北海道を元気にしよう!

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北海道を元気にしよう!

北海道をフィールドに、地域づくりや人材育成のほか、道外からの移住サポート、釣り旅ガイドなどの仕事をしています。移住者ならではの"よそ者目線"と、北海道の内情を知る元行政マンとしての視点を活かしつつ、ヒリヒリする話題も含め、さまざまな角度から北海道に関する話題を取り上げていきます。

最近の記事

寿都町「核のゴミ」問題をめぐる周辺自治体の苦悩

前回の投稿では、寿都町だけにフォーカスして「核のゴミ」問題を考察しましたが、この問題が影響を及ぼす地域は、もちろん寿都町だけにとどまりません。 そこで今回は、黒松内町、蘭越町、島牧村、岩内町という周辺町村に思いを寄せて、この「核のゴミ」問題を、少し別の角度から考察してみようと思います。 交付金配分の仕組みと受け取り状況 「核のゴミ」文献調査受入れに伴って国から地域に支払われる交付金は、制度上、調査対象自治体に5割以上、残りは地域の実情に応じて配分されることとされている。つ

    • 寿都町 「核のゴミ」問題の現在地

      昨年、この問題に関する記事を投稿してから少し時間があいてしまいましたが、寿都町は文献調査への応募を正式決定し、国から同町への電源立地地域対策交付金の配分が決定されるなど、その後、具体的かつ重要な動きがいくつかありました。 当初、寿都町の片岡町長は、「核のゴミ」問題に一石と投じること、寿都というまちを未来につないでいくことなど、文献調査に応募することの社会的意義をしきりに強調していましたが、いざフタを開けてみれば、単に「目の前にぶら下げられたニンジン」に我先にと喰いついただけ

      • #006_地方移住と医療(1)

        新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中で、にわかに注目を集めたのが地方への移住。ところが最近は、その移住を思いとどまろうとする動きが加速化しているようですね。 そもそも、地方への移住がトレンドの如く注目されるきっかけになったのは、当初、都市部における新型コロナウイルスへの感染事例が特に目立っていたこと。 "少しでも感染リスクを減らしたい" そんな願望が、都市部の住民たちの背中を押す力になったのでしょう。 ところが、今度は地方の医療提供体制が脆弱であることがメ

        • #005_北海道の日常 "いいねと困ったね"

          電車空いてていいね😊 首都圏で電車通勤するイメージを持ったまま、北海道で通勤時間帯の列車に乗ると、「車内が空いてて助かるなあ~」と、心から思います。 JRの札幌駅発着の一部路線や、札幌市営地下鉄などでは、それなりに混雑することもありますが、それでも、首都圏の混みっぷりと比べたら、まったくもって大したことはありません。 「となりの人と密着して動けない」とかは、長時間にわたる運休など、よほどのアクシデントがあった時だけ。そういう意味では、通勤時のストレスは、かなり低減される

        寿都町「核のゴミ」問題をめぐる周辺自治体の苦悩

          #004_北海道の食 "いいねと困ったね"

          豆腐いいね😊 皆さんもよくご存じのとおり、北海道は大豆の生産量が圧倒的な日本一。そのため、私たち道民が質のいい大豆を手に入れることは、さほど難しいことではありません。 もちろん、大豆を主原料とする豆腐も、絶品と呼べるレベルのアイテムが道内各地に点在しているのですよね。 見出しの画像に使っているのは、檜山管内今金町にある小西豆腐店さんの「ざる豆腐」。姉妹品の「寄せ豆腐」ともども、私の一番のお気に入りです。 この豆腐、とにかく大豆の香りと甘みが秀逸で、はじめて口に入れた時

          #004_北海道の食 "いいねと困ったね"

          #003_北海道の道 "いいねと困ったね"

          景色いいね😊 この記事を読んでくださっている皆さんの中にも、北海道の道をドライブした経験があるという方が少なくないと思います。 基本、道は広いですし、景色も最高! ですよね。 私が北海道に移住してから感じたのは、同じ道を走るにしても、季節ごとで見える景色が劇的に変化し、それがまた、どれも素晴らしいということ。 観光の場合は、どうしても、景色を"点"でしか見られないわけですが、北海道に移住してしまえば、季節ごとの景色の移り変わりを"線"として楽しめるようになるんですよね

          #003_北海道の道 "いいねと困ったね"

          #002_北海道の日常 "いいねと困ったね"

          水いいね😊 私が北海道に移住してからというもの、めっきり買わなくなった日常のアイテムがミネラルウォーター。 基本、水道の蛇口をひねれば、いつでもおいしい水が飲めるわけですから、そりゃー、わざわざミネラルウォーターを買おうなんて、思わなくなるの当然でしょう。 もちろん、災害用に備蓄している分は一定数あるけれど、賞味期限内に飲み切るのをつい忘れてしまいがちになっているのが実情です。本当は、ダメなんですけどね。 見出しの画像は、住宅街からほど近いところを流れる湧水の川。

          #002_北海道の日常 "いいねと困ったね"

          #001_北海道の食 "いいねと困ったね"

          前回の投稿から、少し時間が空いてしまいましたね。フォローしていただいている方、申し訳ありません。 その前回までが、期せずしてネガティブな話題になってしまったので、ここから、もともと私が発信していきたいなと思っていたネタを、順次、記事にしていこうと思います。 豚肉いいね😊 ここ北海道では、近所のスーパーなんかでも、けっこうなクオリティーの豚肉がとても安価で販売されています。道外から北海道にやって来ると、まずはこのことに、ものすごく驚かされました。 パック詰めされた100円

          #001_北海道の食 "いいねと困ったね"

          「核のゴミ」問題の出口を考える

          今週に入ってから、「核のゴミ」の最終処分場選定に向けた文献調査について、北海道神恵内村の神恵内村商工会が村に応募検討を求め、村議会あて請願書を提出したというニュースが流れた。北海道内でも、寿都町と同じ後志(しりべし)地域から降って湧いた話とあって、近隣の地域には大きな衝撃が走っている。 ただし、寿都町と神恵内村では、ともに「財政状況が厳しい後志地方の過疎のまち」という共通項はあるものの、現状の立ち位置に明らかな違いがあるのも事実。現状、このことをしっかりと報じるメディアを今

          「核のゴミ」問題の出口を考える

          原子力関連施設の誘致と企業誘致の違い

          前回の記事では、すでに多額の電源立地地域対策交付金を活用したまちづくりを実践している道北の幌延町にスポットを当て、実質的に『迷惑料』として支払われた交付金が内包する"麻薬的性質"に正面から迫ってみた。 ところで、原子力関連施設の誘致に批判的な市民の声に対して、自治体側が「企業誘致と同じじゃないか!」と反論するケースをしばしば目にすることがある。ただこの説明、一般市民目線で見ればなんとなく説得力がありそうにも聞こえるのだが、実情を知る者から見れば、企業誘致に真剣に取り組んでい

          原子力関連施設の誘致と企業誘致の違い

          交付金に潜む"麻薬的性質"の恐ろしさ

          前回の記事では、交付金制度の『闇』に焦点を当て、いかに地方自治体や一般市民に対する国の姿勢が不誠実であるかを具体的な事例を交えながら説明してきた。 ところが、さらにこの問題を掘り下げて考えてみると、迷惑料的性格を有するこの手の交付金の問題点が、そもそもの国の姿勢や手続き論だけにあるわけではないことに否が応でも気が付かされる。むしろ、最も恐ろしいのは、地方自治体が一度でもこれらの交付金に手を付けたならば、自力で抜け出すことがほぼ不可能ともに言えるほどの深い泥沼に、じわりじわり

          交付金に潜む"麻薬的性質"の恐ろしさ

          国の交付金制度の『闇』

          私は、前回の記事の中で、寿都町が目指すのは、人々が住みやすいと思える「まちづくり」を将来にわたって実現し続けることであって、処分場を誘致して国から多額の交付金を引き出すことは、目指す姿を実現するための一つの手段に過ぎないという話をしてきた。 ただこうした説明を聞いている中で、 「国から交付金をもらうという手段を活用しようとすることの、いったいどこが悪いと言うの?」 と疑問に思った方も、きっとおられるだろう。 たしかに、地方自治体が国から交付金をもらうこと自体が悪いことかと

          国の交付金制度の『闇』

          北海道寿都町 「核のゴミ」問題の本質

          原発の使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」。先日、その最終処分場の候補地選定に向けた国の文献調査に、北海道の寿都(すっつ)町が応募する方針であることが明らかになった。 私のnote初投稿記事がこの話題というのは、正直なところかなりツライ。だが、「核のゴミ問題」という側面から見ても、「人口減少社会における将来のまちづくりのあり方」という側面から見ても、今の時代を生きる私たちが、この問題から目をそらしてはならないことだけは確かであろう。 そこで今回は

          北海道寿都町 「核のゴミ」問題の本質