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写真漂流 - カメラバッグ考(2)

shot with SIGMA dp0 Quattro
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写真撮影にまつわる様々な機材.その中で一番購入に迷うのはカメラバッグではないかと思う.

選択の基準として,まずバックパックあるいはショルダー等の形態.重量,材質,容量,耐久性,ポケットの数と配置,ベルトの具合,そしてその価格.非常に気になる要素が多いのだ.

あくまでも私の想像だが,世界中で販売されているカメラバッグは,サイズの大小を考慮すれば,軽く1万点以上はあるのではないか.だからこの日本に住んでいて,それらすべてを確認することはとても無理だ.

だから普通は,ヨドバシカメラのようなショップで実物を見て選ぶことになるだろう.

だがしかしなかなか気に入ったものに出会えない.もう少しポケットが工夫されていれば,ベルトの幅が広ければ,蓋の留具の操作性が良ければ・・・そんなことが次々に頭に浮かび,とても簡単に決められるものではない.

それと並行して重要なことがある.

若くて体力があれば,10キロから20キロの機材を詰めたバッグでも持ち運べるだろうが,40代,50代,そして私のような60代なかばになれば,欲張りは命取りになる(笑).

つまり歳を取ってくると,どうしても機材は最小限にまとめなければ体力が追いつかない.悲しい現実ではあるが,これだけは避けて通ることができない.

よってカメラバッグひとつに対する要求が,以前にもまして強くなるのだ.

ところで私40代から50代にかけて,近郊の撮影にはショルダー形式のバッグを,遠方へ出かけて長いトレイルを歩いて撮影する場合は,主にバックパックを愛用していた.

しかしいつしかそんな山奥に出かけることもなくなり,一日の行程も頑張って10キロくらいになってしまった.そして一時は総重量15キロほどもあったカメラバッグも,今や持ち運べるのは数キロがやっとの状態.

もちろん持参するカメラやレンズ,アクセサリーの類も減ってしまっている.一眼レフなど怖くてとても持っていけない(笑).最近使用頻度が高くなっているのはソニーの1型のRX0だが,ここまで落ちてしまった現実.自分ながらに悲しい(T_T)

シグマのdpも使っているではないかと言われそうだが,昨今は自宅から持ち出していない.主に雲の撮影専用となっている.

ところで4月に書いたこんな記事がある.

  写真漂流 - カメラバッグ考

ここにはドンケのバッグに対する愛を込めたつもりだ(少し怪しいw).

あれこれ迷ってカメラバッグを探すより,自分のセンスに合ったメーカーとそこから生まれるエルゴノミクスを気に入れば,それは自ずと自分の撮影スタイルに合致するのではないか.結果としてそれがドンケだったということだ.

私はドンケの製品のすべてを知るわけではないけれど,特徴としては帆布製であること,適度な重量,高い耐久性,シンプルな形態.特に好きな点を上げれば,上面の蓋(カバー)の留具が1箇所である点だ.カジュアル性が高いところも,普段使いには適していると思う.

そして大は小を兼ねると言うけれど,最近は4月の記事に書いたように小型のドンケF-10オンリーだ.これにハウジング入りのRX0とスマホ,少々のアクセサリーを入れて街へ繰り出す.もう以前のようにシグマのdpを2台とか,考えようともしない.

日常使っている DOMKE F-10 チョコレートカラー

撮りたいものではなく,自分の身体のスペックに合わせてカメラを決める.そのカメラで撮れるものだけを持ち帰る.だからこのバッグで今は十分なのだ.これを右肩から左へたすき掛けして,街をさっそうと闊歩する(つもり).それで満足している自分がいる.

しかしそうは言ってもカメラバッグのことを(いやそれ以外の備品のことも),あれこれ考えて空想?を巡らすのはとても楽しい.それ自体が写真を生み出すエネルギーにもなりうるし.

だが写真家も人間.結局いつかは,これだけあれば自分には十分だ,という時が来る.ああいったい最後には何が残るんだろうな.今はまだ考えたくないけれど(笑).

最後に言っておこう.

『カメラバッグの中には,写真家の世界が凝縮されている』

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