頼まれたので逃げている犬を追いかけ回した話
これは高校3年生の初夏に起きた話。
その時は大学受験のための塾を選んでいる時期だった。午前中に部活が終わった私はお昼を食べて候補の塾の体験授業を受けた。
やっと終わって帰り道。
自転車で帰っていたのだが、大きめの橋を渡っていると少し前にめちゃくちゃ一生懸命走っているおばさんが視界に入った。ランニングをしている風でもなく、慌てている感じだった。
どうしたんだろうな〜と思いながら追い抜こうと思ったその時、、
「すみません、あそこお犬を捕まえてもらえませんか?!」
と、並走しながら頼んできたのである。
ん、どうゆうことだ?と思いつつ少し前の方を見てみると確かにわんちゃんが走ってる。それはそれは、もう楽しそうだった。はしゃいでた。
断る理由がなかったからというか、突然のことすぎて、断れなかった。
そして、追いかけた。自転車で。。
そのわんちゃんむやみやたらに走るんじゃなくて、スーパーの周りを何周もしていた。
そりゃもう、立ち漕ぎでひたすら追いかけた。でもめちゃ速いし、角を何回も曲がるからスピードが出せない。
2周くらいした後に、ちょっと待て、自転車でどうやってわんちゃん捕まえるんだ?ときづき、待ち伏せて捕まえることに。
そして、角から曲がってくるわんちゃんを待った。。。来た!!!
タッタッタッピュンッ!
は、速い、、うちの腕の隙間から抜けてった、、しかもあんまわんちゃん触ったことないから、抱え方もよくわからん、、
めげないぞともう一周待ってみると、また来た!
けれど、次は歩道の隣の道路にはみ出して私をよけて行った。その道路かなり車の通りが激しかったが、ナイス運動能力、車をピュンピュン避けた。
3周目に差し掛かった時、偶然同級生に出会い、よし、この子と一緒にわんちゃん捕まえるぞ!と意気込んだらなぜか、私が大の字になってわんちゃんを止めようとする姿を動画に収め始めた(笑)おい!!
結局わんちゃんが違うルートとり始めてしまい、捕まえることができず。
飼い主さんとは合流できて、捕まえられなかったことを謝った。
こうして初夏の事件は残念な結果に終わってしまったが、私はあのわんちゃんの飼い主から解放され、自由に駆け回っていたあの姿が今でも忘れられない。
飼い主さんがそれ用の場所でわんちゃんほ放してかけ回せることはあっても、今回みたいに、わんちゃんが自分の力で自由を手に入れて、それを謳歌する姿なんて滅多に見られない。あんなに輝いていたわんちゃんはこれが最初で最後かな。
私も将来は自由に駆け回る伸び伸びとした生き方がしたいな〜。
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