大腸がんの話。ある意味懺悔として。

面談で術後に受けるべき抗がん剤治療についての説明を受けました。

手術で腫瘍とリンパ節を取り除いた事でほぼ癌は取りきれたであろう事や、とりあえず他臓器に転移は確認できない事から、さほどきつい抗がん剤を使わないでも大丈夫である事。

抗がん剤の投与は点滴か飲み薬で通院での治療が可能である事。そして予定される抗がん剤での副作用と抗がん剤治療による5年生存率の上乗せ数値について。

自分に使われる予定の抗がん剤での副作用はよく聞く脱毛はほとんど無いもののやはりだるさと軽い吐き気はあるだろうとの事。そして味覚異常と末端神経異常(指先の感触に異常が出やすい)それに手足の指先に湿疹が出るかもしれないとの説明でした。

すでに担当医には早めに仕事に復帰したい旨は伝えてありました。
自分の仕事は外仕事ではあるものの比較的軽作業なのですが結構細かい作業を伴いますから指先の感覚に異常が出るのはだいぶ困ります。

個人差はあるとはいえ湿疹が足の爪の間にできると歩く際にだいぶきつくなるというのも早期復帰に大きなマイナスポイントに感じました。

なにより決定的だったのが自分の抗がん剤治療による5年生存率の上乗せ数値が数パーセントのUPだった事でした。

そして基本的に抗がん剤治療費用は高額になりがちです。
いかに高額医療費限度額認定を受けていても治療を受ける間は毎月限度額いっぱいまで費用が掛かることが予想されます。

早期に仕事への復帰を望んだのはぶっちゃけ「とっとと働かないと食べていくのが大変」だからです。

10年若かったなら副作用がきつくて経済的に多少厳しくなろうとも抗がん剤治療を受け入れて癌の根治を目指し、たとえ数パーセントの上乗せでも長く生きる為の努力を惜しまなかったでしょう。

すでに50代半ばとなり子供も独立して自分自身の残り人生は確実に今まで生きてきた時間よりも短い事を考えると辛い治療の後の健康よりも一日も早く以前の生活を取り戻すという選択をしてしまいました。

担当医に抗がん剤治療を受けない旨を伝えた所、より弱い飲み薬での治療を提示されたりもしましたが、自分の回復状況からか最終的に強く翻意を促されることはありませんでした。

もっともつい最近の検診時担当医に痛風の自覚症状が出たことからダイエットで体重を落とした事を話した際には「私がおすすめした抗がん剤治療はやってくれなかったのに痛風は怖いんだねぇ~」と軽~く皮肉を言われましたから決して100%快く受け入れていただいた訳では無かったようです(笑)

癌で闘病中の方がきつい副作用を受け入れてでも根治をめざし、抗がん剤治療を続けている話を見聞きする度に少々の劣等感を感じ、同時に自分がnoteで書いた物が闘病中の方の目に触れた際に正しいがん治療目指す妨げになりはしないかと思い、正直に書くことを少し躊躇しました。

故に断言します。
正しい治療はデメリットに臆すること無く標準治療で少しでも多く寛解への上乗せを目指す事です。たとえ今は苦しくても自分のように辛さにイモを引いた者に比べれば絶対に回復への上乗せがあります。

根性なしの書いた文章ではありますがその事に間違いはありません。


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