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海外旅行のこれから - 中国

先日、アウトバウンド促進協議会(JOTC)が主催する、

オンラインセミナーに出席しました。


ポスト・コロナ時代の海外旅行がどうなるか?

というテーマでのセミナーです。

各国・各地域の政府観光局の方々が、

各地の現況や、今後の旅行客受け入れの体制

また、New Normal 時代の旅行テーマや旅行素材などを

紹介してくれました。


この記事では、中国についてまとめていきます。


中国の観光状況(6/3付)

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5/1より、故宮博物院、万里の長城、兵馬俑など

70%以上の観光地が再開しています。


旅行客向けに取られている対策としては、

・各施設の定員に対して、3割までの入場に人数を制限する

・オンラインでの事前入場予約を必須として、人数をコントロールする

・入場時に検温を義務づける

・見学ルートを指定(一方通行化)するなど、ソーシャルディスタンスを守る

・外国からの旅行客には、入国時に健康証明を求める

・そして証明をQRコード化し、入場時にチェックする

・屋外の観光地を増やす、整備する

・風通しの良いレストランを厳選する

・公共交通機関は使用せず、専用車での移動を促進する

などが挙げられます。


中国の例に見る 「これからの旅行形態」

中国では、ポストコロナに向けて、すでに旅行形態が変わり始めています。

その事例を紹介していきます。


1. 脱・旅行代理店と非消費旅行

中国には、日本のゴールデンウィークと同じように、

「黄金週」という連休があります。


雲南省の大理の統計によると、

昨年(2019年)の黄金週の観光客は81万人で、

今年(2020年)の観光客は45万人と、

大幅に減少しているものの、

半数以上まで戻ってきています。


ただし、昨年との大きな違いは、

・観光客自身がネットで予約し、旅行代理店を通さない

・公共交通機関を使わず、自家用車で移動する

・現地で買い物や宴会をしないため、観光地での消費がない

点にあります。


脱・旅行代理店、そして現地では非消費の旅行が傾向としてみられます。


旅行代理店にとっては存在意義にかかわりますし、

観光地でも、食事処や宿泊施設、土産店などにお金が落ちないので、

たいへんな問題です。


2. オンラインの旅行関連サービスの充実、加速

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これは上記の脱・旅行代理店ともかかわりますが、

個人での旅行手配をよりかんたんにしていくのは、

オンラインの旅行予約サービスの充実です。


すでに多く存在していますが、

航空便、ホテル、レストラン、フェリー、列車などの

予約サービスはますます加速していくと思われます。


あわせて、観光地ごとのタイムリーな情報

オンラインで入手できるようになっていくと思われます。


感染者の発生状況やそれに伴う開館/閉館情報など、

タイムリーに知ることができるようになるでしょう。


3. クラウド旅行時代の到来

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外出しなくても、

旅行気分を感じられる、各地の観光を楽しめる

というサービスも増えていくでしょう。


一例として紹介されたのは、

成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地のライブ配信です。

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今後は、「5G+4K+VRによるパンダ実況中継」を目指していくそうです。


これは余談ですが、

5G+4K+VRのクラウド旅行て、夢がありますよね。


長時間歩くのが難しいご高齢の方、

小さいお子さんがいる家庭、

仕事が忙しくて長期の休暇がとれない方、など。


例をあげればキリがありませんが、

そういった海外旅行が難しい方たちが、5G+4K+VRの技術を使って、

モン・サン・ミッシェル、カプリ島の青の洞窟、クリスマス・マーケット、

ピラミッド、ペトラ、マチュピチュ、莫高窟、

サバンナのサファリ、イグアスの滝

などを体感できたら素晴らしいですよね。


4. とはいえすべてがクラウド旅行になるわけではない

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上ではクラウド旅行を称賛していますが、

一方で、リアルにはかなわないというのも事実です。


すべての旅行がクラウドに取って代わるということはないでしょう。


中国のポストコロナの見通しとして、

2020年10月の国慶節には、個人〜10人以内の人数による国内観光の回復、

2021年2月12日からの春節には、海外を含めた旅行の再ブーム

を期待しているそうです。


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