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小学英語は実践英語

 これは、私が所属するSEEF(福岡英語教育支援研究会)が毎月発行している無料メルマガに私が寄せたコラムから抜粋してご紹介しています。

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  小学校英語に6年振りに戻って来て思うのは、子どもたちの吸収力と実践力の素晴らしさです。
 今はコロナ禍で、みんなで交流をしたり一緒に歌ったりがNGということで、挙手を促して子どもたちのアイデアを聞くことを多めにしています。レッスンの最初にいろいろな国のクイズを出したり、途中答えのない問いを投げてみたり。主体性を持ってもらうのが私の授業の目的です。

 以前小学校勤務時にも学校の先生方から質問が多かったのは「最初と最後の挨拶の日本語を英語に直訳したものは必要ですか」ということでした。私個人の意見を言わせていただけばNOです。
 ALTも言っていましたが「姿勢を正して」とか「今から始めます」というのは日本の文化で、それを英語に直訳して挨拶とするのは不自然な気がする、その意見に私も同感するからです。

 ただ、今までの流れもあるでしょうし、それに込められた先生方の思いもいろいろあることは知っています。どんなことでも教材になりますので、否定はしません。 “Sit up straight.””Let’s start today’s lesson.”で始めるクラスでは、せっかくなのでこれを一つ実践に繋げてみよう、と対話を始めました。
 よく意味がわかっていないクラスもあったので、straightをストレートヘアなどのジェスチャーを使って一緒に味わいます。子どもたちの背中がグンと伸びます。
 そしてLet’s の雰囲気をジェスチャーを使って lessonをstartしようよ!ってことを伝え、「じゃぁさ、gameをplayしようよ!って言いたい時はなんて言おうか? 」と問います。自信なさげにあちらこちらから小さな声で”Let’s play game(s)???” 私は “Wow!! Perfect!!” 大いに賞賛して次、「じゃ、soccerをplayしようよ、って誘いたい時は?」段々手が挙がってきて”Let’s play soccer?” “Great job!!” こどもたちの目がキラキラしてきます。dodgeball(ドッジボール)では?トライすればする程、次々にハードルは下がっていきます。
 Let’s一つとっても、ただ唱えるだけの言葉から一歩前に進めると、しっかり実践英語として使える。それを一緒に体験出来るのが小学校英語。

 ポイントは時間がかかっても一緒に味わうこと。ワクワクすること。「はい、straightはまっすぐっていう意味で、let'sは〜しようって誘う時に使います」と日本語で説明してしまうのではなく、全部ジェスチャーや例を出すこと、一緒に考えることで理解を深めていきます。
 英単語の説明として日本語を使うのではなく、「一緒に考えてみようか」という行動を明確に伝えるために日本語を使います。「間違ったっていいんだよ」というのも日本語でしっかり伝えます。
 完璧になり過ぎないでくれよ、とメッセージを送りながらもどんな答えも賞賛します。参加することが素晴らしい、それで完璧、という根っこを育てたいのです。

 正答は必要ありません。

 小学校英語は私の中で「英語は使うもの」ということを体験する時間だと思っています。



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