牧歌的録音環境

 今日は、昼にピアニストのリンヘイテツ君と、「自宅でレコーディング」の第一弾をやった。zoomでテレビ電話をしながら、機材や音楽編集ソフトなどのセッティングを手伝ったわけだけれども、これで今後はスムーズにレコーディングができるわけで、期待と希望に胸を膨らませつつ作業を終えた。

 ジャズ方面のピアニストは特に、生ピアノを自宅で納得できる音質で録音できる人は少ないと思う。彼は幸運な事にピアノの録音に恵まれた環境だったので、バッチリ。特に彼の自宅のグランドピアノはとても魅力的な音のする楽器なので(以前俺も触らせてもらったのだけれど)、特に面白い録音ができるんじゃないかな〜と思う。しかし、他のピアニストはなかなか大変。自宅に質の良いグランドピアノがあるのかとか、録音できる機材を揃えられるのかとか、そこそこ高いハードルがあるので、このご時世といえどもリモートでの録音に苦心している人も多いんじゃなかろうか。

 それに引き換えヘイテツの奴は、まあのんびりと楽しそうに作業を進めていて、俺も不思議と心温まる時間を過ごさせてもらえた。途中でお母さんから「灯油が切れたの」と呼び出されるヘイテツ。郵便物の受け取りに途中退席するヘイテツ。日当たりの良い部屋で、牧歌的に進める作業は楽しそう。レコーディングというと今まではスタジオでという感じだったけれど、こういう風にリモートで作業をするのは良い事なんじゃないかと思う。空いてる時間を使ってちょこちょこと作業を進めていけそうだし、今後は彼にも協力してもらって、録りたかった作品を色々やっていけるといいな。

 とはいえ、歌の録音はやっぱりそういう環境に行ってやらないといけない。自宅を防音にしてっていうのも良いは良いけど、やっぱり賃貸の集合住宅に住む身としては「近所迷惑」っていう感覚が深層心理に染み付いているわけで、どうやっても自宅で本意気でというのは無理そう。声大きいし。良いなあ、リンくんの奴。

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