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山川一問一答世界史 解説

【基礎データ】
教科・科目:地理歴史・世界史探究
発行年:2024年1月
編者:光森佐和子、増元良英
発行元:山川出版社
価格:1012円
レベル:基礎~国公立二次(国公立)
    基礎~MARCH、関関同立(私立)
判定:良作(良作・普通・駄作)

【概要】
 山川出版社の教科書『詳説世界史探究』及び『世界史用語集』に基づいてつくられた、一問一答形式の問題集。東進の一問一答とは異なり、文章に対して穴埋めする形式ではなく、「~を何というか」というように設問文が書かれており、それに対応する用語・事項を答えればよい。

【旧版との違い】
①用語の追加・削除 →「先史時代」「旧石器時代」「太陽のピラミッド」などありそうでなかった用語が追加され、「王朝国家」など、一部用語が削除された。
②問題文中の重要語句を示したこと →問題文中の重要語句が赤字で示され、これにより、用語の説明問題や穴埋め問題の対策をすることもできるようになった。
③レイアウトの変更 →特に、文字が大きくなった
④章や節の概観をその冒頭に掲載

【評価点】
・用語の精度 →大学入試に必要なほとんどの用語は網羅されている
・コンパクトであり、手軽に持ち運ぶことができる。
・教科書、用語集に準拠しており、授業と並行して学習を進めやすい。

【問題点】
・用語のセレクト →「カネム=ボルヌー王国」や「サモリ=トゥーレ」など、かなりマニアックな単語(1冊の教科書でしか扱われていない)が載っているが、早慶受験には対応しきれない(この問題集より遥かに多くの事柄を覚える必要がある)。編者の恣意性を疑わずにはいられない。
・問題文中にも赤字の語句が登場したことで、付属の赤シートでは、答えだけを隠したい場合でも問題文まで隠れてしまうようになった。

【総評】
山川出版社の『詳説世界史』を軸に勉強している人にはうってつけの問題集。シンプルなレイアウト、ある程度の網羅性など旧版の良さを更に高め、問題文中の語句を赤字にするなどの改善も見られる。このことから、自信を持ってお勧めできる問題集であると言える。隙間時間に活用してほしい。

【補足】
使い方として、以下のことが考えられる。
①授業と並行して予習・復習・テスト対策・模試対策・入試対策に使う
②現在の世界史学習において、どの用語が大切なのかを知る
③受験期の総まとめとして使う


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