PCケースについて語る。【第一話】PCケースの種類
まずはPCケースにはどのような種類があるのかを紹介しよう。
ベーシックなものからかなり異質なものまでたくさんの種類があるPCケース。ここではある程度メジャーなものに絞って紹介していく。
1,大きく分けて2つあるPCケース
PCケースって名前なんだからPCが入っている箱であることは間違いないのですが、ここでは大きく2つに分けたい。
まずひとつはボックスタイプ
ボックスタイプ
デスクトップPCと聞いてほとんどの人が思い浮かべる形状をしているヤツ。
メリット
ホコリの侵入が少なめ。
エアフローを作ることができる。
ケースファンなどの音がある程度遮断される。
デメリット
パーツの交換がやや手間
エアフローをしっかりしないと熱がこもりやすい。
そしてもう一つがオープンフレームタイプ
オープンフレームタイプ
その名の通り、箱の形状をしておらず、中のパーツを直接手で触れてしまうタイプのものでベンチ台なんて呼ばれるものもある。
メリット
パーツの取り外しやメンテナンスが楽。
熱がこもりにくい
デメリット
ホコリがたまりやすい。
物を落としたり手を近付けたとき破損したりけがをする可能性がある。
ケースファンなどの音がそのまま聞こえる。
ボックスのような形をしているけどタイプ的にはオープンフレームといったケースもありますが基本的にはこのどちらか。
2,マザーボードの取り付け方によって変わるケース内部
PCケースの中にあるマザーボードがどのようにして取り付けられているかを想像してみてほしい。
ほとんどの人が縦に取り付いている姿を想像すると思う。
このほかにもいろいろな取り付け方をしているケースがあるので代表的なものを紹介しよう。
基本的な知識として押さえてほしいことが2つある。
PCパーツの三大熱源はグラフィックボード、CPU、電源
暖かい空気は上方向に移動する。
以上を踏まえて見ていこう。
90度回転型
USBなどを差し込むマザーボードのパネルが上側、もしくは下側になるケース。下側はケースを持ち上げて差し込む必要があるため比較的軽いITXケースに多い。
メリットは
重量物であるグラフィックボードを吊るすような形にできるので接続端子への負担が軽くなる。
エアフローを下から上方向へ作ったときに遮るものがない。
180度回転型
マザーボードを180度回転させたケース。通常であれば上側にCPUが来るが180度回転させることでグラフィックボードが上に来る。
メリットは
最大の熱源であるグラフィックボードが一番上側に来るため排熱しやすくほかのパーツへの影響も少ない。
平置き型
マザーボードを地面と水平にして設置するタイプ。
メリットは
重量物のグラフィックボードをマザーボードが直接受ける形になるので接続端子への負担が少ない。
グラフィックボード、CPUともに上に遮るものがなく、前から後ろへエアフローを作れる。
全高が低い(がその分幅がでかい)
見てわかるようにどのケースもグラフィックボードの問題が解決できる設置方法であることがわかる。
世代が新しくなるごとにグラフィックボードは大きく、重く、熱くなっているのでマザーボードを回転させた倒立ケースは種類が増えていくかも?
このほかにも個性的なケースが多く存在しているのだがすべてを紹介するのは難しいのでこの辺にしておく。
3,電源の搭載スペースは下?上?それとも裏?
マザーボードと同じく取り付け方でケース内部の構造が大きく変わるパーツがある。それが電源だ。ATXが入るケースだと大きく分けて下電源と上電源と裏電源の3パターン存在している。
なおITXケースになると内部空間の関係上、電源の設置方法も多岐にわたるため詳細は省く。
下電源
マザーボードの下側に電源があるタイプ。一番スタンダード。
ケースによって電源部分を隠すためにシュラウドが付いていたり、窓が付いているケースもある。電源とグラフィックボードも近い。
ケース下部から吸引して裏側から排気するのが基本的なフロー。
最近になってグラフィックボードの爆熱化が進んでおり、電源の熱をグラフィックボードが吸ってしまって冷却力に影響が出るといわれていることもある。
上電源
マザーボードの上側に電源があるタイプ。
昔のPCケースやBTOケースによく見られた配置で、ケース内部の空気を一緒に吸って外側へ排気するフローが一般的。
下電源が主流になり上電源のケースはあまり出てなかったが、電源が上に行くことでグラフィックボードの下側から直接新鮮な空気を送り込めるようになるメリットがあるため最近また増え始めている。
ただしCPUの熱を直接吸い込むような形になるため注意。
裏電源
マザーボードの裏側に電源があるタイプ
ここ数年でかなり種類が増えてきている配置でデュアルチャンバーケースとも呼ばれている。裏側から吸って背面側に排気するフロー。
マザーボードを壁にしてCPUとグラフィックボードの部屋と電源やストレージの部屋の2つに分割されている構造で熱源を分離できるのが大きなメリット。ただしケースの幅は大きくなる。
どの配置にもメリットデメリットがあるため1番はコレ!というものはないが、グラフィックボードがハイスペックならば上電源や裏電源がおすすめ。
このケースはどこに電源が収まっているのかと考えながら見るのも面白いかもしれない。
4,重量級グラボの救世主!?縦置きができるケース
グラフィックボードの重量はマザーボードによってもPCケースにとっても頭の痛い話だ。
ケースメーカーも近年増え続ける重量対策でケースにいろいろ工夫を施している。
標準でステーが付いているケース
ケースに標準でステーが付属しており、内部に取り付けてグラフィックボードを支えるタイプ。
奥側に取り付けるものが多いが手前側からステーを取り付けるタイプもある。
見栄えも〇な縦置きできるケース
グラフィックボードを縦にすることができるケースは割と多い。特にフルタワークラスの大きなケースであればほとんど対応しているといっても過言ではない。
重量のあるグラフィックボードを縦にすることで端子部分への負担を減らすことができ、側面が透明パネルであれば魅せることもできるがデメリットも多い。
まずはライザーケーブルと呼ばれるマザーボードとグラフィックボードをつなぐためのケーブルが必要。そのケーブルを使用することでパフォーマンスがほんの少し下がる可能性があり、トラブルの原因にもなる。
ATXケースではほとんどの場合でオプション品扱いのため別途購入が必要。ケースによっては縦置きするためのブラケットもオプション品のため縦置きしたい場合はよく確認したほうが良い。
さらには側面のパネルとグラフィックボードのファンが近いとエアーを十分吸えなくなり、冷却ができないなる可能性もある。
デメリットも多いが流行りの『魅せるPC』にはもってこいの配置なのでTwitterなどに画像を投稿している人でも縦置きしている人は多い印象がある。
5,おわりに
ここまでご紹介したケースの種類はあくまでボックス型でATXケースによるあるタイプのみだ。
特にITXのケースは個性豊かなものが多く、ケースメーカーがどのようなコンセプトで作ったがよく感じられるので非常に面白い。
ニッチな部分ではあるのでどこか番外編として紹介できたらと思う。
次回はPCケースの選び方についてご紹介。
「ケースの種類がたくさんあるのはわかったけど何を基準に選べばええねん」という方はぜひお楽しみに!
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