ「まぁお金はなぁ……、でも4年に一回やろ?オリンピックやん。つべこべ言わんと行けや」
オリンピックは夏季と冬季で2年おきにあるけど。
※後日聞いたら夏季と冬季があることを本気で知らなかったらしい
〇〇峠、自転車界隈では越えるのが大変な要素(この場合は家族の説得)のことをそう呼びますが、私の家族峠は「登り無しのいきなりダウンヒル」みたいな予想外の展開により、早くも2023年夏に夫婦でフランス、パリに行く道筋が立ちはじめたのでありました。
エントリー峠
PBPの出場資格について、正確には2022年度(2021年11月〜2022年10月)における完走の実績は必須ではなく、あくまでも2023年度(2022年11月〜)で200km、300km、400km、600kmを夏前までにそれぞれ完走することで、出場の資格を得ることができます。
※ただし、前年度に完走したブルベの最長距離に応じて優先エントリーが開始されるため、(時間枠を選ぶためには)前年度に最低でも300km、できれば400kmを完走しておく必要があります。
私は2022年度にSR達成のために600kmを完走していたので、2023年1月28日からプレレジ(優先エントリー)を行うことができます。
これより早いプレレジは前年度1000km以上の完走者だけなので、この時点で出場枠がすべて埋まる、ということはまずありえません(ただし早めの時間枠はこの時点で埋まる)。
この日はちょうど友人が主催していたイベントの最終回。
ギリギリまで行くか迷ったものの、後悔を残したくなかったので夜の飛行機で東京に向かうことに。
22時過ぎ、空港に着いて渋谷に向かう電車の中でふとプレレジが始まってることに気付き、携帯でACPのサイトからポチポチとプレレジに進みます。
時間枠は早い順から埋まっており、17:30から15分毎に設定されている時間枠はすでに18:45まで全滅。
残っている枠の中で最も早い19:00スタート(Mグループ)を選び、PayPalでデポジットの50€を支払います。
約8000円、まあ最悪出られなくても傷は浅い、そう思いながらプレレジを無事終えました。
本エントリーは最短5月27日から。
最悪は7月ぐらいまでエントリーができますが、何があるかわからないので、2023年度の年間ブルベ予定が出たタイミングで、なるべく早く出場資格を得るために必要な各距離のブルベを物色し始めます。
予定が合わずキャンセルをしたものもありましたが、結果的に以下のブルベでPBP本エントリーに必要な資格を充当しています。
BRM1119近畿200km河内長野 紅葉狩り
BRM108近畿300km神戸 佐用・日生グルメ紀行
BRM204神奈川400km 追い風
BRM224近畿600km那覇 まったり沖縄600
本エントリーの日、その日は大阪でDJを回すイベントがあり、自分の出番前の待ち時間に酔っ払いながらまたポチポチと携帯でACPのサイトから登録を進めます。
AJ会員ではないのでAJのサイトからひとつひとつリザルトを検索して認定番号をコピペしていきます。めちゃめちゃめんどいので携帯からこれをすることはあんまりオススメしません。
あとは出走前のミール(食事)の有無を選択して〜〜記念ジャージの有無とサイズと〜〜反射ベストのサイズを選択して〜〜合計で259€(約41000円)!うおお。
デポジットの50€を引いた209€をPayPalで支払います。
ここまできたらもう退く要素はありません。
覚悟を決め、機材と肉体の最終仕上げを進めていきます。
資金峠
PBPを参加するにあたって一番大きい出費は、航空券。
※費用の詳細な内訳はPBPサマリー編を参照のこと
1月下旬にプレレジを終えたものの、航空券という大きな買い物を前に、貧乏性の私は完全に日和ってしまい、なかなか手配に進むことができません(格安航空券のほとんどは変更もキャンセルもできないため)。
3月下旬、ようやく重い腰を上げ、航空券を探し始めます。
1月に軽く調べた時にいくつかあった選択肢ですが、関空発ということもあり安い航空券の選択肢はもうあまり残っていません。
シビアな乗り継ぎは色々とリスクがあると考え、残った選択肢の中でも最安のフライト、ベトナム航空でトランジットが往路9時間、復路18時間(!?)ある乗り継ぎ便を選択します。往復約18万円也。
もともとは夫婦でフランスに行くつもりでしたが、ママ(専業主婦)は年間300万を廃課金している推しカプがいるソシャゲの3周年イベントと日程が被ったため、私ひとりで単身渡仏することに。
フランスでの宿泊費は合計3泊で22000円ほど。
東京泊まるよりぜんぜん安い。
その他、すべて自己手配でPBPにかかった直接費用はコミコミ30万円ほどということもあり、4年に一度という頻度を加味すると、資金峠はそこまで険しくないと言えます(毎月7000円貯金すればお釣りがくる)。
仕事峠
外資系企業の文化か有給休暇は取って当たり前のものという空気があり、なんだったら1ヶ月以上の長期休暇を取ってる人も普通にいるので、問題なく休暇を取得することができました。
あんまり休みすぎると休暇明けが億劫なのと、滞在が長いほど旅費が嵩むという理由から、私は8月17日(木)〜8月27日(日)で休暇を取り、出走前々日の18日にフランス入り、PBP完走翌日の25日にフランスを出る予定(前2泊+後1泊の計3泊)としました。
PBPの峠振り返り
私の場合はわりと特殊で、走力以外の峠がほぼなかったことにより、結果的に走力の向上や機材の準備などの直接的なPBP対策だけに集中できたのが非常にありがたかったです。
次回から、PBPまでに走ったブルベなどのレポを書いていきます。
続く。
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