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吹きもどる文字盤



光沢の二月の奥を雪の窓
風の木のながれて春は飴色に
目には水銀川に実れば鱗族の
玻璃の托卵春を十三年まはり
糸車花の終はりを藍が掃き

   ◯

巻きもどる雨はひかりの鱒を出し
風切の手を裏返し春をまた
蜜蜂よ草むらは揺れながら火で
虹は球体もとの魚の晴れとなり

   ◯

ゆめぎはのけばだつ湖をとほく犀

   ◯

繭は夜をつなぎあはせて花だつた






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