大腸がんの話。復帰生活。

退院後一週間の自宅療養を経て無事仕事に復帰することができました。
もっとも無事とはいってもいきなり以前の仕事量はとてもこなせません。

腹腔鏡手術とはいえ体にメスを入れ臓物を少々取られると人間スタミナがごっそり奪われるのだと思い知ることになります。

自分の仕事は朝にミーティングを行った後は終日外をバイク移動して回ります。拘束時間は当時でも決して長い時間ではありませんでしたし、いわゆる委託契約なので一日の作業予定分が終了すれば終了になります。

一週間の自宅療養でお腹の傷は安定して痛みを感じる事が少なくなり、ストーマの扱いにも慣れて特に不都合は感じませんでしたが、予想以上にスタミナが減少して疲れやすくなっていたのです。

復帰後数日は仕事量を通常の半分程度にしてもらい、大体一週間程度で通常の業務量をこなせるだろうとタカを括っていましたが結果的に元の業務量をこなせるようになるまで二週間ほどかかりました。

仕事をこなすうえで幸いだったのはバイク移動時の姿勢がお腹の傷とストーマにやさしかったことです。。もちろん路面のギャップ等の振動が傷に響く事はありましたがただ歩くよりはだいぶましです。

ストーマについて書いた時に触れましたが5月から9月の間という事で真夏の外仕事をストーマを付けて過ごしたのですが「癒されることのない渇き」以外には大きな問題は起きず、パウチの中身の廃棄に関しても公衆トイレで十分対処できました。

一度だけお客さんの設備を確認するために家と家との隙間を通り抜ける際、棘のある庭木でズボン越しにパウチに穴をあけてしまいましたが、穴が小さかった事と大量に飲んでいる水分のせいで中身がほぼ黄色い水だったおかげで大惨事というほどの事態にはなりませんでした。

ストーマをつけての通常の生活を送るうえで気になったのは自分の小腸ストーマの場合イメージ的に懸念されるされる匂いよりは音でした。

通常さほど大きな音でガスが排泄されることは少ないのですが、時折ズボン越しでもおならと同様の排泄音が響く事があるのです。

お尻からの時とは違いガスの排泄もコントロールが出来ませんでしたから、お客さんと話している最中に排泄音が響き渡る様なことがあると「この人滅茶苦茶豪快な漢だな…」と誤解されかねません。

実際にはさほど気にするような事ではなかった気もしますが、自分の場合そんな事が妙に気になる程度でほかに深刻な問題がなかったという事なのでしょう。

それなりに苦労はありましたが日々の仕事をこなしていくうちに真夏は過ぎて、いよいよストーマ撤去手術で再入院の日がやってくるのでした。

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