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好きって言おう

人に嫌われることがとても怖い。

たった一人に嫌われるだけで、わたしは世界の誰にも受け入れられていない居場所がない人間だと思ってしまう。

話をしている時に少しでも相手の顔色が曇ると、嫌われたのかもしれないと心配になる。
帰り道もその心配で頭がいっぱいになって、家に帰る頃にはどきどきして胸が苦しい。
ゆっくりお風呂に入ることも横になることもできずに、探りを入れるようなラインを送って、優しい返事が返ってくるとやっと安心して眠れる。

それがいつものわたし。
仲良くない、ただの顔見知りでしかないような人にもこの恐怖感は発動しっぱなしだ。

嫌われて何かわたしに不利なことが起こるのが怖いのではなくて、「人に嫌われる」という事実が耐えられないくらい怖いのだと思う。

万人に受け入れられたい、たった一人の例外も許せない、お前はアイドルにでもなるつもりなのか?と突っ込まれそうなくらいの莫大な希望を持ってしまっている。

たった1人、わたしがこの不安を話せるくらい信用している友達に、この希望を話した時。彼女はあっけらかんと言ってくれた。
「わたしが好きなんだからいいじゃん」と。
冷えた水が胃に入ってくるみたいに、その言葉がはっきり形を持って実感を伴ってわたしの中に入ってきた。

わたしのこと、好きなんだ。こんなに面倒くさい相談をしても好きでいてくれるんだ。

全世界に受け入れらている気がした。

わたしが好きな友人が、わたしを好きと言ってくれる。

それから今も嫌われることは怖いけど、勇気はついた。顔色をずっと気にしすぎなくてもいい、わたしにはわたしを好きでいてくれる人がいる。

言葉にしてくれたことが一番嬉しい。
あのとき、好きって言ってくれてありがとう。言葉で言ってくれてありがとう。
寄りかかれる場所があるから、ちょっと楽になったよ。



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