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2024年度 エッセイ

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2年目です。どうぞお手柔らかによろしくお願いします
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2024年6月の記事一覧

六月一七日、憂鬱な日

六月一七日、憂鬱な日

 不意に、心の引き出しの奥に詰め込んでいたはずの辛い記憶が次々と迫ってきて、生きていることが億劫に感じられた。明日も明後日もその次の日も、いつまでも居座り続ける憂鬱に惑わされて、それをなんとか誤魔化しながら、ただ流されていくだけの日々が馬鹿馬鹿しく感じた。
 それでも、横柄な憂鬱を抱えながら、これまで私が生きてこられたのは「本」のお陰だった。たとえそれが、一時的な憂鬱の誤魔化しだったとしても、「本

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