MBA生活振り返り2018年9月 〜Change Management〜

組織のChange Agent を目指すMasamiです。振り返りシリーズ2018年9月のトピックは以下の通りです。

・概況
・Semester3授業の状況
    Managing Change
    Design Thinking, Business Innovations&Platform Leadership
    Big Data and Strategy
        ※ローコンテクスト vs ハイコンテクストの考察
・インターンシップ
・ファシリテーション
・来月の予定

最終ターム突入ということで、現在、帰任後の私が実施している活動内容に関連する事項が多くなってきました。

では、どうぞ!

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 概況

9月は学業・家庭・インターンシップと文字通り奮闘しました。1ヶ月以上の奮闘を経て、インターンシップの終了を決めました。今月末にOrganization Changeに関する3000 wordsのエッセイ課題が出されており、立ち向かうべきChangeに対応する際のLeadershipについて、色々想いを巡らせています。

 Semester 3 授業の状況
最終学期であるSemester3 では以下3つのクラスを受講中です。
● Managing Change
● Design Thinking, Business Innovations & Platform Leadership
● Big Data and Strategy

●Managing Change
面白い進め方をする授業で、毎回、Check in questionが教授から投げかけられます。例えば、「これまでの授業で何が明確になったか、何がまだ不明確か?」というように。40人近い受講者は、30秒程度でそれぞれ答え、教授は発言のポイントをホワイトボードに書いていきます。そして、全員の回答を聴き終えた後、こう述べます。「御覧なさい。皆さんは同じ私の授業を受けていますが、今聞いた発言で、どれとして同じものはありましたか?似ている部分はあるかもしれないが、みんな違う考え方ももっているでしょう?組織も同じです。同じ説明を聞いても組織の中にいる人の受け取り方はそれぞれ違います。変化をもたらそうとするならば、その点をあなた方はまず理解しなければならない。」その後、ホワイトボードに残したキーワードについて、発言者と目線を合わせながらひとつひとつコメントを述べていきます。
このCheck inは私が注目しているファシリテーションのスキルの1つです。
発言を促し、期待や、表に出てきにくい不安等を引き出します。それぞれの感情を認めながら、全員が同じ目線で議論や作業に移れるように、リードしていきます。

さて本題の組織レベルの変化には、変化を求める理由・目的だけでなく、政治的な影響、感情、根付いた文化、等も見る必要があるという話を聞き、いろいろな方の顔が頭に浮かんできました。Diagnose(診断する)力とスキルが特に文化を捉えるためには実際に求められます。シンガポールに駐在員として来ている同期のTさんに、授業で為になった論文等をシェアしました。自分たちが属する会社は場所、部署それぞれが文化を持っている為Covertな(隠れた)部分が多く、それらをきちんと配慮せずには変化をもたらすのは難しいだろうという意見で一致しました。

参考までに、その論文のリンクを下記に示します。
https://www.bkconnection.com/static/marshak-excerpt.pdf

●Design Thinking, Business Innovations & Platform Leadership
戦略的マーケティングの観点から、デジタル時代での最新のフレームワーク、方法論を学びんでいます。スタンフォードデザインスクールの5ステップデザインシンキングプロセス、バリューポジションデザイン、ミニマムビアブルプロダクトといったツールを使い、イノベーションのコンペをクラス内で行いました。1人2分間のストーリーボードを作成し、どのビジネスアイデアが優れているかを投票で決めました。私のアイデアはブロックチェーンがもたらす3つのインパクト1)仲介者が不要、2)認識とトレーサビリティ、3)自動化を活用して、高級資産(グランドピアノ)の転売マーケットプラットフォームを立ち上げるというものだったのですが、他のクラスメイトのアイデアに負けました。今後は、新興国での物流チャンネルの効率化を目指すビジネスアイデアのグループにジョインし、具体的なビジネスモデルを作り上げていきます。
直近で習ったビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを9つのパートに分類しており、しかもパーツ同士の繋がりが明確なので、使えるツールであると考えています。後に記載するインターンシップ活動に関する部分でもビジネスモデルについて触れていますが、ビジネスモデルキャンパスの知識があれば、さらに良い分析ができたのではないかと思うほどです。次の一手を考案する際にも活用できるので、ツールとして使えるように工夫します。

●Strategy and Big Data
ビッグデータとは何かを学びつつ、如何に意思決定に活用していくかについて学びます。任意の産業のリーダー企業に焦点をおき、そのリーダー企業の持つビジネスモデルを破壊しうる新参者を予測し、その脅威とどう立ち向かうかについてグループ作業中です。
具体的には、SWOT、5 Forces、PESTEL 分析で対象企業の置かれた状況をそれぞれ異なる角度でもれなく整理し、ターゲットとする顧客のニーズ、自社の強み、ライバルと想定した企業の強みから、戦略的なスイートスポットを特定しています。(Strategic Sweet Spot)。他方で、BCG Matrixを使って自社製品・サービスを、相対的市場シェア、市場成長率でマッピングし、今後の議論に必要な情報を整理しています。
この作業を通して強く感じたことは、結果だけをフレームワークを使って見せるだけでは、聴講者の心は動かないだろうな。ということです。作成する過程で、チームで認識を共有できる点が最も重要だと感じました。ところが面白いことに、この感想をチームメイトに話すと、はじめは理解が得られませんでした。その理由は、ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化の差にありました。
おそらく、日本でそこまでMBAがポピュラーではなく、またMBAを取得した人が元々いた会社で活躍できずに、結局外資系企業にキャリアを求めるのは、ここにあると思います。
MBAではグローバル社会を生き抜く為、ローコンテクスト文化の思考プロセスに合致した方法論を学びます。ところが、日本は逆のハイコンテクストであり、単なる言葉の情報だけでなく、プロセス・文化・文脈を全て理解しなければ納得しない人が多勢を占めます。氷山を思い浮かべてください。ローコンテクストの人は、海面上に出ている情報(言葉)だけで、納得できる人です。その下に大きな氷が残っていることは理解していますが、そこを見なければ納得できない人をウザいなと思ったり、軽蔑することがあります。一方で、ハイコンテクストの人からすると、海面上のことだけしか言わないローコンテクストの人を、表面的で薄っぺらい人だと感じます。時間と競争しているビジネスの中で、この両者のギャップをどう埋めるのかというのが、腕の見せ所だと感じました。

 インターンシップ
Nihon M&A Centerシンガポールオフィスでのインターンシップを9月24日で終了しました。6月から始めたので、約4ヶ月間の勤務となりました。第3子の誕生後は1週間だけ休みを頂き、その後は案件が増えてきたので週2日ペースで家事と両立しながら勤務していましたが、そういった働き方を約1ヶ月間続けてみて、慢性的な風邪気味(今は回復傾向にあります)、長男が添い寝しないと寝付けなくなった等、いろいろな均衡が崩れてしまう瞬間に遭遇し、インターンシップの終了を決断しました。

業務としては、対象とする企業のビジネスモデルを決算書から読み取り、パワーポイント1枚分に図示化して整理するアイデアが好評を得て、感謝されました。実際にオーナーから情報を引き出す担当の方の話によると、その図示化したビジネスモデルを元にオーナーとディスカッションすると、不足している情報や、検証が必要な情報について、相手も納得して情報を提供してくれるようになったようです。
最終的には対象企業のバリュエーションにも挑戦させていただきました。Financial ManagementやFinancial Accountingで得た知識を、実際に使う場を得られて良かったです。実際、バリュエーションにはいろいろな手法があり、対象企業の大きさや、その業種によって、適切なバリュエーション手法を選択することが重要になってきます。残念ながら、その見極めができるレベルには達せませんでしたが、学ぶべきものは学べたと思います。

最後は、4ヶ月間のインターンシップを終えた所感という題で、自身の業務内容とそこから得た学び、業務マネジメントについてのフィードバックに加え、私の後任候補を3名紹介したので、その点も感謝されました。

個人的には、パートタイムという形で、正社員の方とは違うモチベーション、給与体系で同じ場所で働いた経験が貴重になると感じています。
働ける時間の制約、それによって与えられる業務の役割と責任の差、そこから発生する微妙な葛藤。そういったものを経験できたことを、これからマネジメントの立場でいろいろな境遇のスタッフを持つ際に活かしたいと思います。ちょっとした相手を気遣うコミュニケーションが、もやもやしたものを消してくれる場面を経験できました。

 ファシリテーション
今年5月度の報告書から“ファシリテーション”というキーワードを何度か記載していますが、これは私がMBA出願時に作成したエッセイで、MBA留学中に探索したい人生の課題として掲げた「どうすれば自発的に学習する組織が作れるか」の1つの答えにもなると考えています。

現在、関連する数冊の本を読み込んで、フレームワークや組織に及ぼす効果についてはイメージできるようになりました。後は、実践でスキルを高めることが必要ということで、まず自宅にホワイトボードシートを購入し、家族で話し合う際に、ファシリテート役を担当し、ボードに意見を反映させながら議論をまとめる練習を始めました。

会社の中ですと、まだ私が仕事で構築できたネットワークは狭く限られていますが、他者との合弁会社を作る経験をされたHさんが、ファシリテーター的なスキルを、“ファシリテーション“と意識せずに身につけられていると思います。議論が煮詰まってくると、おもむろに書記係を買って出てホワイトボードに論点を書き出し、参加者全員のコンセンサスを取りながら、アクションプランを導き出すことをされていました。

私の現在の理想像はファシリティブリーダーというもので、ファシリテーションを活用しながら自分の組織を活性化して潜在能力を引き出しながら、進むべき方向にリードしていくことです。それにはファシリテーションの理解とスキルのある協力者が必要であり、その為の活動を残りの2ヶ月で取り進めたいと思います。ハイコンテクストとローコンテクストの人が共存する集団で、力を発揮する鍵もこのファシリテーションにあると考えています。

もし興味があれば、以下の本を手にとって見てください。どちらもKindle版もあります。舞台設定が日本の製造業なので、親近感を持って読み進めやすいです。
ザ・ファシリテーター
ザ・ファシリテーター2

 来月の予定

まだまだ、次男は生後1ヶ月なのであまり無理はできませんが、10月14日が結婚10周年記念となるので、自宅出産に次ぐイベントを計画しています。また、10月上旬にシンガポールオフィス人事のMさんと打ち合わせをし、各ビジネスの担当者から現業についてお話しを伺う機会を作ろうとしています。これまで社内ではできないことに注力してきましたが、これから帰国までは、社内のネットワークを強化するタイミングだと考え、活動する予定です。

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以上です。

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