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【精神#6】コントロールが難しい人間の脳の三層構造とは

脳・精神が宿る場所  


精神は私たちの中の神様がいる崇高な場所にあり、その持ちようによって私たちの生き方や運命が変わってきます。


精神をもう少し詳しく解説すると、精神とは思考、感情、無意識の集合体であるといえます(図05)。  


思考、感情、無意識は、いずれも人間の脳が行う機能です。人間の脳は三層構造になっており、思考、感情、無意識はそれぞれ脳の違う部分で行われています(図06)。


■ 脳幹(爬虫類脳)  

脳幹は木の幹のように脳を支えていますが、これは人間だけでなく、その他の哺乳類や爬虫類にもあり、呼吸や循環など、生命を維持するのに必須な機能を司っています。


一番原始的な脳の機能であり、脳幹の機能が失われてしまうと生命を維持することはできません。


医学的に「脳死」と呼ばれる、機械や薬剤の力を使わなければ呼吸もできない状態です。


自分の意思で心臓を止めたり体温を上げ下げすることができないように、脳幹の機能を意識的にコントロールすることは不可能です。


■ 大脳辺縁系(哺乳類脳)  

大脳辺縁系は脳幹の次に古い脳であり、古皮質とも呼ばれ、本能や感情など私たちの中の動物的な面を司っています。


またとても行動的な一面もあり、日常生活の中での意欲やパワーなど、バイタリティの部分を担う一方で、つい感情に任せて後先を考えずに怒鳴ってしまうなど、まずい行動をとってしまうというのも大脳辺縁系の作用です。


■ 大脳新皮質(人間脳)  


脳の表面部分にある大脳新皮質は発生学的に一番新しい脳です。


人間で最も発達しており、「人間らしく考える脳」ともいえます。


ものを知覚する、社会的な行動を行わせる、美や善を感じてそれを実践することでより良い生き方をしようとするなど、知性と叡智を司る部分であり、人間らしい思考はこの部分で行われます。


認知症になると際限なくものを食べたがるなど幼児のような行動をとる場合がありますが、それはこの新皮質の働きが弱って本能的、情動的な行動が抑えられなくなるからです。


精神コントロールの手順  


無意識(脳幹─爬虫類脳)
感情(大脳辺縁系─哺乳類脳)
思考(大脳新皮質─人間脳)


それぞれの場所と働きがわかったところで、この三つが合わさった精神をコントロールするには、どのようにしたらいいのでしょうか?


コントロールの順番は大脳新皮質→大脳辺縁系→脳幹になります。


なぜなら、思考が一番コントロールしやすく、逆に脳幹が受け持つ無意識の部分を直接コントロールすることはできないからです。


思考は比較的コントロールしやすいだけではなく、思考をコントロールすることによって、感情、そして無意識へとコントロールの範囲を広げることができます。


先程脳幹の無意識の部分を意識的にコントロールすることは不可能だと書きましたが、間接的にコントロールすることはできます


その方法については後に詳しく説明します。  


まず思考のコントロールですが、思考は口うるさい上司のようなものだと思ってください。


この上司はあなたの一挙手一投足、どこか悪いところはないか、常に「悪いことさがし」をしています。


あなたを見る目はネガティブで否定的。
悪いことばかりを指摘してくる減点法です。


こんなともするとマイナス方向にあなたを貶めようとしてくる上司に引きずられると、自分自身もネガティブなことばかり考えてどんどん自分自身が嫌いになっていってしまいます。


人間は放っておくとネガティブ思考に陥りがちだということはしっかり理解しておきましょう。


しかし一度思考をコントロールできるようになれば、それは精神をコントロールするハンドルのような役割をしてくれます。  


感情は口うるさい上司とは正反対の無邪気な子どものようなものです。空気を読んだりしませんし、後先を考えることも損得勘定で動くこともありません。


思考より本能に近い分だけ、思考ではコントロールできない部分に影響することもあります。


たとえば子どもの頃「明日はテストがあるから嫌だなあ」と思っていたらお腹が痛くなったり、熱が出たりしたことはないですか? 


また鬱状態がひどくなると、呼吸困難になったりめまいで歩けなくなったりします。


とにかく感情は子どもですから、他人のことは考えません。まず自分です。


無鉄砲で無軌道ですから、暴走すると事件や事故を引き起こすこともあります。


理性では安全運転をしなければいけないとわかっていても、前の車のスピードが遅いことに腹を立ててあおり運転をしてしまうようなものです。


とはいえ、感情は押さえつければいいというものではありません。
思考をコントロールのハンドルとするなら、感情はエンジンです。


このエンジンはあなたが思っているよりもずっと強い馬力を持っていますから、F1のレーシングカーを思わせるようなパワーとスピードを実現することもできます。


無尽蔵のスタミナで走り回る子どものように上手におだてて使えばあなたが情熱を持って物事を成し遂げる原動力になってくれるのです。


そのためにはうつろいやすい感情の中でも前向きで積極的な感情を採用し、そのパワーを人生を押し進めるパワーにすること。


これが感情コントロールです。  


最後に無意識の部分ですが、これは爬虫類脳という通り、生物にとって最も古く、生存そのものに関わる部分なので意識してコントロールはできません。


この部分はお母さんの腹に入ってから死ぬまで休むことなく働き続けています。


意識しなくても実は私たちの日常のほとんどはこの無意識の部分で動いているのです。


今日一日あなたは何をしましたか? 


カギをかけて家を出て、電車に乗って仕事に行ったのなら、その間にあなたは自分の行動を意識したでしょうか? 


一連の行動、カギをかける、歩く、電車に乗るなどの行動は全て習慣的に刷り込まれているでしょう。


何両目の何番目のドアから乗れば乗り換えに便利だからとあなたはホームを移動したかもしれませんが、それも潜在意識に習慣として刷り込まれ、無意識にやっていることだったのではないでしょうか。


ということは、良い習慣を思考や感情にインプットすることによって間接的に無意識をコントロールすることができるということです。  


たとえばゴキブリ。まず好きな人はいないですよね? 


大の大人が悲鳴をあげてあんな小さな虫一匹から逃げ惑う姿を見ることはそれほど珍しい出来事ではありません。


同じように黒光りする虫でもカブトムシやクワガタは高値で取引され、ゲンゴロウやタガメは一生懸命保護活動をする人がたくさんいるのに、なぜかゴキブリだけは「気持ち悪い」が先に立つわけです。


なぜここまでゴキブリは嫌われるのか、多くの研究者がテーマにしているほどです。


諸説ありますが、経験的にいえば何も知らない小さな子どもにとってはゴキブリはただの虫でしかありません。


それが大きくなるにつれゴキブリを見ると悲鳴をあげるようになるのは、お父さんお母さんがそうしている姿を見て潜在意識に刷り込まれるからです。


ゴキブリは気持ち悪いと繰り返し聞いている間に本当に気持ち悪いものに思えてきて、自分も悲鳴をあげるようになるというわけです。


本当か嘘かはわかりませんが、ゴキブリがほぼいなかった北海道出身の方はあまりゴキブリが怖くないという話もあります。  


では、次回からはいよいよ真の開運に向けて、思考コントロールから精神のコントロールを始めていきましょう。


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