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#小説

時代転送実験 あらすじ

時代転送実験 あらすじ

時は近未来。歴史学を専攻していた学生である私は、研究に関わる秘密裏に行われている壮大な実験に参加。見事被験者に合格したわたしは、その装置を使って自らの研究に没頭する毎日を送る。しかし周囲への徹底した秘密保持や、失敗した時の無保証などの規約により、次第に不安が募るようになる。幾度目かの実験後、辿り着いた時代で装置が働かない事態に遭遇し、その時代での足止めを余儀なくされてしまった。そこでは同じように様

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時代転送実験 本編

時代転送実験 本編

 わたしは歴史を勉強する学生である。
 時は22世紀、今や歴史を専攻する学生は長らく残された文献を漁る以外にも、直接その時代へ赴き、直にその時代の空気を肌に触れつつ、歴史の影に隠された普段の生活すらも、のぞき見ることができるまでに機械技術などが高度な発展を遂げた。

 これは歴史以外にも別の分野での専門家の協力も必要な一大プロジェクトだった。なぜなら専門の装置を扱うのに彼らの協力は必須だし、実際に

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夜の小雨が降る日

夜の小雨が降る日

 あれは、若かりし頃、夜道を仕事帰りに徒歩で帰っていた時のことです。

 その日は雨が降っていました。夜道はとっぷりと暗く、小雨でしたが、濡れたくないので傘は差していました。わたしは家から近いところに勤めており、徒歩で通勤していました。
 家路までに使う道は日中は車通りの多い道でしたが、夜になると人通りは少なくなるような、普通の田舎で沿道沿いには、コンビニなど店が点在していますが、その時刻には、ほ

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