息子の高校受験と母親ごっこ
気がつけば息子の受験だった
息子の高校受験にくっついて行くのが楽しい。
千葉、埼玉、東京と前泊もした。ホテルでは、
一緒に『さんま御殿』とか観て盛り上がった(うちにはテレビがない)。
幸い息子はこの1年も穏やかで、受験前日も鼻歌を歌いながらシャワーを浴びるほど、いわゆるピリピリした雰囲気とは無縁。
私も他人事みたいに何もしていなかった。
実は一度、息子と小さなことで言い合いになったとき、
と言われたことがあり、図星過ぎて傷ついたこともある…
(その後、息子は「自主性に任せる系だよね。よかったと思う」と言い直してくれた)
そんな感じで、受験生の母親らしいことは何もしないまま、ここにきて出番。私は急に母親ぶっている。
お弁当を作って、受験について行くという母親感がたまらない。
ということで、それも楽しくやっている。
日本帰国後の3年間の変化
息子は小4から中1まで、ニューヨークのインターナショナル・スクールで過ごした。
夫のニューヨーク赴任が決まった当時、小学生オセロ大会に出ていた息子は、オセロ部が強い私立中学への受験に興味を持ち始めていた。だから、ニューヨークに向かう直前、息子は「日本の中学に行きたかったのに!」と泣いた。
ニューヨークでは「とにかく、ここの生活を楽しもう」と、日本の勉強は手放した。結果的に、ニューヨーク生活を満喫できて、とても良かったと思う。
そして、中1の夏に東京へ帰国。近くの公立中学に通い始めた。
そこでも、「まずは学校の勉強に慣れよう」という感じだったけれど、定期テストが何かもわからず、最初の成績は酷かった。
数学は得意だけれど、まともな日本語は3年間ほぼ読んでいない。地理は好きだけれど、日本史は学んだことがない。という状態。
加えて当時はゲームにもハマっていた。学校以外のすべての時間をゲームに注ぐこと7カ月。私は正直、「お勉強の道からは外れたね」と思った。
ところが中2になって、本人が「ゲームをやめて勉強したいから、PCを処分する」と言い出した。PCにサヨナラして、塾に入った。
その頃、息子には新たに気になる学校が出てきていた。
初めての模試で、ひっそり志望校欄にその高校を書いたら、合格率20%。もちろん本人も自分がそのレベルではない自覚はあって「書くのも恥ずかしかった」と。
それから1年半あまり。
塾では、二つある「下」のクラスから、数ヶ月で「上」のクラスに上がり。
中3になると、さらにもう一つ「少数精鋭クラスを新設」というお知らせのプリントをもらってきた。
プリントの端には、「君のような子のためのクラスです」という先生の手紙きメモがあり、感動した。
かつて「合格率20%」と出た高校の名前を冠した7名のクラス。
その後も息子は日々、図書館に行ったり、区の自習室に行ったり、自主的に勉強。
こうして憧れの高校を受験するレベルに達したことが、本当にすごいと思う。
この間、私は「すごいね」「さすが」「尊敬する」を連呼するだけで、何も手伝っていない。
その賞賛すら、息子に「妹の前で、ボクを褒めないで!(妹がかわいそう)」と怒られた。
そして「受験生の母ごっこ」は終了
そして冒頭で書いたように、先月から本番の日だけ受験生ママっぽいことをさせてもらっている。
先日は一緒に会場に向かいながら、
と伝えた。
アメリカのママたちが良く口にする、
I'm proud of you!!
って、こういう時に使うんだと思う。
そして最後の受験日、校門前の出待ち。
「これが最後のお迎え」と思って、校舎から出てきた息子に派手に手を振ると、苦笑いされた。
そんな会話が楽しい。
でも、もうは子育ては終わってしまった気がする。この先、出待ちをすることもないだろう。
楽しい”受験生の母親ごっこ”をさせてくれてありがとう。
I'm proud of you!!
珍しく母親モードのインタビュア&ライターなまず美紀でした。
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