鳴龍byセブンイレブン

書くしかあるまい

そもそもフェイスブックはやらんし、インスタは極々たまに見るだけ、Xは昔はメインで投稿していたがコミュニティに気を使ううちに、言いたいことも言えなくなりROM専になっているのだからモヤモヤの捌け口がない

それでも大した信念もないのか「まぁいいか」で過ごしてきたのだが、こればっかりは看過できない事態が起こったのである

そう、鳴龍のリニューアルである

知らない人の為にざっくり説明すると、鳴龍はミシュラン一つ星レストラン「創作麺工房 鳴龍 NAKIRYU」のインスパイア系カップラーメンだ

私は2022年にこのカップラーメンに出会い衝撃を受けた

粉末出汁に液体スープ、後掛けの芝麻醤で整えるスープの完成度

程よい歯ざわりのフツッとした細麺

もはや不可能かと思われたカップラーメンのレイヤーを超えて、真のラーメンにクラスチェンジを果たした稀有な一杯

確かに鳴龍本店には行ったことはないのだけれど、だるま や はしご を彷彿とさせる酸味の効いたスープや程よく調整された細麺は開発者の魂を感じる完成度に仕上がっていた

2022年当時、この商品は限られたセブンイレブンにしかなく、これを売っているセブンイレブンをわざわざ探しては出会えた喜びを噛み締めたものだ
終売近くなると、今まで販売していた店舗からまた一店舗、また一店舗というように消えていき、最後の商品を手に取ったときは「これで終わりだな」と思わずラーメンに話しかけたものだ

あれから二年

セブンイレブンでそのパッケージを見た衝撃は忘れられない。例えばそれは、まるで昔の恋人に偶然すれ違うもののようだったのだから

鳴龍


2022年突如として姿を消した、大好きだったラーメン
丼方だった見た目はカップヌードル型の見た目に変貌していたものの、まごうことなき鳴龍の二文字

あれから2年

途方もない時間を思い出とともに過ごした
いつかまた逢いたいと思っていた
Amazonの高額転売にも手を出した
でもなにか違うと心のなかでいつも引っかかっていた
そんなラーメン、、、

そこからケトルでお湯を沸かしている時までの記憶はない

違和感はあった

液体スープがなくなった
芝麻醤がミニミニサイズになった
でも期待しかなかった

またあの味を、またあの味を楽しめるんだ!

お湯を入れ、心を落ち着かせて待つ。
くそっ、なんでラーメンを待つ時間はこんなにも長いのか

規定の時間になり蓋を乱暴に剥がす

芝麻醤を垂らすがやはりおかしい
少ない
あまりにも芝麻醤が少なすぎるのだ
そしてピンときた

スープが粉になったのも芝麻醤が少なくなったのもコスト削減だ
それをごまかすために容器も変えたのだと

とはいえ懐かしい香りがする

麺はほぐしてる段階で以前よりコシが増えたことを感じさせる

「食わねばなるまい」 

食って判断すべきだ
食う前から文句を垂れるなど笑止千万

そう自分に言いかけてススる

ズズズー



、、
、、、
そうか
もう昔のあなたじゃないのね
二年の月日はこんなにもお互いを変えてしまった
そうだよね
私の時間があの頃のまま止まっていたかもしれないわね

でも言わせて
今の貴方はあなたらしくないわ

旨味と謎の粉で味を整えて自然な旨さを失ったスープ
コストカットされて隠し味程度に軽視された芝麻醤
不釣り合いにコシのある麺

確かに手軽になって万人受けしてコストも下がって儲かるかもしれない
でも今の貴方は、あの頃、カップラーメンの域を越えようともがいた貴方ではないわ

しょせんカップラーメンという世界の中で戦うその他大勢の一つに成り下がったの

感動も興奮も愛すらも霧散して
ただ虚しさだけが胸を通り過ぎる

こんな気持ちは初めてではないけど、ただただ企業というは残酷だなと思う

これが芸術家ならこうはならないだろう

もっと高みを目指してラーメンを超えるカップラーメンを完成させてたかもしれない

カップラーメンでこんな気持ちになるのは嫌だ
捌け口を探して、ここにNoteを書いてるのも嫌だ

でもどうしても私の意思を表明したかったから書いた


さよなら鳴龍



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