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アメリカの注目すべきトレンド From the Alley - 9/1/20

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中古の電子機器

back market 人気動向

コロナによる景気悪化が続く中、中古製品に対する需要は伸びている。スマートフォン、ノートパソコン、タブレットなどのリファービッシュ(再生)品の販売サイトを運営しているBack Marketはアメリカやヨーロッパで注目を集めている。同社に対する検索頻度はコロナ前から上昇しており、過去のトレンドを見ると今後も上昇傾向にある。

中古電子機器の売買はAmazon、楽天、ebayなどのサイトで行えるものの、これらのサイトで販売されている中古品に対する不安や抵抗を感じる人は多い。一方で、Back Marketは品質管理の徹底と優れたUXデザインを強みとして、ユーザーからの「信頼感」を得ている。更に、中古品の購入は地球に優しく、同社は中古品の利用における「エコ」をアピールしユーザーを着実に獲得している。

日本ではムスビーが同様なサービスを提供しているものの、中古品における不安を和らげる要素が不足しており、他の中古品サイトに比べても差別化要因が薄いように見える。世界中で新しいスマホに対する需要低下や、エコの注目度上昇の恩恵を受けているBack Marketと似たサービスは日本でも流行るだろう。

<参考企業>Back Marketムスビー

ノンアルコールビール

non alcoholic beer 人気動向

ここ数年でウェルネスブーム(より良く生きようとする生活態度)によりノンアルコールビールに対する人気度は上昇している。アルコールを控える動きが世界的な潮流となっており、ノンアルコールビールの売り上げは大きく伸びている。具体例として、2017年夏にリリースされたHeineken 0.0(Heinekenのノンアルコールビール)の販売量は2桁で増加しており、同社は昨年、過去10年で最大の年間成長を達した。

Heineken以外にもCarlsberg、AB InBevなど、世界中の各大手ビールメーカーはノンアルコールへの取り組みを加速している。例えば、AB InBevはローとノンアルコール商品の売り上げを2025年までに8%から20%まで引き上げようとしている。日本でもウェルネス志向が高まっており、サントリー、アサヒ、キリンなどの各メーカーがノンアルコールビールに注力している。

起業家としてこのトレンドに便乗する方法はいくつかある。例えば、ホップや麦などの原材料の調達支援、ノンアルコールビールに特化する独立ブランド、ノンアルコールバーなどサプライチェーンに属するアイデアは数々と考えられる。面白いことに、今年7月には日本初のノンアルコールバーが六本木に開業されている。「飲まなくても酔える」体験が主なコンセプトで、健康志向の顧客をターゲットしているバーである。ニューヨークでも数年前から「sober bar」(アルコールを扱わないバー)が着実に増えており、同分野の今後の成長が楽しみである。

<参考企業>0%getaway

持続可能な包装

sustainable packaging 人気動向

持続可能な包装に対する需要はここ数年で急増している。環境意識が高まるにつれて、様々なeコマース・ブランドは「エシカル」に着手し始めており、リサイクルや再利用が可能な包装を求めている。更に、コロナ中にeコマースの利用拡大に連れて、配達後に出る莫大な量の包装・梱包ごみが問題になっており、持続可能な包装を好む顧客や通販各社が増えている。

これらの需要に応えているのはニュージャージー州発の容器回収・再利用事業のLoop社。同社は一般消費財や食品などを販売する企業と提携し、再利用可能な容器を使用したショッピングプラットフォームを提供している。同プラットフォームで販売される商品は耐久性の高い素材から作られている容器が利用される。配達後は顧客の自宅から容器を回収し、洗浄、補充した上で再利用される。包装にコロナが残存するリスクがあるものの、同社の徹底した洗浄プロセスにより、コロナのピーク時期も好調な結果を出した。Loopは今年10月に東京でECサイトを立ち上げ、且つイオンリテールと提携し、サイト及び店舗の両面で実証実験を展開する予定である。

この分野で容器の再利用以外にも需要が期待されている。例えば、プラスチック廃棄物を処理する新たな技術(例:BioCellection)や、食べられる包装資材の開発を行う企業(例:Loliware)が注目を集めている。今後も同分野に対するニーズは高まり、起業または投資チャンスは沢山あると考える。

<参考企業>LoopBioCellectionLoliware

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