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「本を買って読む」ことの意味と、本の選び方

恥ずかしながら私は全然本を読まない人間だった。読むのは苦手ではない。むしろ速い。しかしものすごくケチで、お金を払ってまで本を買って読む価値が分からなかった。そこに優柔不断と完璧主義が加わり、書店に行ってもどの本を選ぶべきか見当もつかず、結局買わずに帰るタイプだった。今思うとアホだが、こういう人の気持ちは痛いほどわかる。

そんな私が先週本を買った。それも2冊。しかもビジネス書。

キャリアについて悩み、数日間ネット検索を繰り返し、ますます落ち込んでいた。もう何でもいいから助けて欲しいと思って本を買った。

直感的に、金を払えば解決に近づく気がしたのだ。

結果、私は救われた。2冊ともめちゃめちゃ為になる本だった。思考が整理され、悩みは解決可能な具体的な問題として言語化できるようになった。何に悩んでいるかも分からず、鬱々とする状態から脱したのだから、大進歩である。

ネットの情報は、ほぼゴミ

私はネット検索が大好きだ。悩むとすぐにネットで検索する。だが皆さんご想像の通りそれで悩みが解決したことは無い。

ネット上の情報は十中八九、ゴミだ。もちろん中には宝物も混ざっていると思う。しかし無数のゴミウェブサイトの中から有益な情報を見つけるには、多大な時間を要する。そして時間は金と同価値だ。悩んでネットサーフィンしながらうだうだ言っている時間は、金をドブに捨てているのと同じではないか?

本には時間=金がかけられている

それに対して書籍の内容は、きちんと精査されている。
出版社が優秀な著者を選定し、著者と編集者が執筆や推敲に時間をかけ、校正者が誤字脱字チェックを行う…。本はタダでは無い。なぜなら時間=金をかけて、内容が磨かれているからだ。良質な情報にアクセスするには、書店に並ぶ本を買うのが一番手っ取り早い。私の代わりに時間をかけて情報の真偽を確かめ、内容を精査してくれた人がいる。そこに金を払っているのだ。

どの本を選ぶべきか分からない人へ

「でも書店に行くと本が多すぎて、どの本が一番いいのか分からないよ…」
気持ちは分かる。でも考えても見て欲しい。本が売れないこの時代に出版され、ベストセラーになり、書店に平積みされている。それだけで十分な品質保証だと言える。どれ買っても平均点以上は確実だ。

だから私は「より良い本」ではなく、「より自分に合いそうな本」を探すことにフォーカスした。具体的に言うと、最後まで読み切れそうな本だ。読み切る為に特に重要だと感じた3点を紹介する。

①タイトルや目次に「自分の知りたいこと」が書いてあるか
まずはその本に、自分の知りたいことや興味の惹かれる内容が書いてあることを確かめよう。当たり前だがたいせつなことだ。

②フォントや行間の幅は読みやすいか
これが合わないと途中で読み進めるのがつらくなる。映画やドラマで言えば俳優の顔が好みかどうか、結構重要だ。私はフォントが丸っこくて、行間の広い本を選ぶのが好き。

③冒頭だけ読んでみて、スッと読めるか
何となく言葉のフィーリングが合う、読みやすい文体の本にしておこう。話し方が苦手な人の話を、ずっと聞くのはつらいだろ。それだ。

私は上記の3点と、表紙の硬さ(ソフトかハードか)、デザイン、紙の手触りなどで選んでいる。どっちのほうが内容が良さそうか、あまり比較検討しないことにしたら、すんなり本が買えるようになった。だって読書アマチュアだし、内容を精査できるほどまだ知識なんてないのだ。沢山読むうちに自然と選ぶのもうまくなるだろう。

書店で力なく立ち尽くしていた、去年までの私に言いたい。目の前に並んでいる本は金をかけて磨かれている。それが都心の一等地の狭い書店に平積みされているのだ。だからどれ買ってもいい。まずは1冊買って読んでみなよと。


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