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かすれる家の光


然りながら蚊帳はうつろの牯嶺街
雨に名は流れ青葉に鳥がゐる
夏炉からおよぶ景色を銅の錆
白磁から垂れてみなみのゆめは実を

   ◯

花はひなげし欠けてもねぢ巻きの海が
青鷺に晴れて胡椒の彩の脚
さめ肌に白夜のとほいいきれる木
緒の浜へなかばの書架が流れつく

   ◯

唐衣西瓜の頃を川に棲み
喪のをはり萩は空音をつぎながら
目が月をとほして葉がくれの生家





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