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古代ギリシャの物質哲学について簡単にまとめてみた(^^♪

どうも。namihiroです。

本日は古代ギリシャで研究され、後に冶金技術と融合することで錬金術の誕生につながった物質哲学について記事を書いていきたいと思います。

これまで、燃焼反応の発見メソポタミア地方で生まれた冶金技術錬金術の歴史について簡単にまとめてきました。
錬金術の歴史の記事で、ヘレニズム文化の誕生によって東の冶金技術(メソポタミア地方)と西の物質哲学(古代ギリシャ)が混ざり錬金術が誕生したと説明しました。
そこで、今回はまだ説明していない古代ギリシャの物質哲学をまとめていきたいと思った次第です。

本日の記事は古代ギリシャの物質哲学の概要、古代ギリシャの物質哲学の歴史、錬金術誕生のもととなったアリストテレスが提唱した四原質説について簡単にまとめます。

古代ギリシャの物質哲学の概要

古代ギリシャでは哲学が盛んに研究され、「物質とは何か」という問いに対して、二つの異なった答えが提出されていました。
1つはアリストテレスが提唱した四原質説、もう1つはデモクリトスが提唱した原子論です。

四原質説についてググってみるとWikipedia先生はこう申しておりました。

四元素とは、この世界の物質は、火・空気・水・土の4つの元素から構成されるとする概念である。四元素は、日本語では四大元素、四大、四元、四原質ともよばれる。古代ギリシア・ローマ、イスラーム世界、および18~19世紀頃までのヨーロッパで支持された。古代インドにも同様の考え方が見られる。中国の五行説と類比されることも多い[注釈 1]。

簡単に言うと、世の中の物質は火・空気・水・土という4つの要素が組み合わさってできているんだよって考えです。
RPGの設定とかでありそうですよね。
この考え方は古代ギリシャで早くから唱えられ、アリストテレスが完成版にしたっていうものです。
こちらは後程、もう少し詳しく記載していきます。

続いて、原子論についてググってみるとWikipedia先生はこう申しておりました。

原子論とは、あらゆるものは、それ以上分割できない極小のもの(原子)が集まって構成されている、とする理論・仮説・主義のこと。古代ギリシア哲学においては、ソクラテス以前の哲学者・イオニア学派のアナクサゴラスが、万物は最小の構成要素「スペルマタ」(種子)からなると説いて議論に先鞭をつけた。その後、ソクラテスと同時代のレウキッポスとその弟子デモクリトスらの一派が、「アトモン」(不可分なもの)が物質を構成する最小単位であるという原子論を唱えた。

こっちの方がよく分からないですね。簡単に言うと、世の中の物質を細かく分割していくともう分けられないよっていう小っさな何かに行きつくんだ。そのちっさな何かこそが世の中を構成しているんだっていう考えです。
今ではこちらの方が正しいってことは知られていますし、そもそも化学の教科書にはこっちしか乗ってません。
しかし、古代ギリシャではデモクリトスが唱えた原子論よりもアリストテレスが唱えた四原質説の方が正しいと言われていたため、何か言ってんなくらいにしか思われていませんでした。
その後、原子論は1000年以上経ったルネサンス期に再発見され、化学の発展とともにこっちが正しいじゃんってなっていったわけです。

古代ギリシャの物質哲学の歴史

古代ギリシャではギリシャ哲学という学問が盛んに研究されていました。
ギリシャ哲学では今でいう哲学だけでなく、物理や数学も研究されていました。ソクラテスやプラトン、アリストテレスなどが有名ですね。
ギリシア哲学の起源は、アナクシマンドロスから始まるミレトス学派と、ピタゴラスから始まるピタゴラス教団の二つの派閥があったそうです。
ギリシャ哲学ではまず自然学が発達し、次いで倫理学、論理学が確立されていったそうです。
自然学の分野で物質哲学という学問があったそうです。
そこで、物質とは何かという研究が行われていたのですね。
しかし、中世になると、ギリシア哲学はキリスト教に弾圧されていきます。ローマ帝国の分裂とともに、ギリシャ語の読み方がわかる人も減っていきました。
ギリシャ哲学は西欧から消えていきますが、物質哲学はヘレニズム文化の誕生によってメソポタミア地方へ伝わり、冶金技術と混ざり合って錬金術へと発展していきます。

四原質説の概要

ここからはギリシャ哲学で最も最有力と考えられていた四原質説についてまとめてみたいと思います。

始めに四原質説の基礎を作ったのはターレスという哲学者で、紀元前580年頃に「万物の根源は水だ」と論じたそうです。
続いて、紀元前500年頃にアナクシメネスは「万物の根源は空気だ」と論じ、ヘラクレイトスは「万物の根源は火だ」と論じました。
それらを受けて、紀元前450年頃にエンペドクレスが「万物の根源は土、水、空気、火の四つだ」としました。
さらにアリストテレスが四つの根源に「温-冷」、「乾-湿」という相対立する四つの性質を付与すると世の中のすべての物質を説明できるとしたのです。
アリストテレスによると土は「乾-冷」、水は「冷-湿」、空気は「湿-温」、火は「温-乾」の性質をそれぞれもっているそうです。
また、土と水は「重さ」の性質をもっていて、空気と火は「軽さ」の性質をもっているとしています。
高校で化学をかじった人だったら、何言ってんの?ってなると思います。
ですが、現象論だけみるとあながち間違っているように見えないんですよ。
例えば、土は手を離すと下に落ちるし、水は低い方へと流れます。ものを燃やすと、空気や火は勢いよく上昇します。
それに、「冷-湿」の性質をもつ水を温めると水蒸気になります。「温-湿」の性質をもつ空気になんだって言われたら、そうかもって思いますよね。
ある程度世の中のことがこれで説明出来ちゃったんですよ。
しかも、アリストテレスが言ってるんだから正しいよねってなっちゃって、1000年以上信じられたわけです。

一方で、物質が相互転換可能だという理論だったので、頑張れば金や不老不死の薬も作れるかもみんなが思ったわけです。
そうして、錬金術へ発展したわけですね。

今回は錬金術のもとになった古代ギリシャの物質哲学についてまとめてみました。
僕は細かい現象の理解も大事ですが、その現象がどう世の中の役に立って、どういう歴史を経て発見されたのかということが重要だと思っています。
この記事で興味を持っていただけた方は是非、ご自分で詳細に調べていただければと思います。
質問やご指摘なども是非お願いいたします。ではでは(^^)/

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