2024年都知事選について思ったこと


2024年の都知事選はとにかく話題になった選挙だった。
今回の選挙を私が一言で表すとしたら「有権者参加型選挙」である。
特に蓮舫氏陣営の「ひとり街宣」や、安野氏陣営の「ポスター貼り」は見ていてワクワクするものがあった。ひとりで街宣することは勇気のいることだと思うが、SNSを通じて、リアルの空間を通じて、仲間をつくり、ひとりひとりが政治を自分事と捉えて当事者意識をもって声を上げるまさに草の根の活動だったと思う。一方、安野氏陣営の「ポスター貼り」についてもポスターを貼る行為をゲーム化して参加者を募り、大きな団体の支持がないながらも、選挙期間中に東京都の掲示板すべてにポスターを貼ることに成功した。
この二つに通じるものは「選挙を楽しむ」ということなのではないかと思う。私はどちらの活動にも参加していなかったので部外者としての印象論にとどまってしまうが、SNSを見る限り参加者は楽しんで活動を行っていたように思う。これまで街宣やポスター貼りをしたことのない人で、SNSの投稿を見て初めてやってみた人も多かったのではないかと思う。
また、ネット上で投票した人の氏名を公表する有名人が多かったことも印象的であった。有名人が「投票しましょう!」という呼びかけから一歩踏み込んで投票した候補者の名前を公開することには賛否両論が見られた。とはいえ、もともと政治の話をすることがタブー視されてきた日本の空気を変える一歩であると思うし、タブーを打破する移行期にこうしたモヤモヤ(違和感)はつきものである。政治に関わらずタブーがなくなってもっと話せることが増えるようになったらいい。

東京と東京以外 有力候補と有力候補以外という不平等

東京都は日本の首都であるとはいえ47都道府県の中のひとつである。全国放送されても東京都民以外の人にとっては、いまいち関心が持てないのも当然だろう。同日開票の鹿児島県知事選が都知事選のおかげで目立たなくなってしまっていたのは問題といえよう。東京を特別視していること、あたかも東京の問題は日本の問題と疑いもなく受け入れてしまっていること。事前に有力候補として3~4人を取り上げて、それ以外は名前のみしか取り上げないこと。そういったメディアの意図的な(無意識的かもしれない)残酷な取捨選択は今後是正されてほしい。

もっと政治について知りたい!特に投票とか

今回の選挙、積極的に票を入れたい候補者はいなかった。それでも棄権はよくないと思い投票所に行ったが、ユポ紙の上にペンを走らせるとき、折り曲げて投票箱に入れる瞬間まで誰に入れるか悩んだ。そして開票日の翌日の今になってもあれで良かったのかと悩んでいる。
自分の考えにより合っている人に入れればいいというシンプルなものでもなく、自分の票が死に票にならないように、有力な候補者に入れよう…とかどうやら投票行動には戦略的な一面もあるらしい。
次回投票をするときには自分の中で腑に落ちる決定ができるようもっと勉強したいと思った。




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