スキャンダル レビュー(セクハラの生々しさ)

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コロナウイルスで自粛ムード漂う中、観てきました。
個人的には現状そこまで恐れるほどではないと思ってます。
少しネタバレあり。

2016年、全米最大のテレビ局『FOXニュース』のボスでテレビ界の帝王ロジャー・エイルズがセクハラで告発された。
告発したのは同社をクビにされたベテランキャスター、グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)。
これをきっかけに人気キャスター、メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)、新人キャスター、ケイラ(マーゴット・ロビー)及び会社全体を巻き込んだ壮大なスキャンダルのパンドラの箱が開く。

実話ベースということで見ごたえありました。
スピード感があり、情報量も多かったので付いていくのに必死(笑)
権力の側による女性へのスキャンダルが映画として公開されたということで、時代の変化を実感しました。
昔だったらもみ消されていたと思うので。
そういった意味でも価値ある作品だなと思います。

アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたシャーリーズ・セロン、助演女優賞にノミネートされたマーゴット・ロビー、ベテランキャスターを演じたニコール・キッドマン、ロジャー・エイルズを演じたジョン・リスゴーの演技は抜群でした。
セリフを含むシーンはもちろんですが、表情と間のみで伝わるリアルな感情表現が素晴らしかったです。

作品を通して感じたのは生々しさです。
昨今よく聞くセクハラ問題をリアルに描いたなという印象。
メインを張りたい女同士の争い。
そこへ漬け込む権力者ロジャー。
セクハラ被害を声に出すのは難しい(自分がセクハラされたと公開することへの嫌悪)。
形成が変わるとコロッと態度を変える長いものに巻かれる人間の存在。
これらをしっかり観せてくれる作品でした。
終盤のメーガンとグレッチェンのコンタクトから見える思いや感情は色々と想像を掻き立てられました。
(ビッグスクープを取られた、自分はセクハラを受けたけどグレッチェンは受けてない、セクハラされずにクビになったグレッチェンとセクハラの結果、仕事をゲットしたメーガンの後ろめたさ)

最後になりますが、日本出身で本年度アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞のカズ・ヒロさん、素晴らしかったです。
本人そっくりのメイクアップ、見事でした。
本当スゴイの一言です。

2時間を切る作品であっという間でした。
セクシャル・ハラスメントのリアルが観れる今作、気になる方は是非。

以上、「スキャンダル(Bombshell)」レビューでした。

90点。


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