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長く通ったら70万払わされる。そんなカイロ治療院へようこそ☆全健会体験4

「髪の毛切りましたよね。雰囲気変わったのわかってたんですよ。言おうと思ったけど、違うかなと迷ったから言わなかっただけです。わかってたんですよ、髪の毛切ったって」

その必死な言葉に、私の背筋はぞーっと凍りました。

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高額商品を売るには色でもなんでも売っちゃうよ☆

カイロ治療院の先生は70万円の健康グッズを提示して笑顔で(※目は笑ってない)言いました。
「すぐにはね、みんな買わないですよ。別に今買えとかいう話じゃないですから。僕だって買ったのはカイロの勉強はじめてからですし」

これは裏返せば「この治療院に長く通っていたら買うことになりますよ」というようなものです。長く通ったらアウトと私は受けとりました。

しかし、ここでふと思いました。
「そもそも、長く通う人なんているのだろうか?」と。

施術が悪いとか高額商品売りつけてくるとかそういうレベルの話ではありません。単純にその治療院のある地区は、転勤族の多い地域だったんです。小学校に一緒に入学した子が卒業するまでクラスメートでいることはめったにない。それくらい人口動態が流動的な土地でした。国家公務員の官舎が典型例ですね。

だから美容院も不動産屋も、5年後にはこの人は大体いなくなる前提で集客している感じです。悪く言えばドライ、良く言えばしがらみが少なくて風通しの良い地域と言えます。都会的な一人暮らしには快適です。

そういった地域で商売をして、客が長くリピートしてくれることでようやく売れるような高額商品を扱う。かなりのハードモードでは。私ならめげそうです。

(これ、相当売れないんだろうな……)

私は心の中で思いました。可処分所得の多い層が住む地域ではあるのですが、時間をかけてじっくり売っていく戦略は商品がどうとか価格帯がどう以前に地域性にマッチしていません。

だから、先生は一生懸命ある手口で売ろうとしていたのでしょう。
色恋営業で。

色恋営業(疑似恋愛を提供し、相手を夢中にさせて利益を上げること)で枕を売るとか、ギャグすぎて面白いです。笑えます。
でもそれ以前に、先生個人のパーソナリティが色恋営業に向いていなさすぎ問題があります。

先生が垢ぬけなくさせた小日向文世さんぽいことは前に書きました。小日向文世さんの魅力って、誠実そうな雰囲気だったりどこかミステリアスだったりするところだと私は思ってるんですね。

先生は治療者としては、とても良いビジュアルだと思います。清潔感があって誠実そうに見えるし、真面目そうに見えます。不器用かも知れないけれど、まっすぐ真っ当。

けして色気がにじみ出すぎてエロすぎてやばいってタイプではないんです。
むしろそれをやると、痛々しくなってしまうタイプ。

せっかく誠実そうな雰囲気をお持ちで根は真面目そうなのだから、それを強みとしてしっかり生かされればよいのに。先生は何を狂ったか私に一生懸命色恋営業を始めたのです……。どうしてこうなった。

ある日施術を受けていて質問をされました。
「今週一週間、何をしていましたか」
「今週……そんな特別なこともないですね。相変わらず出勤とリモート業務が半々で……」
「その割には肩が内に入ってしまっていますね」
「あっ、そうだ思い出した。美容室に行きました!」
「えっ!」

私が美容室に行ったという瞬間、先生が焦ったのが伝わりました。そして、先生は早口で一生懸命に言ったのです。

「そうですよね髪の毛切りましたよね雰囲気変わったのわかってたんですよ。言おうと思ったけど違うかなと迷ったから言わなかっただけです。わかってたんですよ髪の毛切ったって」

私はぽかーんとしました。

なにその返し
キモッ

私なめこも人様をキモイと言えるような立場ではないことは重々承知しております。言葉がきつくて申し訳ありません。しかし、生理的に受け付けないレベルで違和感があったということです。

そもそも美容室でヘアスタイルを変えた時に、気づいてくれる男性というのは1割くらいです。0.1割の超モテ男は前髪切っただけでも気づいてきたりします。(それはそれでちょっと怖い)

しかし、9割はスルーです。黒髪から金髪に染めるレベルでようやく「あれ、どうしたの」くらいの薄いリアクションをくれるのが私の周りの男性です。

それに慣れきっていた私は、髪を切ったことにここまで過敏に反応してくる先生にどうしようもない違和感を覚えたのです。

しかも私、美容室行きましたけれども「毛先を切って形を整えてください」って現状維持メンテ的なオーダーで、見た目はほとんど変わってなかったんですよ。それを「髪の毛切りましたよね。雰囲気変わったのわかってたんですよ」と言われても……。

何そのあなたのことを見てますアピール。
気持ち悪い。
言うて実際は見てないし。

率直に言って、そんな嫌悪感を覚えてしまいました。
そういう要素って私がカイロプラクティックの施術に求めているものではなかったのです。

施術中に骨盤を押しながら「これで女性ホルモンもたくさん、どーんどぉん出ちゃいますよー!たーっぷり出しちゃったくださーい!」と言われたのも、ぞわっと来ました。

本当にそういうのいらないんです。生理関係について訴えていたならまだそういう返しもわかりますけど、肩こりなおしてって言ってるのに女性ホルモンたくさん出るとか言われても素人には脈絡が理解できなくて気持ち悪いです。

着ているものに関しての細かい指摘も始まりました。

「今日の服は、黒なんですね」
「あ、はあ」
「先日の服は紫でしたね」
「そうでしたかね」

多分、これもあなたのことを見ていますアピールの一環なのでしょう。
しかし着眼点が独特すぎて「おしゃれ頑張ったら先生が褒めてくれる♡ドキドキ♥」みたいな気持ちにはちょっとなれません。

それもこれも、あの70万のセットをプレゼンしだしてから。
どうやら先生は高額商品を買ってもらうために、男の色気で篭絡したいらしいのです。

えええ~
人間、適材適所なんだから、自分に合ったことやりましょうよ~~

「買えば良くなります!」え、カイロの意味は?

「施術してもらったら体は軽くなるんですよ」
「それはよかったです」
「でも、それが続かないんですよねー。すぐ元に戻っちゃう。どうしたら元に戻りにくくなるんでしょうかね」

私のこの質問に対して、以前通っていたおじいちゃん先生なら「戻るのは戻る。でもテーピングしておくと戻りを遅らせることはできる」といったでしょう。その次に通っていた高級整体の先生なら「あなたの場合は一番は腕のねじれからきていると思うんですよね。だから腕をねじる行動を減らすと良い。意外に感じるかもしれないけれども、足の親指の付け根に体重を乗せることを意識すると実はいいんですよ」といったことでしょう。

さて。
我らが全健会カイロプラクティック(RB特別・優秀受講済)の先生の答えは、こちらです!

「このマット(175,000円)を買えばいいですね」

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Wow!
こ、これは!
本場アメリカカイロ博士が推奨するヘルスウェーブゴールドすややかD.C.Version!!!!(税込み192,500円)

……。
…………。
私、確実に選択肢間違ったな……。

完璧にバッドエンド直通なやつじゃんこれ。
そう遠い目になりながら、私は「へえ、枕だけ試しに使ってみるっていうのはどうなんですか」と話をふってみました。

「枕!?枕だけ使うなんてね、全然だめ!マットも買ってちゃんとセットで使わないと効果ないんですよね!」
「へーそうなんですかー。じゃあいらないですねー」

こういう健康枕や健康マットの類が最近売れていて色々出ていることは私も知っています。良さそうだなとも思います。Youtubeで水越みさとちゃんも3万くらいする枕を買ったと言っていた気がします。

使い心地は確かに良いのでしょうね。
でも、私ベッドに入って常に10分で寝落ちして朝までぐっすりの快適快眠人間なので、ニトリ最高としか思わないんですよね。ニトリで普通に良いですよね? お ねだん以上!

この「良くなりたかったらマットを買え」で、かすかにあった治療者への信頼感は粉々に砕け散りました。「物を買えば治る」なら、施術はいりませんよね? 施術は10%ってそういうこと?

百貨店の外商さんなんかもそうですけれども、高額な商品を売るためには売り手と買い手の信頼関係が大切です。昔の呉服屋が品物に値札をはっていなかったのは、この家のならこれくらいの予算でお買い物をするということを熟知していたからです。

「じゃあお願いね」「わかりました」で阿吽の呼吸で売買が成り立っていた。高額なものを売るには今でもこういう信頼関係が大切です。だから高級宝石商の方は顧客のプライベートな情報を知り尽くしています。何でも話し合える関係性だからです。付き合いも家族ぐるみで、顧客本人ではない家族の誕生日にすら花を贈ったりします。

人間としてこの人を信頼できない。
そう思った人と高額な取引をしたいと思いますか?
私は思えません。

施術回数はあと半分くらい残っていましたが、この治療院に通い続けるストレスのほうが上回ってくるようになりました。

もういい。
あなたみたいな人に体を見てもらいたいとは思えない。
そう思ったら最後、あとは復讐あるのみです。

会計事務所でやしなった俺の付け焼刃経営コンサル知識が火を吹くぜ!!!


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