どうであれば長所なのか
あなたの長所はなんですか?
その問いかけにはいつも困ってきた。
それはなぜか?
長所があり過ぎて、どれを紹介すればいいかわからないです。
そう返せればよかった。
そのポジティブさがあれば、もはやそれも長所だ。
現実は非情である。
自分で自分の長所をアピールできないのだ。
では、長所と言える点が自分にはないのか?
そうではない。
自分にだって良いところはある。
自分で言うのもあれだが優しいし、物事をコツコツ続けるマメさもある。
たぶん他にもあるのだが、総じて小粒感は否めない。
他の人の長所はもっと立派だ。
自分みたいにしょうもないことではない。
ここが良くない。
長所は人と比較するような相対的なものではない。
例えば、人を思いやっていたらそれは優しい。誰かより思いやっている度合いが小さいから優しくないとはならない。
例えば、1年間続けたことがあったらコツコツできるマメさがあるだろう。世の中に10年続けた人がいたとしても、その人もコツコツできるまで。自分のコツコツさとは関係ない。
長所なんて人と比べても仕方ない。
この広い世の中、いくらでも優れている人はいる。そんな中で人よりも勝っている部分を長所と呼ぶなら、長所がある人なんてほとんどいないだろう。
さて、皆が長所を獲得するべく血なまぐさい競争をし、大半の敗者が自信を失くす世界。絶対的な事実を元に皆が自分の長所を誇れる世界。
自分は後者を望む。というより憧れる。
まだ見ぬその世界を。
あなたはどちらを望むだろうか。
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