【翻訳】連盟を築く

原文:“Anarchism in Action: Methods, Tactics, Skills, and Ideas"
Complied and Edited by Shawn Ewald http://freepacifica.savegrassrootsradio.org/aia/index.html

訳者より:シャウン・エヴァルド編『行動の中のアナキズムーー方法・戦術・技術・工夫』は様々な運動体が発表しているハウツー記事を集めて編集したジン。pdfファイル版は347ページの大部です。同じジンから、これまで「アフィニティ・グループ入門」と「コレクティブをつくるには」を訳しました。草の根活動家によって書かれた社会運動のハウツーとしてなかなか包括的で日本でも役に立ちそうと思ったので、ちょっとずつこれを翻訳していこうと思っています。ただし私はここでただ「日本でもこういう風にやろう」と言いたいのではなく、海外のやり方を学びつつ、日本の経験ある活動家がこういった組織化など活動の経験的知識をシェアするZineなどの実践がもっとあれば良いな~という思いでいます。もちろんそういうのは日本にもあるんですが、例えば「社会運動 方法」とか「抗議 やり方」でググったときスグいろんな役立つ情報が出てくるような状態が良いと思うのです。


■ 連盟とは何か?
連盟とは、共通の目的のために協力する組織や個人の集まりのこと。連盟には二つのタイプがあります。

1.「ワンイシュー」、あるいはなにかイベントのための連盟は、ある特定のテーマについて合意しさえすればいい。問題が解決したり、そのイベントが設定されれば、連盟は解散します。

2.「マルチ・イシュー」の連盟は例えば栄養と健康、保育のニーズや高齢者のヘルスケア、環境といった関係するいくつかのテーマを持ちます。こういったより永続的なタイプの連盟は、長期間にわたる行動のために結集することの価値を重視します。効果的な「マルチ・イシュー」連盟のためには、仕事を達成する期限を決めておくこと。連盟は常にその必要があるかを把握することができます。

■ 連盟の役割
連盟の構築が必要になるのは、ある組織が自分たちだけではある問題に影響を与えるために必要な技術的能力やピープルパワーを持っていないと認識したときです。

連盟はこんなことに役に立つ:
• 行動の優先順位を定められる
• 他のグループや行動体からの特定のデータや情報を得やすくなる
• 情報源や専門知識を共有できる
• 新たな聴衆の開拓を広げられる
• その問題がメディアに掲載される確率を上げられる

■ 自分の組織を分析してから始めよう
他のグループに連盟を呼び掛ける前に、自分たちの組織が何を求めているかを自己分析した方が良いでしょう。

考えるべきこと:
• 他のグループと協力することで何を得られるか?
• メリットはデメリットを上回るか?
• 別のグループの要求を自分たちのメンバーに伝えるにはどうすればいいのか?

■連盟に加わるとき、約束すること
物事を進めながら問題のトラブルシューティング(調整や修正)をすることで、連盟構築が上手くいく可能性を増すことができます。ここに挙げた参加のルールは、連合に加わるすべてのグループが認識を共有することの助けになります。

• それぞれの組織が、問題に力を尽くして取り組まなければならない。
• 各組織は、単に知名度を稼ぐためだけではなく、協力して問題解決に力を尽くさなくてはならない。
• 各組織は、(連盟に加わる)他のどの組織も(活動に)参加する権利があるという信念を共有しなくてはならない。
• 各組織は、開かれたコミュニケーションに力を尽くさなくてはならない。
• 各組織は、それぞれの承認ではなく、連合の承認のために力を尽くさなくてはならない。

■ 計画を立てよう
どんな形態の連合も、効率的に機能するため必要な連盟が行うべきタスクというものがある。
例えばこういったこと:
• 進行役とまとめ役(責任者)が誰か決める
• メンバーの参加を得る
• ニーズを評定し、背景データを集める
• 理念に基づき、行動の方針を文章にする
• 短期的・長期的な対象を定める
• 連合の進展に照らして仕事を評価する
• 更なる寄付集めの機会を追求する
• 計画を実行する
• 新しいメンバーに馴染んでもらうためのやり方を決める

[Excerpted from "A Process for Building Coalitions" by Dr. Georgia L. Stevens http://www.ianr.unl.edu/pubs/family/g988.htm with modifications by the editor.]


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