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摩訶不思議カイロプラクティック 全健会体験

はじめまして。なめこです。
アラサーとももうそろそろ言えなくなって来た30代半ば女です。
普段は会計事務所で事務やってます。一周以上遅れたバンギャルです。

本日は整体に行ってみたら摩訶不思議すぎて面白かったので、その体験をシェアします。整体行って社会の闇の深さに恐れおののくことになるとは思いませんでした。

きっかけは12月にさかのぼります。
前に書きましたが、私は会計事務所に勤めています。12月というと、どの事務職の方も割と地獄でいらっしゃると思いますが会計事務所も例にもれず年末調整という大ボスを倒すために毎日必死で乱闘するはめになります。

年末調整が終わって年末年始の休みに入り、正月は寝て過ごし……。あるあるですよね。私もそのコースを行きまして、このコロナ禍ですし推しのライブにも行けず画面越しに推しを拝みながらの年末年始を過ごしました。

しかしですよ。
アラサーとも言いにくい30代半ばともなると、年末年始寝ただけでは12月の激務の疲れが取れない。体が重い。だるい。

やべー加齢にあらがえない!
そう痛感した私は、久々に整体に行ってみることにしました。

私の整体歴は10年ほどで、今まで行ったことのあるのは2軒です。
1軒はおじいちゃんがやってる昔ながらの整体で、肩こりがつらいと言ったら、伯母さんが紹介してくれました。

昔ながらの整体ですから、結構色々ワイルドです。ゴキゴキポキポキなんて普通にやるし、おまたのきわどいところ(リンパ節のところや恥骨部分)をさわって「んー硬いねー。これセックスするときに痛んで困るでしょう?」なんて令和なら完全アウトなことを言っちゃうような整体。おじいちゃん、アバンギャルドだぜ。

でも、行ったら体は楽になるし、なんか変な波動水とか飲まされたけど困るようなことはなかったので7年ほど通い続けました。通わなくなった理由は、おじいちゃんが引退して閉院しまったからです……。

2軒目は、2時間だか3時間だかずーーーっとマッサージしてくれる整体。
これももちろん行った後は身体が軽くなるし、「今この部分がこうねじれているので、こう使ってあげることを意識してください」なんてのも教えてもらえてよかったです。でも1回いったら2万とか3万とか飛ぶので、ちょっと薄給の私には不釣り合いなサービスでした。

2万とか3万とかいうと、推しのライブ遠征に余裕で行けちゃうんですよね。と換算してしまうのがバンギャルの悲しい性。いや、バンギャルだけではあるまい、ドルオタの諸君、君らも僕の仲間だろう!!

そんなこんなで、整体に対して良いイメージがありました。行ったら体が楽になるという。世間ではバッシングされたりポキポキした後で死んだり胡散臭いものだと思われていたりするようなのですが、私は好きなんですよ、整体。

そんな「どこに行っても結構よくしてくれるだろう」という信頼感あふれる赤子のようなピュアさで、私は何も考えずホットペッパーで整体を探しました。

口コミ数がずば抜けて多くて、評価数も高い治療院がありました。
よし、ここにしよう。
私は予約しました。

それが摩訶不思議体験の宇宙猫ロンドの始まりだとは気づかずに……(ほっとくと古めかしいV系歌詞っぽくしちゃうのバンギャルの悪いところ)

一人消え…二人消え……最後は、お前だ!!!

ホットペッパーでチェックするに、そこの治療院は二人の整体師さんが在籍していました。男性の院長と女性の整体師という構成です。

はじめてだからわからないし、指名はしないで予約しました。こういうのって縁だと思うし、整体って体をさわる施術だから「女性のお客様には女性がつく」みたいなところがあると思ってたので、多分女性の整体師さんになるだろうと勝手に予想していました。

しかし、返信には院長先生の名前が。院長先生が施術してくれるらしい。
「へえ、まあ、経験豊富な人に見てもらえたほうがいいのかも」とポジティブに解釈して、予約の前日ホットペッパーを何気なく見ると。

いないのです。
女性整体師が。
男性整体師(院長)1人になっている。

「え、なにこれ……」
ちょっと嫌な予感がしました。
でも、予約はもう次の日です。肩こりも眼精疲労もみっちみちで辛かったのでそんなモヤモヤを無視することにしました。

鮮やか!一回目で回数券即クロージング+直予約に変更

「弱いやつは食われる」
ゴールデンカムイでアシリパさんはそういいました。
その時の私も弱弱でした。寝ても寝てもむくみが取れない地獄。

だから、そういう結末になるのも仕方なかったのかもしれません……。

当日向かった治療院で、まずぎょっとしたのが
「整体師募集!」
このノボリ(旗)。

あの女性整体師の唐突な消えっぷりを見たあとで、”整体師募集”ですよ。インパクト強すぎますよ。

入り口前に置くノボリって、そこのお店の一番伝えたいポイント、うちの店はこんなところですよ!ってセールスポイントを掲げるところですよね。「こだわりのつけ麺」とか「新台入替!」とか「イオンの火曜市」とか。いや、火曜市のノボリは見たことないですけど。

このノボリを見た時に私は唖然としたんです。
「うちのボスが見たら、即座に撤去させるだろうな……」と。

私の働いている会計事務所は税とか会計に関する事務だけではなくて経営コンサルティングもやっています。もちろん私はただの事務方なのでコンサルすることはありません。でも、経営者の方々にスタッフが「こうしたほうがいいですよ」とアドバイスする場面を10年も聞いてると、そこそこ知識だけはたまっていくものです。

求人を堂々と出しまくるって、基本はマイナスイメージです。なぜなら、求人情報誌にいつも載っている職種というのは離職率も高い職である可能性が高い。辞めるからこそ募集しなきゃならない。つまり、人がすぐ辞めるようなブラックな仕事なんだなってイメージを与えてしまいます。

やたらと求人で目につくのは、私が女性のせいかもしれませんがバニラカーとか。最近はティッシュ配りも減りましたけど、チャットレディのティッシュは今だに配ってたりします。それだけ辞めるんでしょうね。

求人で一番いいのが知人に適した人を紹介してもらえることです。身元もしっかりしているし、信頼のおける人が保証してくれる人なら組織にフィットする確率も高い。そういう人が見つからなかったり、もっと多くの人手を必要とする場合は求人誌やネットに募集を載せることになります。

しかし、それだって決まったらすぐ取り下げます。
そういうのがずっと載り続けているのはだらしなく見えてしまうし、あとから申込んできた人にも失礼に当たりますしね。

とにかく、求人は目立つところでしない。アクセスしたい人にだけ見えるところに情報を置いておく。これが鉄則。
不動産もそうだけど本当に美味しい求人って、こそって回ってくるもんなんですよね。表沙汰にならず。

採用の難しさに頭を悩ませる経営者って、すごく多いんですよ。20年経営をやっているベテランさんでも「今だに採用は難しい。正直ばくちだね」なんていいます。面接で全部なんてわからないと。(だから就活生の方、もし内定もらえなかったとしてもあなたの全人格を見て不採用にしたわけではないので落ち込まないでくださいね。つか学生時代の自分にそう言ってやりてえ!)

ですからね、店の前に「整体師募集」だなんてノボリを立てておくだなんて言語道断なんですよ。ありえないんですよ。うちのボスが見たら「なんだここは」って絶句しますよ。ダメ!ボスの血圧が上がっちゃうやつ!!
だから職場で話のネタにするわけにもいかずこうやってnoteに書いてるわけですが。ボス、長生きしてね。

そしていよいよ治療院に突入です。
迎えてくれたのは小日向文世をちょっと汚くした感じのそれでも清潔感はある50代男性。整体師としてのヴィジュアルとしては全く問題ありません。ええ、整体師としては。

挨拶をしお名刺を頂くと、似顔絵名刺でした。
しかし、なんといいますか……よくあるファンシーだったりスタイリッシュだったりする素敵似顔絵ではなくて中二病的なイラストでシュッとした自画像が描かれていまして……。えっ、もしかして自分で描いたのかな……?

まあまあ、整体の腕さえ良ければそれでいいんです。私が求めてるのはそこです!プロフェッショナルな技術を買いに来ているのですから、名刺に違和感があったってそんな些末なことはどうでもよいのです。

そしてコロナ禍ですので洗面台に案内されて、うがいをします。きちんと対応されていますね!

しかし、この洗面台がですよ。
一面に化粧品がずらーーーーーっと並んでいるんです。
しかも同じ商品が何個も何個も所せましと箱のまま並べられているわけで。

超、違和感。
だって、ここ、治療院ですよね?カイロやるところですよね?
化粧品売るところじゃないですよね?

百歩譲って女性の整体師さんだったら「副業で化粧品も売ってるのかな?」って思えるし、男性でもかなり美容に気を遣っているタイプの男性なら「今時流行のメンズコスメも扱ってるってことかな?」って思えます。

でも、小日向文世さんを2まわりくらい垢ぬけなくして肌を汚くしたらこんなかんじかも、って男性が化粧品???
いや、違和感です。

違和感と言えばインテリア全般も違和感があります。
なんていうか、カワイイのです。いちいちラブリーで女性がセレクトしそうな物が多い。先ほどの洗面台もそうです。すごくラブリー。

30年前だったらこういうのがおしゃれだったんだろうなって感じで、おばあちゃんちにいる安心感と言いましょうか。言い換えると、現代的には若干ださい。でもそのだささが落ち着きますよね、おばあちゃんちって。

でも、ここはおばあちゃんちじゃない。
治療院。
しかも、男一人の治療院。

男性がかわいらしいインテリアを好むのはキモイとか言ってるわけではないんです。それは個人の趣味で尊重されるべきものですよね!
しかし、仕事におけるTPOってものがありますよね? 治療をするようなところなら清潔感第一でかわいらしさよりも落ち着き感とか信頼感とかそういう雰囲気づくりをされた方が良いと思うんですよね。そちらのほうがお客さんは安心するのでは。

積み重なっていく違和感。
笑顔だけど目は笑ってない先生。
……不安しかありません。

ですが。
施術は良かった。
体が、軽くなった!

先生は丁寧に施術前と施術後の同じ姿勢での写真を見せてくれて、「猫背がこんな感じでなおりましたね」と解説してくれました。
ガチガチバンバンだった肩が、ゆるっゆる!

カイロ、最高!!!

気分軽くルンルンだった私に、先生はこんな提案をされます。
「1回やっただけだと、またすぐ元に戻ってしまいますよ。どうですか、しばらく定期的に通ってみませんか。1週間に1回、3カ月のコースだと7000円の施術が3000円ちょっとで受けられますよ」

「あと、ホットペッパーの口コミを書いてくださった方に1000円のキャッシュバックをしています。こちらもぜひご検討ください」

施術で軽くなった体にすっかり気を良くした私は、この機会に自分の身体に手をかけてあげるか、という気になります。やめとけばいいのに。

「わかりました、先生。じゃあ3カ月お願いします!」
前金で12回分施術39800円を支払ってしまったのです……。

「じゃあ、次の予約はどうしますか?」
「えっ、今予約入れていっていいんですか?ホットペッパー使って予約入れたほうがいいのでは?」
「いえ、ホットペッパーは使わないでLINEで予約が取れます。LINEで予約してください」

ついつい職業病で経営脳事務職な私は「わ、この人すごい!」と思いました。

単回だけだとなかなかリピートにつながらない客を回数券購入でつなぎとめる。しかも前金なのでとりっぱぐれなし。
ホットペッパーの口コミにキャッシュバックというインセンティブを与えることで口コミを爆増やしすることができ自動的に掲載順位を上げることができる。
でも、リピーターにはホットペッパーからの予約はさせないでLINE経由で直接予約させて広告費(中抜き)を削減する。ホットペッパーはあくまでも「新規客開拓用」という位置づけ。

頭いいな!
すごいよくできてるシステムだな!
この人は経営のことを研究している人なのだな!!

私はちょっと嬉しくなって、ここに通えば施術の他にもビジネスの面白い話や経営努力なんかも聞けるかも!なんて胸を躍らせました。
まあ、今思うと見事なシステムなのは全健会さん由来なんですけどね……。

1回目だけでクッソ長くなってしまいましたので、一旦終わりにします。
ここまで読んでくださった方、いらっしゃったら本当にありがとうございます。note初投稿なので至らない点もあると思いますが、お許しください。

次回「罠はエサをやった後に訪れる(仮)」でお会いしましょう!


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