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貧乏父さん貧鈍兄さん

生活が苦しくなるとわかっているのにギャンブルに使ってしまう人がいる。
貧乏な人が借金をしてギャンブルをして更に貧乏になると言う事がよくある。側から見れば非常に頭の悪い行動だ。

破綻寸前まで行ってもギャンブルをしてしまうのは冷静な判断が出来てないからだろう。
冷静に考えれば残り少ないお金を一か八かで増やそうとするのは合理的ではない事だ。
これは単純に依存症になってるからと言うだけでもないと思う。

ハーバード大学の研究によると経済状態が困難になると頭が心配事でいっぱいになり、正常な判断能力が鈍ってIQが低下することが判明したらしい。
つまり「頭が悪いから貧乏になる」のではなく「貧乏が頭を悪くする」という事だ。

昔からあることわざで「貧すれば鈍する」という言葉がある。
人は貧乏になると、利口な人でも才気や高潔さが失われて愚かになるという、まさにそれを表した言葉だ。
もちろん貧しさに負けず高潔に生きている人もたくさんいると思うが。

子供の頃、自分の家はあまり裕福ではなかったのだが、父親は元々裕福で良い環境の家庭で育った為か、常識や倫理観は割とちゃんと教えてくれていたと思う。
そのおかげでどんなに貧乏に追い詰められても犯罪を犯してまでお金を手に入れようと思わない人間に育つ事が出来た。
ただ、父親は犯罪にこそ手を染めなかったが、ギャンブル好きで絵に描いたように落ちて行き「貧すれば鈍する」を反面教師として自分に見せてくれた。

また、昔の知り合いでも「貧すれば鈍する」を見せてくれた人がいた。
出会った頃の彼は、裕福な家庭に育ち、妻と子供を持ち、マイホームまで手に入れてと順風満帆にやっていたように見えた。
ある時、ひょんな事から新しい家庭を持ち、元妻への慰謝料と子供への養育費を払うために貧乏へと転落してしまった。
彼はお金がなくなり、父親に金を借りに行った時に「貧すれば鈍する」にだけにはならないように気を付けろと言われたそうだ。
しかし彼は父親の忠告虚しく、自分が経営していた会社の業績が不振になった時、一緒に経営していた友人を裏切ってさっさと逃げてしまった。

テレビやニュースで報道される容疑者の多くが「住所不定無職」というのは偶然ではないと思う。多くの事件の根底には貧困が関わっているのだと思う。

自分は「貧」する事が多いが、元が裕福ではないので「鈍」する事は少ないと思う。
たまに「鈍」してるかなぁと感じる事もあるが、それに気がつく事が重要なのではないだろうか。

今のこのご時世「貧すれば鈍する」と言う言葉は生きていく上で大切な教訓なのかもしれない。

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