「ゆるく楽しく働く」と「儲けて厳しく働く」のどちらを選ぶべきか

3月になってしまいましたが、2月会議のご報告です。

2月会議では我々の組合にしては珍しく真剣に売り上げ分析を行いました。ゆるゆるの団体のため、これまで売り上げ分析はあまりしてきませんでした。

※余談になりますが、この1年の実践は家賃+αの収益くらいはゆるゆる協同経営でも出せるというひとつの証明にはなるかと思います。

さて本題に入ります。
売り上げ分析の中で「もっと売り上げを伸ばしていこう」という意見が出て、ここから議論が活発化しました。大きくは「売り上げを伸ばす努力をしたい」と「そこは努力しなくてもいいのでは(=現状維持)」という二つの意見に分かれました。

今よりも売り上げを伸ばそうとすると、これまでのゆるゆる経営が大なり小なり変化する可能性があります。その点について「ノルマを課すようになったらギスギスした会社のようになる」「これまでと関係性が変わってしまう」というような点から現状維持を支持する声がありました。

これはたとえとしては、「2回戦、3回戦で負けても仲間と楽しい思い出が出来ればいい公立高校の野球部」と「甲子園出場、甲子園優勝を目指す私立高校の野球部」のどちらが幸せか、楽しいのかという事に近いのかもしれません。この二つの幸福は全くの別物です。バスケ漫画の金字塔スラムダンクで、公立高校で全国制覇を目指し、スパルタ練習を強い、仲間に怒号の飛ばしていた赤城は「お前とバスケするのは息苦しいよ」と同級生からはガン嫌われしてしまいました。

もちろん、良いとこどりで「公立高校のようにわいわい楽しくやって甲子園出場」(=ゆるゆるでやって大儲け)できれば理想です。しかし、世の中はそんなに甘くはありません。大きな収益を出したかったら体を使い、頭を使い、意識高く切磋琢磨しないと難しいでしょう。

ここでは、話を簡略化して「厳しくやって儲けを出す」と「楽しく働く」の二つにわけました。しかし、現実的にはそのいずれかということはなく、中間も当然あります。それはバランスを取りながらさじ加減で自分たちで決めることができます。

これは決めることができるという自由があるだけでなく、自分たちで「決めなくてはいけない」という責任があるということにもなります。協同労働は一人一人が労働者であるだけでなく経営者だからです。各々がこの仕事をどう展開していくのかを選択していかなければなりません。

これまではなかなか真剣に話し合うことがなかった議題ですが、当面はこのバランス調整が続くかもしれません。そしてそれは、私たちが働く上で何を幸せとしてデザインするのかという事に関わります。「楽しい仲間」なのか「収益」なのか、両方を取りつつその割合を調整するのか、あるいは別の何かなのか。検証の日々が続きそうです。

文責 菅谷圭祐

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