国際esports連盟!?esports初心者が日本のesportsの土壌とネットメディアってとってもふわふわしてるんだなと今日感じた話。

今日TLに流れてきた記事について。
2行ぐらいつぶやいて済まそうと思ったんですが、2020年の目標の1つが"noteを書くこと"だったのを思い出したので、あえて長々と挑戦してみます。

今日数名のフォロワーさんから流れてきた記事がこちら↓
画像3

"日本esports促進協会という組織が、国際esports連盟なる組織の発足に代表として参加しました"というタイトルとなっています。

まずタイトルを見て、国際esports連盟と言えば、最近テンセントが何か発表してなかった?と自分の過去ツイを見返すと…やはり1ヶ月前に、テンセントのバックアップで"Global Esports Federation"、直訳でズバリ「国際esports連盟」が発足したというニュースがありました。

ああ、また謎の組織が乱立してマウントの取り合いをしているのか…と思って記事の中身を読み始めると、この新しい組織が発足した場にテンセントも参加したとのこと。ん…?テンセントは本来ライバルになるはずでは?

そもそも中国のTwitter微博でもこの件に関してまったく情報流れてきていないし、英語でGoogleさんに検索かけてもニュースがまったく引っかからない。情報はタイムラインに流れてきた記事だけ。

記事の写真を見るとどうやら謎の組織が発足した場が「西安国际电子竟技大会(西安国際電子競技大会)」のようなので、これで検索したら1件だけヒットしました。開催地西安のある中国鎮西省の地方メディア、鎮西新聞のネットニュースです。

珍しくGoogle翻訳がちゃんと仕事してるので、自動翻訳された冒頭を載せます。

画像1

この大会が西安の「テクノロジー+スポーツ+文化」産業の振興、及び国際化のために開かれたことがわかります。

もう少し細かく解説します。
最近中国では「一带一路」と銘打った、"昔のシルクロードで中国が賑わったように、ヨーロッパからアジアまでシルクロード沿いの国をつなげていろいろ経済盛り上げようぜ!"という国策が提唱されているのです。(詳しくはwikipedia参照)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%B8%AF%E4%B8%80%E8%B7%AF

大昔シルクロードの拠点として栄えた西安も、じゃあうちは頑張ってesportsもっと盛り上げるわ!ってなって開かれたのがこの大会。

ではここで発足したのは果たして「国際esports連盟」なのか。鎮西新聞の続きを原文で見てみましょう。画像2

"ブラジル、シンガポール、日本、ロシア、アゼルバイジャン、クロアチア、トルクメニスタン、ウクライナ、キルギス、ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタンなどのesports協会が集まって、「一帯一路」沿いの国が協力してesports産業を発展させるために「一帯一路国際電子競技協会連盟」を起ち上げた"

「一帯一路国際電子競技協会連盟」

これは…「国際esports連盟」と訳すことができるんでしょうか…?

私の個人的解釈でまとめると、この記事の出来事は
"中国の西安の地域振興のために招かれた人達が、今後も協力してメンバー増やしてこうね、と寄合を作りました!"
となるんですが…
この組織、「どこが本物の国際esports連盟になれるか競争」に加われないレベルだと思うのです。

更にびっくりしたのは、はじめにTwitterのタイムラインで目にした記事が、この大会に参加した団体が出した「プレスリリース」をネットメディアが1行も付け加えることなく「ニュース」としてそのまま流したものだったということ。だから参加団体が銘打った「国際esports連盟」という主張がそのままタイトルになって一人歩きしはじめたんですね。

そしてその「国際esports連盟」というタイトルを見ただけで、中身が確認されることなく記事がどんどん拡散されていく。

私はこの参加団体が悪だとは思いません。このふわふわした土壌にふわふわした報道、きっと主張したもの勝ちです。その団体の目指すものがesports競技の発展ではなくビジネスなのであれば、なおさら"わかりやすく主張し、浸透させたもの勝ち"になってしまうかと思います。

(尚、西安市政府は昨年秋から2ヶ月に渡りオフラインで行われた和平精英のプロリーグPEL、更にPUBGモバイルトップチームを招待して年末開かれた国際大会PECの支援をするなどesports振興に本当に力を入れており、取り組み自体はとても良いものだと思っています。今回起ち上げられた組織も自身が国際esports連盟だとの主旨は持っておられないかと思います)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?