その後

夫は嬉しそうに、
雨降って地固まるとはこのことだね！
と言う
私たちは不倫を乗り越え仲直りをし、関係を再構築したかのようだった
私は夫のことを心から愛していたことを思い出し、夫もまた私や娘たちの大切さに気づき、自分のしたことの愚かさを反省した
これからはお互い素直になり、感謝を忘れずにお互いを大切にしようと言う話になった

ただ、それは地元で会っている間に話し合って出た会話。娘たちの留守に二人で出かけお酒を飲みいい気分で何となくいい雰囲気になっている間の会話。
日常に戻り、夫が東京に行って毎日ただ過ぎると、放置されていることに気づいてしまう。夫には目まぐるしく動く日々。私には淡々とした変わらない日常。夫が日々に揉まれて変化し気持ちまで変化してしまうのではないかと、気が気じゃなくなった。
どうしてこんなに不安なのか自分の気持ちを紐解いてみた。夫は話し合いの中で何度も、自分が不倫をしたのは私に対して気持ちが冷めてしまったからだと言った
私は自分の行いを反省した
夫は私に、もうやらないでねと言った
完全に冷めた
という言葉はかなり私に響いて何度もリフレインした。その事実をしかと受けとめ冷静でいたつもりだったが、数年前の夫の言動と現在の言動の違いや、最近の発言や態度に具体性を見つけてしまい、自分の中で何度も何度も答え合わせをしてしまう瞬間があった
夫はこのまま私のことを妻として見れないのじゃないか、今のこの状況だから無理やり仲直りの形を取っているけど、本当は全く向き合おうとしていないんじゃないか、またタイミングを見て今度は捨てるつもりなんじゃないか
と、どんどんと悪い想像をしてしまう。
あまりに辛いので、このまま別れをこちらから切り出そうと思った。覚悟を決めて、生きた心地がしないくらい落ち込む日もあった
勝手に捨てられた気分になり、自分自身と娘たちを憐れんだ。

夫が帰ってきたときに、
本当に私と向き合っていくつもりがあるなら、3つのことを約束してほしい
冗談でもこの先浮気や遊びをほのめかすようなことは言わないでほしい
冗談でもこの先離婚の可能性がありそうなことを言わないでほしい
私に対して本当に俺と結婚していていいのか？など私から離婚を切り出す様に仕向ける様な質問をしないでほしい

会っている最中も、たびたびコレを話題に出すから、全然信頼できなかった。
まだ別れを考えていること、不倫を許されようとしていること、この先も遊びたい欲を抑えるつもりがないこと
それが会話のはしばしから見える。
しかしそれも仕方がないというか、もともと不倫がバレた時に、私も自分の気持ちがわからず、不倫をがんばって許容しようとした節がある。頑張って寛容な自分であろうとしたし、むしろそうしないと夫が離れてまうと思って焦っていた。そしてこの関係がいいのかと私自身も何度も自分に問いた。
夫は私と会う時間以外は仕事のことで頭がいっぱいであろうが、私は一人の時間にひたすら考えて、ほぼ考えがまとまっていた
意識に温度差があるのは仕方ない。でも、夫がその意識のままでいられたら困る。それはあくまで、私と関係を修復することにちゃんと向き合う意識があればの話。もちろんそれをしつこく確認した。
私とやり直すことを本気で思っているなら、そこを変えてくれないと私はやっていけないと伝えた。直す気がないなら無理だと
本当に辛いことも伝えた。
もう夫の知っている、夫に無関心(に見えていたし、私自身もそうおもっていた)な私じゃないので、夫にとっても思ってもいない要求をされるので驚いただろう。
でも夫はわかったと言ってくれたし、私に対してちゃんと大切に思っているという意思表示もしっかりしてくれた。
夫に対しての私の態度が180度くらい変わったことに戸惑いながらも喜んでくれている。このまま可愛くいてくれたらいいな、という
二人で過ごす時間は甘くて、十何年ぶりに恋人のようなムードになり気持ちが通じ合ったような気分になる。
だけどまたすぐにお別れそして日常
あぁ、まだ終わってない、また引っかかる部分が、、
そしてまた私は一人で自分の気持ちと向き合い、紐解いていく。