ベストオブ昼食を考える

昼食をどうするか...
昼食を食べるか否かという事を棚にあげれば、誰もが1度は抱えたことがある問題である。今回は外食に的を絞って、最も昼食に適した食事は何か考えていきたい。

昼食の役割を考える

何事も、順位を考えるのであればそれが持つ意味・役割を考えなければならない。まず、"昼食の意味・役割"を考えるとしよう。

時間を考える
昼食の時間を考える際に思うことは、どのようなことだろうか。それは、「何となく1時間のうちに済むようにしなくては」ということではないだろうか。
これは、いわば小学校から高校生までの経験で打ち込まれた"楔"ともいえる記憶である。そう、"昼休み"である。大学生になって多少時間に余裕ができ、「関係ねぇ、食いてぇ時間に食うのが至高やろがい」と心に思ったとしても、1時間以上かけようと思うと、食べたいものを食べたとしても、これがなかなか難しい。なんだかソワソワして、さっと済ましてしまう。さらに言えば、大学を卒業し、社会人になると、嫌が応にも"昼休みがある生活"に矯正される。
つまり、ここで重要になってくるのは食事の"手軽さ"である。
多少同僚や同輩と話しながら食べたとしても、1時間あれば食べきれる。何なら1時間もいらない。余った時間はスマホをいじるなり、仲間と雑談するなりの時間に充てよう。出された食事を見たとき、そう思えるような食事が昼食として好ましい食事なのである。

量と質を考える
まず、量について考える。
これは、時間について考えたことを踏まえれば、それほど難しい話ではない。料理の注文から提供、完食まで1時間で済ますことを考えれば、それほどの量にはならない。また、昼食後も活動するのだから、満腹になるのは好ましくない。事務作業をするにせよ、運動をするにせよ、眠気の誘発や活発な運動への妨害といった望ましくないことが起こる。
まぁ、幅を広く持っても、腹6~8分目程度が適切という結果が妥当であろう。
次に、質について考える。
これが少々難しい。もちろん、自分が食べるものであるのだから、うまければうまいほど良い。しかし、ここではいわば"昼食と夕食の質のバランス"問題が発生する。

"昼食と夕食の質のバランス"問題
朝食については考えなくて良い。朝食にステーキ、シチュー、カレーなどを食す輩はそう多くはない。これを見て、「は?余裕で食うが?」と思ったあなたは少数派だと自覚してくれ。健康的で大変よろしい。
さて、話を戻そう。昼食と夕食の質のバランスである。これは一概に決定することは難しい。センシティブな問題である。私は断然、夕食に重きを置いているが、昼食としてステーキ、ハンバーグなどの比較的質の高い(しっかりとした)食事が人気であることは事実である。また、本当かどうか定かではないが、昼食をしっかり食べて、夕食は少なめの方が健康にいいと聞く。しかしながら、ここでは、私の嗜好に合わせて、夕食の方が質が高い方が良いという方向で、話を進めていく。昼食高品質派・健康重視派の皆々様の怒りは最もだが、どうか拳を振り上げないで欲しい。

ベストオブ昼食は何か

さて、やっと本題に入る。長いよ、前提が。奇跡的にこのページを開いた人間の内9割は、前提の話の長さにうんざりして、ここまで読むことなくブラウザバックした事だろう。今、この文章を読んでいるあなたは残りの1割だ。おめでとう。ありがとう。
結論から述べよう。私が考えたベストオブ昼食は炒飯である。
がっかりしたのはわかるが、一応、私なりの論理展開はある。このページを開いた人間の9割が消えた中、ここまで読んだのだ。もう少し耐えていただきたい。

覇者としての麺類、皇帝としての定食類

ベストオブ昼食というタイトルを見た時、多くの人が、どうせラーメンだろう、と思ったのではないだろうか。気持ちはよくわかる。前提として挙げた昼食としての役割をしっかりと果たしているし、さらに言えば、値段もそこまで高くない。はずれの店が少なければ、味や種類も豊富である。もはや覇者である。もう、ラーメンでいいじゃん。ラーメンというレーベルの在り来り感が、どうしても嫌なら、うどんとか蕎麦とか有るじゃん。
これは定食類にも当てはまることである。レバニラ定食、生姜焼き定食など多種多様のものがある。とりあえず定食系食っとけば間違いないじゃん。皇帝かよ。
さて、ここまでニュアンス全開で書いていれば、はっきりとわかると思うが、私は彼らを高く評価してはいるものの、ベストオブ昼食であると考えてはいない。上記した通り、昼食の役割を全うするだけならば麺類・定食類は最強である。では、何が彼らの足を引っ張っているのか。それは、特徴・特異性の無さである。

一位としての特徴・特異性

あなたの中の様々なベストとその理由を考えてほしい。
一番好きなバンドはあのバンドだよ。あのバンドはこういう曲調が独特で、それが好きなんだ。
一番好きな映画はこれです。全体の臨場感、他では見れないような、どんでん返しがいいんです~。
こういった様な結論が出ないだろうか。一位になるものは、自分の中で、他とは違うと感じる何かがある。二位以下は、好みではあるけれど、どこか一位と比べるとパンチが弱い。つまり、一位の座を勝ち取るものは、それぞれの個性、好みとマッチした特徴・特異性を持つものになるのである。これが麺類・定食類には足りないのだ。

食事としての特徴・特異性

ベストオブ朝食は何か。これを考えたときに思い浮かぶのは、パン系、ごはん系、コーンフレーク、その他(ヨーグルト、スムージー、果物など)の4種類程度の分類ではないだろうか。ごはん系の食事で、しっかり食べるか、軽く済ませるか、おにぎりにしてしまうかなど多少の違いはあるものの、ベストオブ朝食はベストオブ昼食よりも、圧倒的に選択肢が少ないように感じる。私は、これは朝食におけるパン系の食事、ごはん系の食事、コーンフレークの、特徴・特異性が非常に大きいためであると考えた。では、3つの共通事項は何か。それは、
朝食における、パン系の食事、ごはん系の食事、コーンフレークは、朝食として出される分には丁度良いが、 "他の食事の時間" に出して欲しくはない。
ということなのである。彼らは、この要素が非常に強いだけでなく、度合いがそれぞれで拮抗している。朝食における、パン系の食事、ごはん系の食事、コーンフレークは、いずれも昼食、夕食になるべく出して欲しくない。
M1王者のネタを借りるなら、
「オカンが言うには、晩御飯に出てきても全然いいっちゅうことやねん」
「ほな、コーンフレークちゃうやないかい」
ということなのである。
これは言い換えると、昼食、夕食とほぼ被らない食事内容であるといえる。私はこれに着目した。朝食、夕食と被らないことが特徴・特異性となり、対象を、昼食として優秀な存在からベストオブ昼食に押し上げると考えたのだ。

覇者と皇帝を下すジョーカー

ここまで説明すれば、私がなぜ麺類・定食類に特徴・特異性が足りないと言ったのか、大方理解していただけたと思う。彼らは覇者・皇帝であるが故に、夕食でも大活躍してしまう。麺類に至っては夜食としてもポイントが高い。「ほな、ラーメンちゃうやないかい」とは、とても思えない。さらに言えば、これは、夕食(夜食)と昼食が被るリスクを背負うことにも繋がる。一位は完璧であってほしい。そう思うのは私だけではないはずだ。
では、覇者と皇帝を下すジョーカー、つまり、昼食としての役割を全うしたうえで、特徴・特異性がある食事は何か。ここで炒飯に繋がる。昼食としての役割を全うするうえに、あまり他の食事には適さないと感じる。無論、炒飯以外にも、これに当てはまる食事は存在する。ざるそばや冷やし中華などが代表例だろう。しかし、お察しの通り、これらには適した季節がある。冬に食べても良いが、どこか魅力に欠けるように見えてしまう。やはり、ベストを名乗るのであれば、一年中魅力的でなくてはならない。さらに、決定打となる重要項目がある。これはある意味、先に挙げた昼食としての役割以上に重要となる。それは、取り扱う店舗の多さである。当たり前だが、食べたいときに食べられなければ、"近くに店がなければ"意味がない。本当の意味で言えば、取り扱う店舗が少なくても、素晴らしければ、それがベストオブ昼食になるのかもしれないが、食事の質を考えたときに、昼食にそこまで手間をかけるべきではない、という結論に至ってしまう。利便性の方が重要になってくる。中華飯店は非常に多い。これについてもクリアしている。やはり、ベストオブ昼食は炒飯なのである。

あとがき

書きながらすでに感じていたことだが、非常に穴の多い論理である。おまえの好みじゃねーか。いい加減にしろ。その通りである。私は自分の間違いを認められる男になりたい。極端な話、私が、夕食に炒飯が出ない世界に生きているだけであって、2日に1回夕食で炒飯を食べている人だっているかもしれない。そもそも、炒飯と同じ基準をクリアしているものはいくつかある。ハンバーガーとか。ここからの選択は、完全に私の好みである。おまえらの好みなぞ、知るか。好きなもん食え。
さて、元も子もないことを言ってしまったが、一応、最後に言っておく。これは私が感じたこと、思ったことであって、強要でも何でもない。皆様には、ぜひ、朝食にステーキを食べ、夕食にコーンフレークを食べていただきたい。私は心からそう思っている。


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