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日々のまにまに


昔「まにまにロマン」という名前をつけた
女性二人組みのユニットがあって
ライブがある日は聴きに行っていました。
ギターとキーボード。

二人はそれぞれ自曲を歌い
ひとりひとりの声によって
響いてくる景色は違いました。
真夏の蝉時雨に触れることができたり
青い真夜中を佇むこともできたり。

彼女たちの広げる世界は
聞いているわたしたちに多くの景色を
優しい風のように隔たりなく
与えてくれました。


人の声は、目線の先へ届くんだよ、と
そのころ誰かに教わって
当時高い山に住んでいたわたしは
毎朝朝日が昇ってくる
いちばん遠い山へ向かって
おはよーと小さく挨拶するのが
日課となりました。

小さなこどもも二人いて
太陽がいちばん長く空を照らす夏至の朝には
三人で山から出てくる日の出の光りを
ぱくっと、飲み込んで遊んだりもしました。


今は、その頃見ていたあの遠い山、の
向こう側に住んでいます。

朝に夕に、山々を揺らす
ひぐらしの声に想いを馳せたまま

高層ビルにこだまするわたしの声は
何処へ消えてゆくのでしょうか。



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まにまにという言葉を
改めて調べてみました。

隨 したがう、寄り添う、身を任せる。

語源のように日々のまにまに拾った言葉を
このフォルダに綴っていこうと思います。



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