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教える人のハニラミメソッド

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私は英語教師です。自分の運営する教室、生涯学習センター、親子サークル、小学校などでほとんど全部の年齢の皆さんに英語をご指導しながら見つけたアイデアや考え方をシェアします。 もし…
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#子育て

子どものことは子どもに聞け

 英語教室で、私は下は0歳から上は一応中学生で送り出す様にしている。(その後ご要望があったら、その先もう少し続く…) だから、同じお子さんの成長の根っこの時期を十数年、かなり長い間一緒に見守らせていただくことになるのだ。 カオスの中の英語はリアル  幼児でやってきて、教室の中を歩き回ったり突如ゴミ箱の上に立っていたり。トイレに行ったかと思ったら全然出てこない…水道がいつの間にか出しっぱなし…英語どころではないと思いつつも、子どもたちは私の真似をして "Oh, no!" あ

対話の練習

着地点のない対話って大好物。 なぜかどっちかの意見に合わせようとか着地点を決めるから、私は学校の議論とか道徳とかが苦手だったのかも知れないな。  ただ「違いを知る」だけの会話。楽しい。 そして子どもたちを見ていると、シェアし合っている間に少しずつその子の本当が見えてくることってある。最初乱暴で雑な話し方をしていても、少しずつ考えて本音を語り出す。話し方が上手じゃなくてもいい。でも話し続けないと上手に伝えられる様にはならない。大人はどうしてもその途中で代わりに言ってあげた

子どもってすごい

 私は授業中の立ち歩きはあまり気にしない。でも注意をする時は必ずきちんと理由を伝えて丁寧にお願いをする様にしている。命令ではない。  「クラスでは、見たい人が見られて聞きたい人が聞けるようにしてくださいね」  それがお願い。立ち歩きはOK。でももし誰かの前に立ちはだかってしまって見えなかったら、理由を言って気をつけてもらう。人の話にかぶってしまったら、ちょっと聞かせてほしいと頼む。大声でドッキリしたら、申し訳ないけど、先生は突然大きな音が出るのがとても苦手です、と伝える。

自分の働き方は自分で決める

 7年前。さて、いよいよしっかり仕事しようかな、と思った時に勤めに出るかその時にあった小さな教室を頑張って自分のボスになるかを考えた。まずボスになろう。私の性格上、多分フリーが合ってる。でも、それで立ち行かなくなったら、プランB。それも考えた。  お陰様で、7年後の今でも自分の好きなことを好きな様にさせてもらってる。どうせするなら、と自分の教室は全く自分色にした。それに共感してくれる素敵なスタッフも集まった。  そして何よりも私が発信する教室のこだわりを探して来てくださる

インクルーシブって、なぁに? 

 SNS散歩を楽しんでいる時に出会ってハートがギュンと吸い込まれたこの本、書店には並んでいないということで紹介されているサイトから申し込んで読了。  「子どもを分けない場」って、魅力的なワード。人々はこれを見て古いって思うんだろうか、新しいって思うんだろうか。 今時代の最先端は「人を分けること」で、自分や我が子がいかに「勝ち組」の方にいるか、そればかりに心奪われている人も多いかも知れない。 私に寄せられる質問の中には「英語のクラスは出来る子と出来ない子を分けるのですか」とい

これからの教育(私の仮説と確信)

 私の職業は英語講師だけれど、英語教育と同じくらい研究し続けているのは子どもを取り巻く環境。子育て。教育。 最近風呂場で娘に大発表した私の仮説は、「勉強が出来ない子どもはいない」というもの。誤解を恐れず言うならば、子どもには、否、人には"学びたい欲"がある。学ばなければいけない、のではなく「学びたい」欲。 どうやって食べ物を確保しようか、どうやって食べ物を腐らせずにずっと保存しようか…から始まって、より生き残りやすく知恵を絞り続けてきた歴史を振り返ってみても「考えること」「学

したい人だけすれば良い

 あぁ、新鮮な言葉。 「したい人だけすれば良い」  学校に行きたい人が行けば良い。 勉強をしたい人がすれば良い。 仕事をしたい人がすれば良い。 恋愛も結婚もしたい人がすれば良い。  これは「人」を分けているのではなく、「時」を分けている。 勉強大嫌いだった人が、ある時ふと「勉強したい人」になることだってあるし、仕事したかった人が「したくなくなる人」になることだってあるから。  要はその人のタイミングでいいんじゃない?ってこと。  今多くの「したくない」でこの国が溢れて

 今年はキュウリの苗が二度、病気と虫にやられた。去年は大豊作で食べきれない程だったのに、今年は二度も。三度目は種を撒くことにした。5つの芽が出た。ある程度育った時に、虫がたくさんつくようになった。 いろいろ調べて、換気扇カバーの不織布で覆ってみた。虫に食われた葉がレースみたいになって瀕死状態だった苗たちは数日後、不織布をググッと持ち上げてそこから顔を出した。彼らは青々とたくさんの葉をつけて「見て見て〜!」と言っている様。可愛い。  オクラの花を見てホクホクしながら、ふと小学

日本の若者はグローバル社会を生き抜けるか

世界の若者たち  先日ウクライナから日本に来ている学生たちと話す機会があった。18-19歳の学生たちは日本語も勉強中ではあるが、主な意思の疎通は英語を使って行った。彼らが話す英語を聞きながら、「話している」と感じた。自分自身のことや、日本に来て感じたこと。ウクライナという国のこと。表情豊かに話す彼らの言葉から言葉以上のものを感じて、更には一人一人の人柄や経験もよくわかった。聴いていて楽しかったし、彼らにとても興味を持った。  大変な状況下だが、こうして磨いてきた語学を使って

人生は実験

心を凪にするための試行錯誤  なんとなく悶々とすることってある。元々心が揺さぶられやすく気性が荒い性質を持つ私。今は自分のため、愛する人たちのために心を凪に保つように心がけている。それが出来るだけ自分の負担や無理にならないように…いろいろな方法を試してみたけれど、「理解」「納得」「反応」を大切にすると良いことがわかった。要は、頭で心をコントロールしている感じ。全く無理がないと言えば嘘になるけれど、これが今のところは一番うまくいっている。  例えば、教えているクラスに挑発的

ある日の小学校英語

 今日の授業、楽しかったな。4月から始まった授業。そろそろ私との人間関係もいい感じになってきた頃。さて、子どもたちに授業を振ってしまおう。私の大好きな子ども主体の授業。実はこれが一番、英語力アップの活動。そして英語を知っている人でも楽しめる活動。そして何より先生がラクラクな授業。  欧米の先生に学んだことは「教師は楽をすること」子どもたちが安全に学べるように見守ることが私たちの仕事。あれこれお膳立てをして、先生がいないと、これがないとあれがないと学べないみたいな雰囲気や気持ち

伝える仕事

 今年21歳になる娘が3歳の時に、娘と自分のために始めた「親子えいごサークル」。市の施設で十数年続けてきたのが、コロナでストップ。  約2年振りに昨年12月から @coliving.tamaree にて復活を遂げました。実は0歳児から私の親世代までの皆さんと英語をご一緒する中で、一番難しくて興味深いのがこの「親子えいご」。というのも、この年齢の子どもたちは正直そのもの。私への遠慮も忖度も気遣いもない。それが最高に良い。興味があればパッと目をこちらに向けるし、なくなれば去って

たった一言

 先日「私忘れっぽくなっちゃって、必ずメモしないと〜」と嘆いておられる方に「私も常にメモを取りますよ。私は生まれつき忘れっぽいんで」と言うと、その方がホッとした顔で「うぁ〜安心したわ」と言われた。  ちゃんとした自分を演じないと生きていけない社会で、言い訳しながらでないと許されない社会で。 「自分にはこういうところがある」と知りながらも尚、自分を愛して大切にする人の存在はとても大切。 そんな人を育てていきたいと思う。 私の師匠である不登校対応の先生が 「お子さんが家で兄

人のことをとやかく言う心理

 私は人からいろいろ言われるのが苦手だ。得意な人っているんだろうか。得意ではなくても、慣れてる人や聞き流すのが上手な人はいるのかな。でも私は出来るだけ人のことをあれこれ言わない人と一緒にいたいと願うし、実際そうする。人のことをあれこれ言う人の元にはあまり近付かない様に心がけている。 自分が大切だから。 自分が気持ちよく生きる環境を出来る限り作りたいから。  そんな折、ふと出会ったジャマイカのシンガー、ボブマーレーの言葉 "Before you point your fing