大腸がんの話。イレウスの恐怖②
もはや横になっているのも辛くなり、いよいよ病院へ行かなければまずいと判断しました。病院までは大した距離ではありませんからとりあえずタクシーを呼ぼうとしましたが自分の様子を見ていた妻が躊躇なく救急車を手配。
距離の短さで若干申し訳なかったのですが、今日退院した状態でイレウスである事と自力で下まで降りるのでサイレンは鳴らさず駐車場に入ってほしい旨を伝えました。
しばらくすると窓から赤点滅するライトが見えたので1Fに降りようと(我が家はマンションの5Fです)エレベータに向かうと何やらストマ部に違和感が。
パウチ越しに見える梅干し君がまるで放射線を吐くゴジラのごとき状態で排泄を始めていました(笑)
さっきまでぺったんこだったパウチがもはや容量一杯です。よりにもよって救急車が到着したタイミングで腸の蠕動が回復したらしく、あれほど辛かった膨満感も嘘のように解消されていました。
すでに玄関ロビーで待っていただいていた救急隊員の方に平謝りです。
たった今症状が改善したことを伝えましたが、せっかくだからとのことでそのまま搬送していただくことに。
救急受付に到着すると顔なじみのナースさんが当直で勤務されたいたので現在の状況を説明し、とりあえず今必要なのはパンパンに膨れ上がったパウチの中身を廃棄することであると伝えると「あんまり退院を急ぐから」と大笑いされてしまいました。
念のため腸の状態をレントゲン撮影していただき、問題無いだろうという事で日付けが変わるころに本日二度目の病院からの帰宅となりました。
苦しいやら恥ずかしいやらで印象深かったこのイレウス。
この後ストーマ撤去で再入院するまでは再発することはなかったのですが、ストーマ撤去後退院してから数日後に再び苦しむことになりました。
2度目の時にはもちろんストーマを撤去済みでしたから、業務再開後間もないお尻からの大量排泄に猛烈にひやひやした覚えがあります。
幸いにも自分は2度とも自然に蠕動が再開してくれたので再入院という事にはならずに済みましたが、イレウスは症状が長引くと口からチューブを入れて内容物を吸い出さなくてはならなくなるうえに基本的に経過観察しかできない厄介な症状です。
のちに担当医から詳しい説明を受けましたが術後の経過の良し悪しにかかわらず症状が出るかどうか見極めるのがなかなか難しいとのことでした。
イレウスの洗礼を受けたとはいえ最初の手術後の経過は順調でストーマとの付き合いも特に大きなトラブルに見舞われることなく3か月を過ごすことができました。
そして季節が夏から秋に移り変わろうとする9月の初め、ストーマ撤去の為に再び入院することになるのでした。
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