旅に出たい - 長距離フェリーの旅
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北海道が好きで,結局11年間あちらに住むことになったのだけど・・・
ともあれ最初の旅で使ったのは,当時の国鉄の夜行急行列車「きたぐに」だった.たしか大阪から青森までが20時間だったかな.
それが車に乗るようになって,もっぱらフェリーを利用するようになった.
当時は新日本海フェリーの舞鶴~小樽航路をよく利用した.日付が変わる直前の深夜11時半頃に舞鶴を出港.翌日は終日船の中で過ごし,その次の日の早朝,小樽港に着く.都合30時間ほどの航海.
小樽から舞鶴に向かう便は朝10時に出港.翌日の夕方に舞鶴に着いていた.
ところで最初はその長い時間が,少し憂鬱に感じられたのだ.けれど何度か乗るうちに,すごく贅沢な時間だと思えるようになった.
船内のホールで上映される映画を見る.風呂にゆっくり浸かる.甲板に出てボーと海を眺める.するとときおりイルカのジャンプを見ることができたりする.また日本海に沈んでいく夕日は,言葉で言い表せないくらい感動的な光景だ.
そして疲れたら大広間(2等船室)で好きなだけ眠る.そんなことをしていたらあっという間に到着する.日常では味わえない濃い時間が,そこにはあったんだと思う.
幸い荒天の航海に出会ったことがない.いつも穏やかなうちに船旅を終えていた.そんな記憶ばかりだ.きっと海の神様が味方してくれていたのだろう.
けれどさすがに夏休みの時期は乗客で一杯になる.2等船室はカーペットの上に雑魚寝なので,それこそ足の踏み場もないような状態になる.そんな経験も一度きりだったが,今思い出してもあれは辛かった.
さて舞鶴~小樽の他に敦賀~小樽航路や新潟~小樽,また苫小牧~秋田航路.その他には東日本海フェリーの今はなき直江津~岩内航路.
太平洋フェリーの苫小牧~仙台~名古屋に乗船したのは,知人の車を札幌から静岡県内まで運んだ時だったか.
実に多くの回数,フェリーを利用しているのに驚く.
そんな長距離フェリーの旅も,2005年6月に新潟から小樽へ渡ったのが最後になった.その翌年には16年間乗り続けた愛車を手放している.
最近はもっぱら飛行機ばかり,それもLCC(笑).まあこれはこれで旅の醍醐味は十分味わうことができるのだが.
またフェリーにしても今では高速船を就航させて,たとえば舞鶴を深夜に出ても,翌日の夜には小樽に着くという,なんと21時間程度にまで短縮されているらしいから驚く.そんなに急がなくてもいいものをと思うのはオレだけだろうか?
いやまったく船の旅は人生の宝みたいだ.時間的に余裕があるのであれば,いや少々無理をしても時間的余裕を作って,ぜひ経験しておくことをお勧めしたい.Have a nice voyage!
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