ふくらむ鳥の境界
眼のなかへ入れて鶫の絵がひろがる
日々は泡鶉を沐浴に棲ませ
注がれて午は庭木に路をこぼす
回廊に椋鳥を育てて暗いまま
忌の誰か僕を呼ばせて枯れてゆく
◯
手には朱欒天動説の木を並べ
ひあたりに鴨ゐて水の戸をひらく
貝塚になびく南をみやこどり
照る鶴が雨のとどめを走りだす
◯
雪になる雨木は葉のなかで影を得て
冬を去る日々を落として湾は灯の
赤坂の十六月は木がきれい
◯
耳飾りかもめは音のない河を
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