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幕閣本「また葵まで二」の元ネタとかいろいろ

新刊だよ!よろしくね

ということで5月5日に新刊「また葵まで二」が出ました。
今回はわりと後半烈しめのR18だったので、元ネタも何もない気がするのですが、ひとまず宣伝もかねてやってみます。
ちなみに「また葵まで」一巻は無事に完売しました!ありがとうございます!

遊び紙

今回は表紙がピンク系だったので、遊び紙も桜色に寄せました。
紙じたいは前回と同じものです。色だけが違うはず。
1巻と2巻をお持ちの方は見比べてみてくださいね。

忘れ花の黄昏どき

1巻の堀田の話を「片割れ時」にしたかったので、相対する阿部重次の話は黄昏時にしました。
実際は阿部重次・堀田正盛ともに明け方に殉死していたのですが、今回は忠長を混ぜることになったのでその辺脚色しました。忠長は黄昏時のイメージある。なんで?
並木自身、黄昏という言葉に往年の名作ゲーム「夕闇通り探検隊」を重ねる節があり(今までの本も夕闇リスペクトな部分がありました)どうしてもつけてしまう。SEASON OF TWILIGHTな雰囲気を出したいですね。
忠長は酒に溺れ、重次の目にも余るほどの問題を起こしている一方で、実は幕閣の中でも彼に同情的な人がいた方がいいのではないかと思ってこのような設定にしました。
酒に飲まれしんどい忠長の話はいずれ書きたいですね。せっかく並木が酒クズなんだからその辺の解像度バリバリのものを書きたい。でも忠長って放っておいても30代くらいで肝臓やらかして死にそう。そう思いながら今日も並木(脂肪肝)は酒を呑むのであった……。
「あれはお前を生きたまま連れて行ったか」は、「徳川家光公傳」の阿部重次殉死の項目があまりにもしんどい内容だったので、であれば最初から家光は知っていたと言う設定の方がいいと思ったためです。家光公傳おすすめ。本当にしんどい。
ちなみに阿部重次を調べると痛烈な阿部重次アンチのブログを見つけてしまい、並木はお腹が痛くなった。でもさあ、忠長のくだりを考えるに重次にも已むに已まれない何かがあると思うんだよなあ。そうでなければあの形で急に殉死しないと思うんだよな……。

大道、青天の如く

タイトルは李白の「行路難」第二節より。
本当はもっとこの詩に沿った内容で頼房を動かせたかったのですが、駿府大火事の話が書きたかったのでそちらがメインに。
幼いころに天下をほしがった頼房にとって、中山信吉という命の恩人がどれだけ杭になったかという話が書きたかったはずだった。
無配では信吉しか出てきませんが、本では兄の照守氏が出てきます。
というのも、並木のフォロワーに照守氏のご子孫がいたこともあり、また彼が細川忠興の茶会サロンに顔を出していたことやさまざま出てきていることから、興味を持って創作に出したと言うのが実のところ。
実際照守氏の子孫である直守は今後なんらかの創作に出したいと思っています。鬼勘解由と恐れられた大目付、出さんわけにはいかんでしょう。
中山兄弟は小田原の役のあと、武蔵に落ち延び寺で身を寄せ合ったと言う話を大胆に脚色しています。
なお執筆途中にフォロワーの家で見せてもらった史料には家康から中山兄弟が「岩より硬い男」と書かれていた。つまりダイヤモンドです。事実上のジョジョじゃん。荒木飛呂彦絵で出てきてほしい。

なお頼房は秀忠が怖いです。秀忠は可愛がってます。
駿府のシーンは自分で書いてて思いましたがこれコマンドーのラストじゃない?大丈夫?信吉はシュワちゃんだったの?多少のゲリラは打ち倒しそう。

永井尚政と酒井忠勝はなんぼでも書きたい。そういう欲だけの話です。ほんとうにこの話だけ山も落ちも意味もない。弊創作の永井尚政は父親(永井直勝)に似てめちゃ美形です。美形だけどよう喋る。
現代ならたぶんニコニコ動画からYouTubeに流れたゲーム実況者くらい喋ると思う。Vではない。たぶん。
忠勝は尚政の顔を見慣れているので、特に彼が睦言を吐いても「はいはい」で終わらせられるのですが、たまに自分の顔を思い浮かべてはどうなんだろうこれ……と思う。
でも永井側は忠勝のすべてが好きなんですよね。幼いころから。忠勝がどう思おうとその辺は変わりません。
一応この二人の手綱は忠勝が握っていますが、強さだけなら尚政の方が強くて、あえて忠勝に任せている向きもある。
ちなみに永井尚政のフリーダムさはそのまま書くと平成の攻めになりがちなので頑張って押さえています。
「自惚れるなよ」からの台詞が書きたかったが故のこの話でもありますが、結局そんな忠勝が好きなんですよ。

外からなんてなにもわからないさ

タイトル元はイエローモンキーの「Horizon」より。あの歌は父から息子に宛てての歌になりますが、三厳くんの場合は宗矩じゃなくて三浦くんだったといいなという妄想。
三浦くんは斎藤三友くんと本当に仲が良く、徳川実紀をみるだに三浦くんの看取りはほぼ三友くんがやってるようなものだったので、そこになんとか三厳くんをぶちこみたかった
なお三友くんは春日局の親族で家光に近かったので、家光周りを調べるとたまに出てきます。三浦くんとの仲はその辺からよかったのかも。
三厳くんはどうしても里に帰っていた時期があるので、その間を三友くんに埋められていたと思ってほしかった。
実際三浦くんと三友くんは仲が良いだけで弊創作では清いです。本当です。
三厳くんよりも三友くんは年下ですが、きちんと見守っていてほしい。お父さんとお母さんと俺みたいな雰囲気。

恥じらいはもう少しあと

全然進まなくて困ったやつ。最初は日和見してエロなしで考えていたのですが、後述する土井受けがバチクソR18なので引っ張られる形でこちらも濡れ場有に。
信綱の歩調になんとかついていける忠秋、という構図がミソです。ついていけないわけじゃないし、置いてけぼりにもされていないんだけれど、だからがゆえに振り回される。信綱としては「ついてこられるんだからこれくらいできて当たり前」という顔をしています。お前は平成のブラック企業か?
弊創作の忠秋はわりと若いころ爛れた男性経験がありますし、信綱もそれを知っている設定です。だからこそお前はできるはずだと信綱は詰め寄ってくる。でも忠秋は信綱に対してそんな爛れた関係を持ちたくないので一生懸命がんばります。
並木は結局この二人はどうあったとしても信綱の死際に呼ばれた忠秋という最強の史実があるので何をやってもいいと思っている。よくない。
あまり書いていませんが、昼間の忠秋と信綱はたびたび対立しています。政局からお昼ご飯の付け合わせまでとことん議論する。自分で書いていてなんですが2ちゃんねるのキャッチコピーみたいですごく嫌ですね。

羽に傷の負った雲雀には

タイトル元ネタはウィリアム・ブレイク「無垢の予兆」より。「羽に傷の負った雲雀には/天使(ケルビーム)も歌うことをやめる」と続きます。
利勝の身の上を雲雀に当てはめて書きましたが、弊創作だといくら利勝が傷ついても天使はうたうのをやめなさそう。そういう悲劇性が欲しい。
死ぬほど時間のかかった土井受け話ですが、正直言って書き始め自体は結構するするいけました。具体的に言うと最初の秀忠との濡れ場~宗矩との最初の出会いまでは、ほぼ10日かからず書いていたはずです。そこからが長かった。
ちなみに宗矩と酒を呑むシーンでちらりと出てくる「利勝の甥」は三浦正次くんです。秀忠落胤という噂がある彼を育てたのは家康落胤とされた利勝であってほしかった。お前これ、徳川家やべーな(感想)
気が付けば長くなりましたし、なんならこれだけでも単体で本に出せるのではと思ったのですが、それをやり始めるとマジでカップリングごとでめちゃくちゃ本を出さないと自分のなかで納得できなくなりそうだったのでやめました。カップリングまぜこぜ本って結構読む側も博打だと思うので本当は分けたかったですが……。
自分なりに利勝を幸せにしようと頑張りましたが、最後の最後でなんで不穏にするんですか?でも受けのしらんうちに攻め同士が睨みあってる光景は好きです。
購入者特典はこの話のバッドエンドパターンなので、もしも大丈夫そうであれば読んでみてください。

次号のはなし

三巻はあります!
ですが、たぶん来年以降になると思います。
今のところ収録予定は、忠長の話・井伊直孝と世田谷領の話(ゲスト:藤堂采女さん)・太田資宗と林羅山の話・崇伝と天海の話です。
気が付けば幕閣本にここまで不気味なほどに天海僧正がいませんでした。いた気でいました。おかしいな、明智本にいたから勘違いしてた。
予告していた伊達政宗と天海の話は本ではなく個人サイトなどでの公開になりそうです。お楽しみに。

ちなみに本そのものだと次は茶人になると思います。実は今年で並木が蒲生細川高山にはまって20年なので。20年ずっといたわけではありませんが、やはり何かやりたいというのはある。

オフ活動そのものは6月10日のWEBオンリーがあります。既刊のみですが無配を作る予定ですので、お楽しみに。

しばらくはオフ活動どうなるかわかりませんが、まったりお待ちいただけると幸いです。月1くらいで個人サイトも更新したいものですね。

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