シェア
フグ田ナマガツオ
2023年6月13日 21:16
送られてきた紫陽花の静脈のような色が綺麗で、暫く見蕩れていた。添えられたカードには見覚えのある彼女の字。懐かしい記憶には雨音が伴って、二人で傘の下歩いた景色を想起させた。これを僕への贈り物として選んだ彼女は、おそらく知っている。もう花の色は変わってしまったことを。ゴミ箱が揺れる。