南木義隆

小説家・南木義隆のゆるい雑記です。 仕事だともっと気合い入れて書きます。各種依頼や相談…

南木義隆

小説家・南木義隆のゆるい雑記です。 仕事だともっと気合い入れて書きます。各種依頼や相談は下記メールアドレスまで。(※重要 原則必ず返信します。よって一週間以内に何らかの返信がない場合は見過ごしか不具合なので、再度別途手段でご連絡下さい) namboku2019@gmail.com

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これまでの仕事まとめ

ご依頼の参考にしてください。 【単行本】 『蝶と帝国』(河出書房新社) 初の単著です。帝政ロシアの物語です。迷ったらこれを買ってください。 pixivに冒頭約2万5千字の試し読みがあります。 【コミカライズ】 『蝶と帝国』の漫画版が箕田海道さんによってコミックウォーカーで連載中で、Webで全話読めます。(2023年7月現在) 『北の女に試されたい』の鬼才による迫真の歴史百合漫画となっています。 原作の担当編集者がオンラインワークショップに出演した際に「原稿料に見合っている

    • トルーマン・カポーティ著 小川高義訳『ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―』

       トルーマン・カポーティ著 小川高義訳『ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―』を読んだ。  コンセプトそのものが「偉大な作家のデビュー前夜の習作集」で、作家としてのカポーティの歩みが悲劇的――傑作と引き換えに絶えず自己破壊があった――なので帰納法的に"そう"読まれることを狙って編まれてるんだけど、それを差し引いてもなお表題作の「学校で馴染めず先生に叱責され、空想に逃げ続ける少女」の掌編が十ページそこらなのに圧倒的なイマジネーションと孤独が炸裂していて凄まじ

      • 最近読んで良かった小説や雑感9/18

        百合漫画の話 たみふる『付き合ってあげてもいいかな』  本作がリメイクを経て商業連載される前の、同人作品時代から一番好きだったみわ×環のカップルが別れてしまった……しばらく百合について、なにも考えられない。作品の最初のコンセプトと予見。積み重ねられたものは必然と思いつつ、感情はそれを納得させない。つらい。とにかくつらい。他に言葉はない。 最近読んだ良かった小説 青山美智子『月の立つ林で』『赤と青のエスキース』  青山美智子さんには本当にハマった。勧めてくれた担当編集者に感謝

        • コロナと一番好きな夏の曲

           コロナウィルスに罹患した。八月の初頭。三年ぶり二回目のことだった。三十九度を超えた熱が出て、ただ高熱というわけではなく「苦痛」としか表現できない状態になった。丸二日はベッドから動けずひたすら唸っていた。トイレに行くのも億劫だった。食欲はあったのだけれど、食事を用意するのが苦痛なのでなにも食べなかった。咳はあったものの幸い喉の痛みはなかったので水はよく飲んだ。ただ夏場で発汗著しいこともあり、水だけでは血中ナトリウムが危険のように思えたので、ちょくちょく塩を舐めていた。自分は家

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        これまでの仕事まとめ

          去年の冬に死んだ友達の話

          ※注意 本記事は自殺についての記述があります。  十二歳ごろから二十年近くほぼ毎年紅白歌合戦を欠かさず観ていたのだけど、去年は年の瀬に友人が自裁して亡くなったことで落ち込んでとても観る気が起きず、夜更けまで平時から使っているコワーキングスペースで文芸誌に向けた小説を書いていた。  原則的には、自分は紅白歌合戦の音楽性よりあの共感性羞恥を煽るような滑稽な演出を優先するあり様を、現代日本社会の表象の定点観測として愛好しているのだが、気分が落ち込んでるときにはとても見れたものでは

          去年の冬に死んだ友達の話

          日記7/16

           ちょっと前にYouTubeをブラブラしてると見かけた歌い手で十七歳の高校生が(なにしろタイトルの年齢をクレジットしている)【五周年記念】という動画をアップロードしていた。いま高校三年生らしいので中一からその名義で投稿を始めたのだろう。Adoが活動を始めたのもそれくらいだった気がする。『中学生〇人で歌ってみた』という動画もアップしていた。近作では『スタッフ』という言葉や、グッズを作ったりしてるので第二第三のAdoになっていくのかもしれない。YouTubeには夢がある。一応自分

          ダンカンの痛手が一晩中領域展開

          ※呪術廻戦の本誌ネタバレが途中であります。  池袋の新文芸坐でビーたけ(ランジャタイオマージュの呼称)の『その男、凶暴につき』と『3-4x10月』を観た。十代半ばで観た以来。初見では一気に観ていた『ソナチネ』や『キッズ・リターン』、あと個人的にはベストの『あの夏、いちばん静かな海』などの印象が強く、正直どちらもあまり印象に残ってなかったのですが、改めて観ると蓮實重彦がアウトレイジビヨンドで刑務所から出所したビーたけの迎えで白竜が出てくるシーンで「溢れ出る涙を押し留めることが

          ダンカンの痛手が一晩中領域展開

          近況いろいろ

           コーマック・マッカーシーが死んだ。自分としては同時代に生きていた作家のなかでもっとも偉大な存在だったと思う。以下、思うことつらつら書いてたけどぜんぜん上手くまとまってないので、一番最後に添えておきます。 『違国日記』が完結した。あまりに素晴らしいラストだった。ヤマシタトモコさんは本当に「言葉の力」を信じているのだろうなと思った。だからこそ、同時にそれが暴力に繋がることも深いレベルで描けるのかもしれない。  ジュリーのライブに行った。前に大阪ドームで観たとき以来、もう十年

          近況いろいろ