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『トーク・トゥー・ミー』の海外評にみるアンチ耐性

『トーク・トゥー・ミー』を観て、海外評をチラチラと読み始めた。海外でもポスター問題はあるらしく、IMDBに掲載されているいくつかのポスターのうち、ひとつが非常に80年代的であるものの、「作品の本質ではない」または「ネタバレに該当する」として海外コミュニティRedditで議論されていた。

鑑賞後ならこのポスターは「ああ、確かに」と思うものの、鑑賞前はあんまり気にしなくて良いんじゃないかな?程度。
そもそもこのポスターはファンゴリアの最新ISSUEにも使われているので、IMDBに載っちゃうのは仕方ねぇだろ!と。

結局、当該のスレッドは「このポスターはモダンホラーとしては相応しくない」に落ち着き、あとは『トーク・トゥー・ミー』が好きか嫌いかの議論にさらに飛躍してA24が配給/制作のホラー映画の優劣について会話へと展開していった。

『トーク・トゥー・ミー』の感想はA24だからと盲目的に褒めちぎる人もいれば、冷静に分析した上で優れているという人、逆張り的に「YouTuberが撮ったゴミがA24の名前でブーストされているだけ」とか「面白いけど新しいものは何もない」等々、楽しい言い合いが繰り広げられていた。

それでもこの人たちは、建設的で「自分はこう思った」が基本姿勢。「お前バカだなあ」とはほぼ言わないのだ。モデレーションの関係もあるのだろうけど。

なかでも争いごとに発展しそうなツリーで交わされた言葉

「僕は怖がれなかったけど、君が怖がってくれて良かった。」となんで言えないの?

が、めちゃくちゃ印象的だった。「ああ、だよね」と。『ミッドサマー』はPV覇権を狙っていろいろな論評が出たんだけど「○○さんの論評以外認めない」という人々が多く、嫌になっちゃったんだけど、こういう言い方はいいなあと。そんなワケで、Redditはそれなりに荒れる場所ではあるけど、結構いいじゃん!と思ったのでした。

で、オレの観た感想なんだけど、現時点では過大広告だとは思う。すっごい小品なんですよこれ
ぶっちゃけトワイライト・ゾーンとかアウターゾーン(世にも奇妙な~よりは金がかかっている)の一話レベル。しかしながら90分も引っ張れるのは脚本の技なんだろうと。具体性よりも直情、直感的な表現とプロットは、Neon、IFC、XYZあたりがよく買い付ける作品に近い。


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