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相談事へのアドバイスは、翻訳機に3回かけるべし

女友達の相談を聞くのには、忘れてはならない心得がある。
それは、「返す言葉は可能な限りやわらかくして言い換える」こと。
いうなれば、翻訳機にかけるようなものです。


インスタのストーリーで気になるつぶやきをしていた友達にDMをしてみたところ、なにやら私生活で悩み事がある様子。
詳しく聞いてみると、新婚さんにもかかわらず、元カレのことが忘れられず、夫とケンカしてしまう度に元カレのことを思い出してしまうというのです。
ただ、キャリアと彼女を天秤にかけたとき、元カレさんはキャリアを選び、彼女と別れを告げたという苦い過去があり、旦那様と別れても元カレさんとうまくいく保証もない、ということ。


不正を見逃せない、正しいことをすべき、なんていう変にヒーロー気質なところがある私。
中学では同級生が道端でタバコを吸おうとしているのを注意してやめさせたし、高校では友人が万引きしたお菓子をそっと売店の陳列棚に戻したこともありました。
(私の地元の治安の悪さがよくわかる……)

もちろん、浮気なんてもってのほか。
ヴァージンロードで立てた誓いは何だったのか?
一生添い遂げると、「誓います」と宣言しあったのに。
相手を傷つけるから、というよりも、道理に反するからという感覚で許しがたいと感じるのです。
(彼女の場合は、浮気ではないんですけどね)

彼女の相談への返信を考えながら、モヤモヤが止まりませんでした。
彼女に対してではありません。
どんなふうに返信すれば彼女を傷つけないか分かっているはずなのに、自分の主義やものさしへのこだわりが強くて、なかなか送信ボタンが押せなかった自分に対して、腹立たしいやら呆れるやらでモヤモヤしたのです。

うーんうーんと心でうなりながら捻出した返信内容は、最初に浮かんだものからはかけ離れたものでした。

今更元カレは違うんじゃない?
▶忘れられない人っているよね……

旦那さんがかわいそう
▶時間が経てばさらに愛が深まっていくと思う

元カレもひでぇ男じゃん!
▶元カレさんのエピソードも聞くと、ちょっとビミョーかもしれないよね……勝手なこと言ってごめんね……

私が心で感じたこととは正反対といっていいくらい、咀嚼しまくり意訳しまくり、もうほとんど意味が通じないくらいの返事になってしまいました。
でも、友達への相談(特に恋愛相談)については、決して正論や正義感だけで声をかけてはいけない。
これは私が生きてきた中で培った鉄の掟です。
道を正すだけが、友情ではない。
ときには友達を信じて、本人の選択を尊重することも必要なのです。

思い浮かんだ言葉をそのまま文字にすることで、言いたいことは言えるかもしれないけど、受け取ってもらえないかもしれない。
なので最近は、【トゲトゲ言葉】から【ふわふわ言葉】になるよう、頭の中の翻訳機を使うようにしています。
気持ち的には3回くらいかけるという念の入れようで。

トゲトゲ言葉は、友達に伝わる言葉じゃない。
同じ言語でのコミュニケーションでも、ときには翻訳機が必要になる、という話でした。


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#1ヶ月書くチャレンジ Day26の「今日1日にあったモヤッとしたこと」を書きました!

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